最後の体育祭

ママとして最後の体育祭が先週末にありました。

子ども達が保育所の頃から毎年毎年、毎年毎年。。。
参観日から運動会、発表会、大きくなって体育祭や文化祭に。

長男くんが1才で保育所に入って、すぐすぐあった発表会。
小さな遊戯室の舞台で。
小さな椅子に座った、小さな息子くんが。
先生にお名前を呼ばれて「はい！」と手を挙げる。

ただのそれだけのことなのに。
長男くんと離ればなれの時間を過ごすようになり不安だった、まだまだ新米ママだったわたしの目には涙が浮んだ。
ただのそれだけでも、長男くんの成長とたくましさを感じた。
小さな息子くんも頑張っている。
「ママも頑張ろう」と思えた子離れの小さくて大きな第一歩。

現在、次男くんは高校3年生。
自宅から寮生活を始めて半年後の1年生の頃の体育祭を思い出し、ふと気づく。

グランドの子ども達を見ているわたしの心持ち。
野球部の子ども達の活躍を我が子と同じように楽しんでいた。
坊主頭の3年生の愛おしさ。

グランドを見下ろす応援スタンドの保護者さん達を見た時のわたしの心持ち。
久しぶりの皆さんの笑顔を見つけて嬉しくなった。
手を振り合える存在に何だかとってもほっとした。

息子くんの高校の野球部は全国から子ども達が集まっている。
体育祭の後
「うちの子はここにみんなと、仲間と出会う為に来たんだと思うんよ」
目を潤ませながら話してくれたママさんと気持ちが重なる。
わたしにも感謝の気持ちが込み上げてくる。
通じ合う。通じ合える幸せ。

野球部での生活は順風満帆とはいかない。
辛いことも、苦しいことも。山ほどあったに違いない息子達。

我が子が苦しんでいる。
なのに遠く離れて自分には何もできずに。
我が子の辛さに何もしてやれない。

まだ自分が辛い方がマシだと、変わってやれないことかと何度考えたことか。
我が子の苦しさに何もしてやれない。
そんな想いをママ達はみんな噛みしめながら。今がある。。。

体育祭、本当に仲の良い野球部3年生。
『息の合った』とはこういうことか！
台風の目でも綱引きでも。リレーのバトンでも。
みんなの息はピッタリで。
まるでそれすらも楽しんでいるかのように。

赤ちゃんとママがコツンとぶつかって。その瞬間に顔を見合わせて。聞いたことのないような声でケタケタと大笑いするような。
そんなくらいにピッタリと重なっている野球部3年生の情動に。
見ているこちらも自然と笑顔になっていく。

子どもは「社会で育てる」
『社会』とは人との繋がりの中にあります。
仲間との繋がりの中で大きく成長した息子くん達のたくましさ。

同級生の野球部のママさんが写真を送って来てくれた。
そこには、遠くからでは見えなかった子ども達の沢山の笑顔が映し出されていた。
困ったことに、その写真をわたしは泣かずに見ていられない。
目が潤んで焦点を合わせるのがやっとこさっとこ。

表情からは心から仲間との時間を楽しんでいるみんなの様子がうかがえる。
野球のユニフォーム姿の子ども達とは違うリラックスした子ども達。
高校生の彼らの笑顔にはまだまだあどけなさの残る。
可愛いその笑顔達のまぶしいこと！

そんな沢山のみんなの笑顔の中に、息子くんの笑顔もそこにある。
息子くんの居場所もそこに。
何と幸せそうな。

何と幸せな・・・
ありがとう。

親元を離れてただひとり。。。

ではなかったんだ！
彼の周りにはいつも、いつでもみんなが居てくれたんだ！

人との繋がりの中、人とこころを通わせて。
子ども達はぐんぐん。ぐんぐん。たくましく成長していく。

実は体育祭を見ながら、写真を送って来てくれたママさんが応援スタンドから望遠レンズを覗いていたところを眺めていたわたし。
カメラのレンズを覗きながらにこにこと嬉しそうに写真を撮っているその姿を「素敵だなぁ」と眺めていた。

彼女のその温かい眼差しは、彼女の子どもにだけに向けられたものではなく、野球部みんなに向けられていたものだった！
野球部の子ども達みんなを想いレンズを覗き続けてくれたママの気持ちが嬉しくて。写真を見ながらまた「ジーン」が込み上げてくる。。。

残す学校行事は卒業式。
今から考えても淋しく切なくなって来る。
3年前入学した当時、まさかこんな気持ちになれるとは思ってもみなかった。

こころの成長は子ども達だけのものではありません。
そうか！思春期ママの成長も「社会の中で育つ」んだ！
思春期子育てで重要なのは、子どもとの『物理的』だけでなく『心理的』な距離感。

人との繋がりの中で、人とこころを温かく通わせていく。
傷付いた「こころ」は癒やされてほわわわーんとゆるまっていく。
ゆるまった「こころ」は、子ども達の愛おしさに気づかせてくれる。
そうなってやっと見えてくる。子ども達との『心理的』に良い塩梅な距離感が。

息子くんは
「ここでみんなに出会う為に来たんだ」
間違いない！と心から感じられた幸せな、ママとして最後の体育祭の１日

わたしも
「ここでみんなに出会う為に来た！」
と心から思えるみんなに出会えたことに心から感謝！

これまで沢山の幸せを見せてくれた息子くん達に『ありがとう！！』