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がん患者さんの感じる「取り残される感じ」について その正体と、周りの人ができること

がん患者さんが話してくれる「私だけ取り残される感じ」。これって何なのか、そして周りの人たちは何ができるのかについて考えてみました。周りから想像することと、患者さんの感じていることのギャップについて考えるきっかけにどうぞ。


取り残されている感じ、これを分析してみた。

がん患者さんが経験する「取り残される感じ」という感情について、5つの側面から考えてみました。

  1. 身体的な変化: がんと治療で体調が変化することで、治療の副作用、痛み、疲労感などを感じます。これにより患者さんは自分が以前に楽しんでいた活動や社会生活が続けにくくなり、取り残されていると感じることがあります。

  2. わかってもらえない気持ち: がんや治療のことで、恐怖、不安、悲しみなどの辛い気持ちになることもしばしばです。患者さんは、これらの感情を理解し共感してくれる人が周りにいないと感じることがあり、それが孤立感や取り残される感じにつながることがあります。

  3. 社会的な繋がりの変化: 職場や社会からの離れがちになることもあります。治療のために長期間休職したり、体力的な理由で社交活動に参加できなくなることが、孤独な気持ちや取り残される感じを強めることがあります。

  4. 初めての体験と情報不足: がん治療や副作用ケアなど、日々の暮らしが変わった時に、わからないことが出てきます。周りはなんとも無いのに、患者さんは自分だけが困難に直面していると感じることがあります。これは、情報へのアクセスやサポートシステムの不足が原因で起こることがあります。

  5. 家族や友人との関係の変化: 家族や友人との関係が変化することもあります。家族や友人がどのようにサポートして良いのかわからない、心配のほうほうがわからない、等、患者さんとの間に距離を生むことがあります。

頭ではわかっていても、自分だけ、という気持ちが湧いてきてしまう背景には、理由があります。決してわがままではありません。

周りの人ができることをリストにしてみました

がん患者さんが初めての体験だったら、周りの人にとってもがんになったあなたを支える1年生です。戸惑いますよね。というわけで、ヒントを作ってみました。

  1. 聞き手になる: 患者さんが自分の感情や体験を話したいときには、ただ聞くことが重要です。解決策を提供する必要はなく、理解し共感を示すことが大切です。

  2. 時々連絡する: 定期的にコミュニケーションを取ることで、患者さんが孤立感を感じにくくなります。最近はLINEなどかんたんなメッセージツールがありますので、患者さんの負担にならないように、時々連絡してみてください。最後に「返信不要だよ、待ってるね」と一言添えていただくと、返信しなきゃ!の負担を減らすことができます。

  3. 近しい人は具体的にサポートを: 食事の準備、家事の手伝い、病院への送迎など、具体的な支援を申し出ることが有効です。小さなことでも、大きな負担軽減になります。

  4. 正しい情報を自分も学ぶ: 正確な情報を提供することで、患者さんが自身の状況をよりよく理解し、治療に対する不安を軽減するのに役立ちます。話を聞く時に、基本的なことを理解していると、患者さんはより話しやすいです。

  5. 患者会など話す場の情報提供: 心理的なサポートは非常に重要です。必要に応じて、プロのカウンセリングやサポートグループへの参加を勧めることも有効です。

  6. 患者さんの自立を尊重する: 患者さんが可能な限り自分のことを自分で行いたいと思う場合、その意志を尊重し、自立を支援することが重要です。いつもより時間がかかっても、患者さん本人のペースを尊重してください。

  7. 家族や友人、関係性は同じです!: がん患者であることだけに焦点を当てず、以前と変わらない関係性を保つことが大切です。趣味や楽しい話題での会話も心の支えになります。

  8. プライバシーと尊厳を守る: 患者さんのプライバシーを尊重し、尊厳を守ることも重要です。無理に情報を引き出そうとせず、患者さんが話したいことを話せる環境を提供します。

まとめると、よく聞く、じっと聞く、聞くために基本情報を知っておく、使える支援を調べる、がんになっても別に関係性は変わらない、興味本位の質問はしない、と人間関係の基本のきとほぼ同じです。
相手のことを大事にする気持ちをいつもよりも少し多めに持って接していただくと良いですよ。

取り残されている感じは、無くせないけど減らせます

がん治療と副作用で、患者さんの生活が今までと変化することがあります。副作用を減らす工夫や周りのサポート、そして本人の努力があっても、すべてを元通りに続けることは難しい場合もあります。
変わってしまった時に、ぽつんと自分だけが今までの輪の外に置いてけぼりになった感じになる。そのときにふと周りを見ると、いつもと同じように日常を暮らしている人がいる。それが「取り残される感じ」の正体ではないでしょうか。
がん患者さんにも、周りの人にも、毎日の暮らしがあります。過剰に気を使う必要はありませんが、患者さんたちがこんな気持を感じていることを知って、どうぞ気にかけて下さい。

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