ライターの佐久間裕美子さんとスペインにいる友人の対談を聞いて
先日、スペインにいる友人のトモちゃんとライターで有名な佐久間美子さんのインスタLIVEでの対談を聞いた。
佐久間さんのnoteの記事は前から好きで、最近は外国に住んでいる日本人とその国の現状や、コロナウィルスに対する政府の対策、国民性などインスタLIVEで対談しているのをよく聞いていた。
日本のメディアには出ないその国に住んでいる人のリアルで有益な情報が手に入るし、また海外に住んでいる人達の理由を聞いていると、彼らのオリジナリティや芯の強さが今の自分にインスパイアされる事が多く、とても勉強になった。
普段、スペインにいる友人ともよく連絡を取っているので、スペインや彼女の現状は聞いているのだが、改めて彼女と佐久間さんの対談を聞いて考えさせられるものがあった。
その時の対談内容と自分の感想をまとめたいと思う。
私の友人はスペインのバロセロナに住んでいて、佐久間さんはニューヨークに住んでいるのだが、二人のプロフィールはこちらを参考にしてほしい。
スペインのロックダウンの現状は?
スペイン政府によると7日は新たに754人の感染が確認され、スペインで感染が確認された方の累計は221,447人になった。新たに213人の死亡が確認され,死亡された方の累計は26,070人である。
また、「警戒事態」宣言を5月24日(日)午前0時まで延長することを決定した。
3月から実施されてきた厳格なロックダウン(都市封鎖)措置のおかげか、一時期のピークよりは徐々に感染者数が減り始め、段階的に緩和が始まっている。
今週はフェーズ(段階)0、来週から1が始まり、2週間毎に段階処理を上げていく予定で、6月の下旬に元の生活に戻すのを目標にしているそうだ。
2日には時間限定で散歩やサイクリングが解禁となり少しずつ緩和されてきたが、フェーズ0の段階では車に乗る際、運転手のみという制限がある。しかし、フェーズ1になると+1人乗せる事が可能になる。
条件はあるが、感染者数に合わせて段階を変えていく事をはっきりと政府が提示しているのだ。
また、スペインは犬を飼うことをステータスの一つとしているところがあり、初期段階から犬の散歩で外に出れたそうだ。
自粛に疲れた人たちがどうしても外に出たくて、犬を借りて外に出ようとする人もいたり、日本でもニュースになったそうだが金魚鉢持ってペットです!!と言って外に出たというニュースもあったそう笑
スペインは日本より外出禁止の規制が厳しいので、何か理由を付けてでも外に出たい気持ちは分からなくもない。
また、ハグやキスを多くするスペイン人もソーシャルディスタンスは意外と早い段階で距離感保っていたと語っていた。
自粛期間の楽しみ方は?
バルセロナは晴れた日が多くベランダに出て昼間からビールを飲んだりして、イタリア人の旦那とのんびり過ごしていると彼女は語った。スペインは小さいバルコニーの家が多く、洗濯物を干せる様、屋上が解放されている事が多いので屋上でウロウロしたりサルサ踊ってる風景をよく見るそうだ。
陽の光を浴びる事の大事さを佐久間さんも話していて、NYシティも散歩が出来るようになり、自粛に疲れたのか今週は公園に集まる人が多かったそうだ。警察が家に帰るよう咎めるシーンがあったと語った。
最近、私も散歩に一人でたまに行くが、公園に行くと土日並に人に溢れていて、咎められているのは硬いボールは使わないでくださいと注意された若いカップルだけだった。
外国の対応を聞いていると日本がいかに緩いか余計に感じる。
仕事はどうなっているの?
