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英語は正確に話す必要がないことを40前に外資系に来て知った話
外資系企業で働くときに心配なこと
私は兼業でスポーツライターをしている傍らで本業は外資系IT企業で勤務するサラリーマンである。
元々は日系企業を4社経験してきており、今の会社には4年半くらい在籍しているので外資系の会社での経験はそれほど長いわけではない。なので外資と聞いて転職時に二つ心配なことがあった。
まずはいわゆる「Up or Out」と呼ばれるように結果を残せなければ去るしかないという評判である。
この点については良くも悪くも緩い会社なので今のところUpはともかくOutになるような状況にはない。ただその分なのかそのせいなのか外資ではあるが想像よりは収入は良いわけではなかった。
まぁ兼業でライターをしながら今の仕事が出来ている訳で、会社の中での立場が目に見えて不安定というわけではないのでこの環境はかなり気に入っている。
そして二つ目の心配事として英語の面で果たして大丈夫か、という点があった。
日系企業で働くときに必要な英語力と状況とは・・・?
私は新卒の学習塾勤務時から英語を磨いておこうということで準備を進めていて、IT業界に転身した後も英語が出来ることを一つのスキルとしてキャリアを積んできた。
ただ、私のキャリアの性格上英語が出来ることは自分を支えてはいたが、言うほど現場レベルで頻繁に使っていたわけではなかった。
日系企業でB to Bの環境だとそんなものかもしれないが、顧客の大半は日系企業でごくたまに英語を使う程度なのだ。
本当に困ったことなのだが、忘れたころに英語が必要になるのだ。いきなり問い合わせが入ったり、海外のお客様の導入作業に関する問い合わせが来たりと、普段使わない分だけ面食らうことになる。
メールも電話もとりあえずその場でやり過ごす程度のことは出来るので、ビクビクしながら英語の対応を済ませることになる。ただ、その波が過ぎると英語は殆ど要らないので別の勉強を進めることになり、英語は結構放置しがちなのである。
ということで、いきなり毎日のように英語が必要という激流に齢四十を前にして飲み込まれることになった。「新しい上司はフランス人」と歌ったのは「明日があるさ」という曲だったが、あんなふうに陽気に向き合えたらどれだけ幸せかと思うほど初出社日は憂鬱だったことを昨日のように覚えている。
正しい英語を使う必要はない
さて、毎日のように英語が必要な状況になって気づいたことを私の経験則から語っていこうと思う。
まず気づいたことは、正しい英語を使う必要は全くないということだ。
コロナ以降は特にそうなのだが、会社内外で必要な英語の大半はTeamsのチャットかメールで行われている。
全世界で展開されている会社ということもあるかもしれないが、英語でのコミュニケーションの大半がノンネイティブ同士なのである。
つまり、英語を後で学んで覚えた者同士なので、細かいことは気にならないということだ。
ただ、これはネイティブが相手でもそう変わらない。正しくないからといってコミュニケーションに支障が出るものでは全くない。「その英語、こんな風に聞こえますよ」みたいなことを言う嫌味な奴はどこにも居ないのである。
文法的な部分はもう完全にフィーリングでやっている。これは現在形でいいか、とか、「~した経験がある」とか「もうすでに終わっているか」くらいの言い回しだから現在完了にしておこうとか、ヘタすると過去のことなのに現在形でもまぁいいかくらいのこともしている。
英会話学校の講師からすると卒倒するような間違いが相当含まれているのではないかとも思うが、もはや私は文法的に正しい文章を書く気はない。
大事なのは、伝わることだからだ。
そして今のところ、私の意図は伝わっている。
だからこれで良いのである。
英語でのコミュニケーションはスピードが命
そしてもう一つ英語でのコミュニケーションで大事なこと。
それは、スピードが大事ということだ。
何しろ私の部署ではトラブルに関する問い合わせが結構来る。
今日の10時からやる作業でリモートでの接続方法が聞いていた話と違う、とか、ファイルのダウンロードが上手くいかないとか、緊急性の高い質問が入ってくる。
このような時に大事なのは、正しさではない。
早さなのである。
英語のニュアンスで迷っている猶予は1秒たりとも存在しない。そういう中で大事なのは相手に伝わる言葉を選ぶことである。
だから私の英語は正しくはないかもしれないが、瞬発的に相手が求めることを理解し、大事なことを伝える能力は鍛えられたと思う。
あと、相手が何を言いたいかよくわからない時でも不安になることはない。Google翻訳で論旨はある程度理解できるからだ。
会話の中で何が大事なのか。
相手が何を求めているのか。
どうすれば良いのか。
これらを理解して提示するのは、英語力の領域ではない。瞬発力と論理的思考の範囲の話なのである。
大事なのは「相手の意図を理解し、ボールを返すこと」
今回の話はあくまでも私が今の外資系IT企業に来たから分かったことである。
会社によっては正しい文法で、精度の高い英語を常に使うことを求める環境もあるかもしれない。結局は「郷に入っては郷に従え」という話で、全てに通用する話は無いとも思う。
ただ、正しい言葉遣いをしようとついまごついてしまうのは英語でのコミュニケーション経験が不足しているときにありがちな話だ。
我々日本人は、常に文法的に正しい言葉を使ってるだろうか?「ちがくて」だの「よろしかったでしょうか」だの皆使ってるではないか。それをわざわざ指摘するのはよほど日本語にうるさい人か、性格の悪いおじさんくらいだ。
コミュニケーション上大事なのは、正確さではない。相手の意図を理解し、ボールを返すこと。そんな単純なことなのである。
Youtube動画などで「あなたの英語はネイティブにこう聞こえている」みたいなものが星の数ほどあるが、あくまでも私見ではあるが、それを意識して縮こまるくらいなら盛大にミスするくらいがちょうどいい。
私の英語は本当に雑だ。
この会社に来てから更にヘタにはなったと思う。
しかし通じなかったことは殆どない。
それくらいの気構えで良いことを私はこの会社で学んだ。結局世の中で一番すごい英語は出川イングリッシュだと私は思うのだ。
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