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枕五味 makuragomi
2018年7月20日 22:37
昔むかし、ある所に、とある国がありました。その国にはとても悪い病が流行っていました。その病を患ったら、たとえどんな人だろうと、倒れてそのまま数日寝込んで死んでしまいます。偉い人や頭のいい医者は思いました。「このままではこの国は病に満たされ、死によってつぶれてしまうだろう」国民たちの不安は募るばかりです。その国のとある村には怖い言い伝えがありました。山奥の廃教会には怪物が現れると。事
2018年7月14日 23:43
凍える厳しい冬の町。しんしんと雪が降りそそぐ。雪で冷えた石の道を歩く女の細い足が二本。血の気の失せた肌は風が吹くたびに白くなっていく。少しでも温まるために、女は家と家にはさまれた路地へと逃げ込む。疲れきってそこに座り込む。茶色の薄汚れた布は、彼女の体を冷たい石畳から守るには少しだけ薄すかった。女の歳は30程。その眼から生気あふれる光を少しずつ風がさらっていく。時計塔から20時を伝える鐘