建設業は一番早い段階で再開され、先週から商店も少しずつ開き始め、飲食店などで持ち帰りも出来るようなったそうだ。
美容院はやり始めたが予約客のみで、小売店も店員1人に対してお客さん1人っという規制がある。
佐久間さんの話では、アメリカのアンチロックダウンを訴えている一人が『美容院に行かせろ!!こんなに行ってないんだから!』っと根元を見せて講義している動画あったそうだが、新しく生えてきた髪との差が8インチくらいあり、そんな生えるということは、『10月くらいからロックダウンしてるのか!』とネット民に突っ込まれたそう笑
日本でも美容院やネイル、マツエクなどに行けなくてストレスが溜まっている人たちもいるのではないかと思う。しかし、近所で今日通った美容院はお客さんが沢山いて繁盛していた。GWも結構お客さん多かったというコメントもあったので、ここら辺も日本と外国の違いを感じた。
農業についても話していたが、スペインは野菜などの物流は滞ってないそうだ。私も調べたが、マイナスなニュースの記事は見当たらなかった。
フランスでは、季節労働者の移動がなくなったせいで人手不足が深刻で、政府が積極的に農業に協力しているそうだ。
また、佐久間さんが食料のサプライチェーンの問題についても語っていた。
サプライチェーンとは、製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのことをいいます。 サプライチェーン(Supply Chain)は、日本語では「供給連鎖」といわれています。
アメリカではレストランに卸していた所は食材が余って廃棄したり、フードバンクとかに持っていくのも量が余ってる全体の量に比べると足りないので、サプライチェーンを組み直している人もいたりすると語った。
フードバンク(英: Food bank)とは、包装の傷みなどで、品質に問題がないにもかかわらず市場で流通出来なくなった食品を、企業から寄附を受け生活困窮者などに配給する活動およびその活動を行う団体。
国内生産の約5%を占めるアメリカの大手豚肉生産会社スミスフィールド・フーズ(Smithfield Food)が集団感染したことを考えると、長く続いた時に問題が出てくるのではないかと語った。
治安はどうなのか?
スペインは観光地として栄えてはいるが、元々スリなど多く治安は良いとは言えない。しかし、観光客もいないのでスリの被害もないし、みんな家にいるから泥棒が入れない。
スペインではバカンスで家を空けてたら、冷蔵庫ごと持ってかれたとか、そんな事はザラにあるらしい笑
佐久間さんも話していたが、コロナウィルスが世界中に蔓延し、みんな家にいる事で逆に治安が良くなっているという話も出ているそうだ。
ただ、この後、経済が悪化する事で貧困層が更に増える恐れもあるので一概には言えないが、そういった側面も現地ではあるようだ。
医療関係はどうなっているのか?
スペインは公的医療が無料だが、通常の時でも風邪をひいて病院に行くと診てもらうまでに2週間くらいかかるそうだ。なので、お金がある人は医療保険に入って、私的な病院に行く事が多いらしい。
現状では、コロナウィルスの影響で公的な病院は予約できない状況が続いている。ただ、予約したのがキャンセルされる際、連絡はきちんと来るそうだ。
コロナウィルスかもって思ったら、どうしているか?
コロナウィルスの疑いがあった場合、電話して指定されたところに行って検査し、そのまま病院に行くそうだ。
しかし、彼女のスペインで看護師をしている友人曰く、普段ベットじゃない所をベットにしないと間に合わないそうだ。
そして、電話しても受け入れられるかどうか、受け入れられたところで放置されないかという不安もあるので、なったら最後と覚悟してるいる人も多いと彼女は語った。
佐久間さんがNYでの感染体験記をnoteに書いてる方の話をしていたが、恐らくこの方だと思う。気になる方は是非見て欲しい。
スペイン政府の対応で思うことは?
