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今日は、終戦の日。「玉音放送 編」(昨年の記事をリメイク)

【メディアの罪】
「堪え難きを堪え、忍び難きを忍び…」

玉音放送をテレビで流す時、この部分ばかり流します。

ものすごく長い玉音放送のうち、ほんの1箇所を切り取って何度も何度も繰り返す。

いかにも、国家が国民を酷い目に合わせたかのような印象操作。

日本は敗戦国なので戦後GHQからのプレスコードによって自虐史観を植え付けられました。

メディアは自分たちの保身のために、今もなおその頃のスタンスを維持しています。

自分の国を不当に貶めても、自分たちの祖先を蔑ろにしても、心痛まない日本メディア。

中国や韓国のメディアなんじゃないかと思うほどに、隣国への忖度ばかり。

切り取り、偏向、印象操作、洗脳。まぁ、メディア(特にテレビ)の得意技ですね。

【玉音放送とは】
玉音放送は昭和天皇自らが、終戦にあたり国民に対してその思いを語ったもの(ラジオ録音放送)です。

当時のラジオですから、非常に聴き取りにくいですし、戦況からして国民が冷静に聴ける状態ではなかったのも確か。

また、現代人にとっては言葉が難しく、そのままでは理解しにくいこともあり、なかなかその全文を知ることはないですね。

でも、その現代語訳されたものを学校の歴史の時間にきちんと教えるべきだと思います。

その内容は
①終戦の報告

②戦争に至った経緯(アメリカ、イギリスと戦わなければいけなかった理由)

