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好きを理由に仕事を求めると、好きだけでは乗り越えられない壁に当たる話

仕事選びで何を大事にすれば良いのか

皆さんは就職活動、転職活動で仕事を選ぶ上で大事にしていることって何ですか?

今であればワークライフバランスとか、就労環境とか、やりがいとか、色んな視点があると思います。

特にこれが新卒の時だと更に困りもので、フルタイムで仕事をしたことが無いから仕事に期待する部分は大きい。でもイメージが出来ないから何を優先すべきかわからない。

私もそんな感じで、なんとなく就職活動にのぺーっと入りながら様々な業界を手広く受けて、内定貰ったところから選べばいいやという着地点になりました。

まぁもう、イメージ出来ない以上はこうするしかなかったんじゃないかなぁとも思ったんですけど、ただ、内定の出た会社から就職先を選んだ動機はハッキリしていました。

「好き」という感情を優先させたということです。

好きを優先して選んだ学習塾


先日お話しての通り、私が新卒の時に選んだのは学習塾でした。

私が子供の頃から住んでいた登戸界隈では小学生の頃から学習塾に通うのが普通で、社会の中に塾というものが組み込まれているように思えていました。

つまり、親しみのある業界だったわけです。

そして学校よりも高度な授業を行う、精鋭部隊のような性格を持っていたために憧れのようなもの(憧れと言えるほどデカい何かではないが)を抱く結果になったのだと思います。

特に私は塾の授業が苦手で、レベルが上がれば上がるほど手が付けられなくなっていたので、そういう環境で教える立場になるとしたらあの頃の自分が出来なかったことが出来ているような気がしたのです。

そして何より、最大の理由は「好き」を優先したことでした。子供が好きで、教えることが好きだったのです。

好きな「子供」と「教える」が両取り出来て、そりゃ最高じゃないかと。どうせ仕事するなら好きで楽しい方がいいでしょ。

21歳の青年の考えは単純でした。

こういうシンプルな動機が支えとなって前向きに仕事をすることにも繋がるし、実際それは今でも正しいことだと思います。

好きだから工夫出来て、嫌なことも乗り越えられて、上手く行ったときに達成感が得られる。それも正しい。

41歳になってみてそこは共感するところです。

ただ。

私はこのときに大きな間違いを犯していたことをこのときは知らなかったのです。

「好き」で乗り越えられないことがある

私の犯した間違い。

それは、会社と業界を正しく把握しないまま「好き」でなんとかなると考えてしまったことでした。

学習塾でなのか、当時の会社なのかは結局わかりませんでしたが、あまりにもコンプライアンス意識がずさんな体質だったことは先日の記事でも述べた通りです。

深夜にビラをポスティングしまくり、生徒から卒業アルバムを回収し、住民基本台帳を転記し、入塾のために生徒を洗脳する。

このようなことが行われる度に思ったのが

「私はこんなことをするために大学を卒業したのだろうか?」

ということでした。

まるで縁の無い福島市で、人の迷惑になりかねないことを私はやっている。

疑問ではあるけど、表立って異を唱えるほどのキャリアも信頼も自分にはない。教えていただいている立場で偉そうなことは言えない。

授業は楽しい。

子供も好きだ。

でも、感情の中にどうにも割り切れない想いが出てくると他のことも嫌になる。

安い給料。

31日連続勤務という地獄。

性格が悪い上にずる賢い学生講師たち。

友人が一人もいない福島市。

慣れない一人暮らし。

苦手の車の運転。

好きでは乗り越えられない要素が山積していることに気付かされたのです。

実家の父が脳梗塞で倒れたこともあり、私の学習塾でのキャリアは1年で終わりました。

「好き」より大事なことは


振り返ると、会社固有の問題と業界的な問題、そして私個人が選んだ環境的な要因が全てネガティブな方に出てしまったと思います。

どうすれば避けられたかを考えると、「好き」を理由に深く考えずに飛び込んでしまったことではないかと思います。

学習塾の運営でどのようなことをしているのか、その会社がどのような体質なのか、新卒で地方で一人暮らしをするとどの程度負荷になるのか。

こういったことを検証しておけばもっと違った会社や業界を選ぶことが出来たのではないかと思います。

「好き」は確かに人を動かす大きな原動力になりますが「好き」なだけではどうにもならない壁があります。

正直新卒の時の会社選びは「好き」くらいしか理由が無くて、そこに適当な理由を後付けするような形になりがちなのですが、自分が働いたときに問題になりうる点は無いか検証するのは大事なことです。

なお、キャリアが出来たあとの会社選びで私が大事にしているのは「好き」ではなく「自分に何が出来るか」です。

出来ることを活かして会社に貢献すると、周りも認めてくれるし、会社も良い方向に進む。すると自分もハッピーになる、という単純な理由ですが、これが想像以上に大事だと思います。

「好き」でも向いていないこともあるし、「出来る」ならギャップが生まれにくいことを知ったのです。

20年前に就職活動している自分にこのあたりのことを教えられたら違った会社選びができると思いますが、今の自分の人格とキャリアの基礎はあのブラック学習塾で培ったものなので、今の自分が存在しないことになります。

だから、どこに居てもその経験を活かすも殺すも自分次第なので、仮に合わない環境に身を置いたとしてもそれはそれで勉強にはなります。

だからといってもう生徒から卒業アルバムは回収したくはないと心の底から思う41歳なのでした。

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