生存限界汚染領域のキミ(上)
文献での初出は50年くらい前。口伝えならおよそ100年以上前から存在を認識されていたらしいことが窺える。
小さな田舎の村を囲む山の一つ。生い茂る草をかき分けながら険しい道を進んでいくと、白い靄のような物にやがて囲まれる。そのまま進んで行くと、そこにたどり着く。迷い込んだら二度と戻れない。
生存限界汚染領域。
そう呼び始めたのは私のチームメイトだ。ふざけた名前だがしっくりきた。
それはまるで山の中にもう一つ別の山の入り口がそこから先にあるとでも言わんばかりの不可解な現象。極端に