③長い期間国のために戦ってくれた国民への感謝と労い

④アメリカの非道な(国際法違反)戦いと原爆の使用への抗議

⑤これ以上の戦闘による日本民族の滅亡、人類の滅亡への危惧

⑥歴代天皇への懺悔

⑦東アジア解放のため、戦争協力してくれた国々への感謝と謝罪

⑧戦争で亡くなった人々とその家族への弔慰と、今後の生活の心配

⑨敗戦によって連合国に統治されることへの覚悟

⑩国家存続と将来の新しい日本再建のためその辛さにも耐え忍んで欲しいというお願い

⑪国民への信頼の言葉

⑫辛い状況だからといって、内紛や暴動などで世界から信頼を失う行動を慎むよう戒め

⑬日本の国体「八紘一宇」の確認と未来への決意


戦争開始、終結の理由をしっかり述べ、国民への感謝と信頼、心配の気持ちを表しています。

また、連合国に統治されることの覚悟と未来の復興を信じて、努力する決意とお願いも示しています。

日本の国体「八紘一宇」を理解している人なら、その真意がわかります。

「五箇条の御誓文」での明治天皇の想いと同じものを感じます。

これだけたくさん大切な想いを述べているにもかかわらず、メディアはほとんど触れることはありません。

学校でも教えない。そもそも多くの先生方だって知らないですからね。


【玉音放送解説】
以下に玉音放送の現代語訳全文を載せましたが、そこからわかることについてお話します。

ⅰ)まず「日本の国体(八紘一宇)」に基づいて話している点。

日本は「国家が家、国民が家族」であり、「天皇はそれを全力で守る」というもの。

「玉音放送」の中でも、終始国民をわが子のような存在として語っています。

政治家や軍人も天皇にとっては臣民(大御宝)ですから、決してだれのことも責めたり悪く言ったりしていない。
これって実はすごいことです。

天皇は最終的な責任者であり、戦争の開始や終結を最終的に決める立場にあります。

ただし、天皇には政治的権限は無いのでそこに至るまでの戦略は政治家の判断に委ねます。

この戦争は軍部と一部の政治家が暴走した側面が大きいので、天皇の意に反して不幸な道に進んでいったと思います。

でも、その責任は天皇が負うと決めているんですね。

ⅱ)終始、日本国家の存続とそれに伴う東アジア解放を目的にしていること。

戦争の開始もポツダム宣言受諾も、日本の国体護持を目的にしています。

つまり、自衛のための戦争であるということです。

国民が幸せに暮らしていくために日本という国家がある。国体の八紘一宇とはそういうことです。

日本国家が無くなり、列強の支配下に入ることがどれだけ不幸なことか。当時は国民も同じ思いだったはずです。

「当時の日本人が持っていた国家への強い思い」とその思いに寄り添いながら語る「昭和天皇の思い」が玉音放送から伝わってきます。

ⅲ)未来を見据えている点。
連合国の支配を受けながらも日本という国家を残し、いつかまた、日本人が幸せに暮らせる国家を復活させる希望を述べています。

ただし、そこに至るまでの苦難は計り知れないということも。

それでも、その苦難に堪えながら国民みんなで子孫のためにこの国を再建していこうと鼓舞しています。

長い悲惨な戦争に敗れた直後の国民には酷な話ですが、そういう時でも日本人としての尊厳を失わないように促しています。

辛いからと言って、「自分だけよければいい」とか「仲間どうしが互いに貶め合う」とかするなと諌めるんですね。

いつでも人様に恥じない行動、互いに思いやり助け合う行動をとりなさいと。

「それが日本人の美徳だし、あなた方ならできるでしょう」という信頼の言葉でもあるのです。

これは今の私たちにも理解できる「日本人の精神」です。

【玉音放送を知る意義】
戦後の日本人は、この玉音放送の内容を知らなかったと思います。

それでも必死に努力して経済復興を成し遂げ、現在の日本を作ってくれました。

でも、それを享受している私たちが、そのことの重さを感じずに生活したら、この幸せはあっという間に無くなってしまうでしょう。

だから、現代の日本人はしっかりと「玉音放送」の内容を学んだ方がいい。

先人が最もつらい思いをしていた時に、どんな未来を描いていたのか(この時点では一般国民はそこまで考えられなかったと思いますが…)、終戦の日にはきちんと報道しないといけないと思います。


<玉音放送現代語訳>

 私は深く世界の大勢と日本の現状に鑑み、非常の措置をもって時局を収拾しようと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告げる。

 私は帝国政府に米国、英国、中国、ソ連の4カ国に対しその(ポツダム)宣言を受諾することを通告させた。

そもそも帝国臣民の安全を確保し世界の国々と共に栄え、喜びを共にすることは、天皇家の祖先から残された規範であり、私も深く心にとめ、そう努めてきた。

先に、米・英2カ国に宣戦を布告した理由もまた、帝国の自存と東亜の安定を願ってのものであって、他国の主権を侵害したり、領土を侵犯したりするようなことは、もちろん私の心志(意志)ではない。

しかしながら、戦闘状態はすでに4年を経て、わが陸海将兵の勇敢な戦闘や、官僚・公務員たちの励精、一億民衆の奉公は、それぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転せず、世界の情勢もわれわれにとって不利に働いている。

それだけでなく、敵は新たに残虐な爆弾(原子爆弾)を使用して、罪のない人々を殺傷し、その被害ははかり知れない。それでもなお交戦を継続すれば、ついにわが民族の滅亡を招くだけでなく、それから引き続いて人類文明をも破壊することになってしまうだろう。

そのような事態になったとしたら、私はどうしてわが子ともいえる多くの国民を守り、皇祖皇宗の神霊に謝罪することができようか。これが私が政府に宣言に応じるようにさせた理由である。

私は帝国とともに終始、東亜の解放に協力してきた友好国に対して、遺憾の意を表さざるを得ない。

帝国臣民であり、戦場で没し、職場で殉職し、悲惨な最期を遂げた者、またその遺族のことを考えると内臓が引き裂かれる思いがする。さらに戦場で負傷し、戦禍に遭い、家や仕事を失った者の厚生については、私が深く心配するところである。

思うに、今後、帝国の受けるであろう苦難は尋常ではない。あなたたち臣民の本心も私はよく知っている。しかし、私はこれからの運命について堪え難いことを堪え、忍び難いことを忍んで将来の万世のために太平の世を切り開こうと願っている。

私は、ここにこうして国体(天皇を中心とする秩序)を護持して、忠良なあなた方臣民の偽りのない心を信じ、常にあなた方臣民と共にある。

国を挙げて一つの家族のように、子孫ともどもかたく神国日本の不滅を信じ、道は遠く責任は重大であることを自覚し、総力を将来の建設のために傾け、道義心と志操(守って変えない志)をかたく持ち、日本の栄光を再び輝かせるよう、世界の動きに遅れないように期すべきだ。あなた方臣民は私のそのような意を体してほしい。


=2014/08/15付 西日本新聞朝刊=

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