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解放

田舎のおばあちゃん家に帰省した。

一通り畑仕事と庭の掃除を手伝った後、わたしと弟は、そおっと目配せをして山の方へ駆け出した。

2人とも笑っていた。

この山は、2人にとって幼心を取り戻す唯一の場所であり、2人の唯一の遊び場である。

この獣道行ってみよう

この池に石投げてみよう

ホウホウって言って宇宙人と交信してみよう

どっちの枝が強いか対決しよう

すべての冒険心、ワクワクを駆り立て、実現させてくれる場所である。

山を一つ二つ超えて、さんざん遊んだ。

そろそろおなかも空いたし帰ろうかと、来た道を戻る。

しかし、我々このわんぱく姉弟、まっすぐ家に帰る訳がない。

今はもう廃校となった母の母校に寄る。

もう何十年も使われてない廃校で、この不気味さも我々の興味関心を引き付ける。

フェンスをいくつも超えてすべての窓を開けようとして見たり、人体模型の影に腰を抜かしたり、濁ったプールに張ったでっかい氷を投げたり、、。

そして、我々の真骨頂はここからである。

グラウンドに飛び出し、ナスカの地上絵もどきを作成する。

今回は、年末に見た映画「ショーシャンクの空に」の影響から、

『BROOKS WAS HERE』

をでかでかと書いた。

いつまで残ってるかな、はやく誰かヘリコプターでここ通ってくれへんかな、驚くだろうな、って笑って騒ぎながらフェンスを越え、帰路を急ぐ時が一番楽しい。

自分を解放できる場所、解放できる人、解放できる環境を持つのは一番大事だ。

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