「薄着だよね?」の意図 -言葉を繰り出す2つのタイプ-
昨日は雨で、2日前の春のような気温とは打って変わって冷え込んでいた。
インナーには極暖、ハイネックロンT、裏起毛スウェットトレーナーにダッフルコート。
下はロングスカートに裏起毛タイツ。
(ちなみにいうと、極暖の下にブラトップを着ていて、薄手の赤外線加工腹巻き付きオーバーショーツも履いていて、お腹周りの布は、タイツやコートまで入れると、7枚重ねだ(笑))
朝から降り続いている雨だったが、そんなにどしゃ降りでもなく、どちらにせよ長靴は持っていないので、足元はコンバース。
午前中にそれで買い物に行ったが、寒くもなく、着込み過ぎて暑過ぎるということもなく、快適だった。
午後。
遭遇した女性が、
「薄着だよね?」と声を掛けてくれて、下記のような会話になった。
女性「薄着だよね?!」
私「え?めちゃめちゃ着込んでるよ(笑)」
女性「いや、全体的に薄着だよ!」
私「いやいや、極暖着て、首もハイネックだから寒くないし、このトレーナー裏起毛だから暖かいよー。強がりでもなんでもなく、寒くないよー。」
女性「私なんて靴下二枚重ねだからね!」
私「スカートの下は裏起毛タイツだよ、これ。分厚いから暖かいよ。」
女性「しかも、足!スニーカーだし!」
私「長靴ね、今、私持ってないんだぁ(笑)(傷んでから)買い直してないんだよね(笑)まぁ、あんまり降ってないし、大丈夫♪」
彼女から見たら、私は薄着に見えたのだろうか。
もちろん私は、自分自身が何枚重ね状態なのか知っているから、自分が「薄着」という認識は全くなくて、彼女の意図は、わからなかった。
なので、「薄着だよね?」という問いかけに対して、「こうですよ」という事実をフツーに述べておいた。
(今思うと、上で、ちなみに、とカッコで括って書いた部分の説明を、彼女にもさらに付け加えれば分かりやすかったのかな。)
寒そうに見えたから、心配してくれたのか?という観点
その後、他に何人か会ったが、彼女の他には誰にも「薄着だね?」とは言われなかったにせよ、彼女からの私の印象は「薄着」だったのかもしれない。
「寒そうだから、なにか一枚着てきたほうがいいんじゃない?」
というようなお母さん思考が働いたのだろうか。
それなら、私にも経験があった。
明らかに身震いしていたり、手を擦り合わせていたり、身を縮めて小さくなっていたり、唇が青くなっていたり。
そういう知り合いを見かけたら、
「大丈夫?寒い?」
「マフラー貸そうか?」
と声をかけたことはある。
それだったのだろうか。
「薄着、見てるだけでこっちが寒く感じてしまうね」観点
小学生の頃に、1学年に絶対一人はいる「冬でも半袖半パン」な男子を見たら、
「わー!寒そう!寒くないのかな?すごいな、元気だなー!」
と思うことはあった。
でも、大人になると、
「わー、寒そう!見てるだけでこっちが寒くなってくるー」
と思うこともあった。
もちろん私は昨日、半袖半パンでいたわけではないけれど、彼女にとって、それに近い感じがしたのだろうか。
そこからの「薄着だよ!」だったのだろうか。
(なんとなく字面を見ているとアンジャッシュの児島さんが浮かんでくるが、気にせずいこう。)
ただ自分の主観を伝えたという観点
「あなたは薄着です」
自分の目で見えたことを、そのまま「事実」として「断言」しただけ。
あまり私にはそういう発言をした経験がないので、例が思い浮かばないが、見たこと、感じたことをそのまま表現したい、表明したいだけかもしれない。
まぁ、言った本人に聞くことが出来たら良いんだろうけれど、聞くのって言葉選びがまた難しい気がする。
「それってどういう意味で言ったの?」って気軽な気持ちで聞いたとしても、そのフレーズだと、私の中では、なんか文句のような喧嘩腰なようなイメージがあるのだ。
かといって、単純な疑問からの質問だよ、という思いで、冷静に「あなたの発した言葉は、この意味ですか?それともこっちですか?または、この解釈ですか?」というのは、なんだか今度は「金の斧 銀の斧」のような、上から審判を下されているようなイメージになる気がする。
思ったことをすぐ口に出すタイプと考えて出す(もしくは出さない)タイプ
ここまで書いてきたのを読んでいただくと、私が「言葉」を選ぶのに、めちゃめちゃ考えるタイプだ、ということが垣間見えてきたと思う。
単純にいうと、人の個性として「思ったことをそのまますぐ口に出すタイプ」と、私のように「思ったことを、こうかな、ああかな、どうかな、と考えて捏ね繰り回して、やっと出すか、もしくは出さないタイプ」がいるのだろう。
そういう意味では、彼女の「薄着だよね?薄着だよ!」発言は、単に「思ったことを、そのまま口に出した」だけ、特に意図はないんだろうな。
2つのタイプ、どちらにも、それぞれ長所短所があるだろう。
自分と似たようなタイプには共感を覚えるし、違うタイプだと、あれ?と疑問が涌き出るが、そこを観察したり、考えたりするのも、意外と楽しんでいるかもしれない。
自分とは違う発想や感性に出会えることは、楽しいことだ。
違うタイプ同士でも、お互いの違いを面白く捉えるのが、私は好きだなぁ。
そして、良いところは取り入れていきたいし、自分の考え方を再認識して、自分の良いところも伸ばしていきたい。
発言した本人は、私の中でそこまで大きな話になっていることは知らないだろうし、想像もしないだろう。
でも、ひそかにここで、
「ありがとう」
と言っておく。
サポートしていただける、というありがたみ、深く心に刻みます。 子どもに繋いでいけるよう、子どもにいろんな本を買わせていただくのに役立てようと思います。