スペインは、平均月収1000ユーロ(12万くらい)で、コーヒーが一杯200円、ビールも200、300円で飲めるくらいヨーロッパの中では物価が安いが、バルセロナは家賃が東京と同じくらいだそう。
ベーシックインカムを検討するっと政府は言ってたが、貧しい人を対象にするという話で止まっているし、現金給付の話は出ているが、現状は本当に出るかは決まっていない。
日本の終身雇用に対し、スペインは三ヶ月間などの契約雇用が多いので、失業保険に該当しない短期契約の仕事をしている人は、申請すると5万くらい給付されるそうだ。
後、家賃を政府が肩代わりして、一定期間無利子で貸す制度が出来た。ただ、コロナで職を失って収入の35%以上が必要経費に取られているなど条件があるそうだ。
自営業者と中小企業は年間売り上げが60万ユーロ(7000万)以下であれば、毎月払う税金が一定期間支払うのが延期される制度も出来た。
また、スペインも1人に対し2枚マスクが支給されるのだが、家には届かず薬局に行って健康保険証を見せて貰うシステムらしい。ただ、最初は建設業とか仕事を再開する人が優先だったそうだ。
佐久間さんが保証と自粛がセットなのが肝だと思うが、スペインではデモなど起きたり不満な声はないのかと質問があったが、特別目立ったデモは無いし、そもそも政府に対して言ったことをしないのが当たり前だから、それに対しての細かく文句を言うような国民性でもないのかもと彼女は言った。
国民性でいうと、バルセロナの市長は『家賃を払えないなら払わなくて良い」と発言したそうで、それを実際に行動した時にその先の人たちはどうなるかなど考えないので同調する人も多いし、貧困層に対してきちんと対応してない様に感じると彼女は語った。
アメリカでも、5月1日に家賃ストライキがあり、払っていない人が結構いるそうだ。
スペインのサンチェス大統領は性格も丁寧でリーダーシップが取れる印象がある中、日本のニュースを見ると‥政治に国民性が出てるよねと2人は語っていた。
佐久間さんとのインスタLIVEでは言ってなかったが、終わった後スペインにいる彼女に連絡すると、イタリアでも生活出来なくなってきている人が多く、スーパーで堂々と店員に対し、『生活するためのお金がないので払えない。政府に請求してくれ』とお金を払わず帰ろうとしても、店員も警備員も止めないらしい。
日本ではあり得ないと思うが、国民性が出てるにしても、もしかしたら私たちも人事ではなくなる時が来るのかもしれない。
日本は出社しなければならない人がまだ沢山いるが、スペインはその辺りのバランスはどうなっているか?
スペインでは、10人に1人が外国人で、EU圏内でビジネスしている人が多い為、普段からオンラインで仕事をしている人も多い。なので、日本のように会社に行かなければならないという概念は無いと語った。
それに対し、アメリカも基本デフォルトが在宅で、先週銀行に電話したら出た人の後ろで犬の声が聞こえて、みんな家で働いているんだなっと思ったと佐久間さんも語っていた。
佐久間さんが、専門家の話を聞いていると第2派の波が来るっと言われていて、ロックダウンが解除されても繰り返す可能性がある。また、ロックダウンが解除されたとしても会社に行く事を拒否する人もアメリカ人の中でいると思うが、日本は会社に決めたことに従う人が多いよねと語った。
周りに合わせようとする日本とは違い、イエス、ノーをはっきり言わないと外国だと意思がない人だと思われる。海外に住むと日本人は大体1回は言われるよねっと語る二人。
佐久間さんから、この先スペインにずっと住みたいとかある?という質問に対し、
どこに住みたいかより、どこに行きたいか
今回のことでオンラインで仕事する自信がついたのでスペインだけに留まらず、バイクを乗せられるキャンピングカーでヨーロッパをイタリア人の旦那と周りながら生活したいと彼女は語った。
彼女は観光業やバイヤー、翻訳など【小さな収入源をいくつか持つ】ことを目標にノマド生活を送っていて、現在はオンラインで日本語を教えている。
いつ新型コロナウィルスが終息するか分からないし、終息した後も今まで当たり前だった事がガラリと変わる事は皆感じていると思う。
この先、彼女のように沢山の収入ポケットを持つのは重要なのかもしれない。
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