見出し画像

可愛いと言われることがこんなに辛いと知らなかった。


あぁ、可愛い

両腕がにゅっと伸びて、手のひらが私の頬を摩る。

顔が近づいて、目線はゆっくりと下がり、そのまま瞼が閉じた。



言葉の通り一瞬の出来事。
驚きや衝撃よりも、あ、そうなんだ。というのが率直な感想だった。


こんなんだったんだ。私が求めて仕方なかったものは。


汗とほんのちょっとのお酒の匂い。
あぁ、ボディソープ変えたんだ。匂い違うね。
わたしにしがみついてきたあなたから、いつもと違う匂いがする。





刹那的であっという間に消えてしまう「可愛い」を
嬉しいと思ってしまう自分が、何よりも辛い。



次の日には、「可愛い」と思ったことも、言ったこともきっと忘れてしまうんだろう。




私は全て覚えてるのに。
君に全部あげようか。

最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださった事が嬉しいです。スキもコメントもみて、めちゃめちゃ舞い上がっています。Twitterもやってます。ツイートだったりRTだったりしてくれたら飛びます。あいしています。