花筏(はないかだ) 何と美しい言葉でしょう!
4月は、やはり日本の一番美しい季節ですね。
桜が満開の道々や山々は、言葉では表現しきれないほどの荘厳な美しさに満ちています。
桜は、どんな姿のときも美しいですが、私は学生の頃以来、「花筏」の美しさに心惹かれています。
なんと美しい言葉なんでしょう
恥ずかしながら、この「花筏」と言う言葉を知ったのは、大学時代でした。
大学が京都に近かったため、四季折々に訪れましたが、その中でも、京都の哲学の道で見た、桜の花びらが疎水の水面に筏のように浮かぶ情景は、今でも鮮明に思い出されます。
その時に「花筏」と言う美しい日本語を知りました。
哲学の道の疎水沿いの桜は、1920年代に寄贈され、植えられたのが始まりといわれていて、現在では約2キロにわたって、ソメイヨシノなど約400本の桜が並んでいます。
散った花びらが疎水の水路を埋め尽くす姿は、息をのむ美しさです。
日本語の美しい表現
日本語には、自然現象や季節の移り変わりを美しく表現する言葉がたくさんあります。
「雪化粧(ゆきげしょう)」
何気ない言葉ですが、文字ずら、音感、すべてが美しい言葉ですよね。
地面や樹木に雪が積もって化粧しているような様子を、余すことなく伝えており、雪景色の美しさや清らかさまで感じ取れる表現ですよね。
「風花(かざはな)」
晴天の日に、雪が風に舞うように、ちらちらと降るさまを美しく言い表しています。
私の故郷浜松は、雪が降ることも少なく、ひと冬に数回風花が舞う程度です。
「遠州の空っ風」で有名ですが、風花が舞うくらいの風のときは、ほっとして、また、その儚さと美しさに心打たれました。
「星屑(ほしくず)
夜空に散りばめられた、星々の美しいきらめきが見えてきますよね。
言葉から、無数の星が輝くいている美しい夜空が想像できます。
寂しさも含まれる表現
「花筏」には、桜が散り始めた寂しさも含まれていますが、同時に、新たな期待と希望も感じさせます。来年の桜の咲く姿を待ち望む気持ちが、この美しい言葉には含まれています。
こんな日本語を伝えていきたい
私も日本語を教える者として、この美しい言葉や、美しい言葉を紡ぎ出す日本人の細やかさや感性を、次世代に伝えていきたいと強く願っています。
日本語の美しさを、私自身も深く学び続け、その魅力を共有していきたいと思います。