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NPO法人SoELaによるプレゼンテーション講座が行われました

神奈川県立綾瀬高校で行われてきた「総合的な探究の時間」。産業用ヒーター製造の株式会社スリーハイ(横浜市)が全面的に授業協力を行い、社内で抱える経営課題を高校生に解決してもらおうという取り組みです。

4月25日、2024年度第2回目の講座は、久しぶりに全クラスが体育館に集合して合同講義。NPO法人SoELaの郷原さんによる「プレゼンテーション講座」が行われました。

2024年4月以降の授業予定
約300名の生徒を前に講演する、NPO法人SoELa理事の郷原さん

「総合的な探究の時間」では、提案をプレゼンテーションにまとめ、発表することになっています。

今回、スリーハイの課題に取り組んでいる綾瀬高校の3年生の皆さんは、プレゼンテーションの基礎についてすでに昨年の授業で学習済です。また、これから生徒のみなさんの中には、大学受験の総合型選抜等に挑戦する人もいます。

プレゼンテーション講座で学ぶ「人にわかりやすく伝える」「相手の行動を変える」というチカラは、今回の「総合的な探究の時間」だけでなく、今後生徒さんが社会を生き抜く中でも、重要なチカラになっているのですね。

私、男澤が高校生のとき(約ウン十年前…)に、プレゼンテーションの授業なんて…あったかな!?

私も高校生のときに、プレゼンテーションのやり方、学びたかった!…と思いながら、生徒のみなさんと一緒に、講義を聴きました

今回の授業は、昨年学んだプレゼンテーションの基礎を復習するとともに、これから具体的な提案にまとめるうえで重要なポイントを学ぶという回になりました。

提案にまとめるポイント①〜あるべき姿と現状のギャップを提示する

現状とあるべき姿のギャップを提示する

今回、綾瀬高校の皆さんにはスリーハイの経営課題に対する改善案をまとめてもらっています。

では、その改善案をプレゼンテーションするときに、急に「改善案はこれです!」と言われても…聞いているほうとしては「本当にその案は、有効なのか?」と感じてしまいますね。

そこで、プレゼンテーションの冒頭では「スリーハイがあるべき姿」と「現状」のギャップを提示し、「あるべき姿」を実現するための改善案であると説明しましょう、というお話がありました。

提案にまとめるポイント②〜WHYから始めよ

プレゼンテーションの順番について。「WHYから始める!」

次に、TEDの著名な動画、サイモン シネック氏による「ゴールデンサークル」の事例をあげながら、聴衆の心を動かす、伝え方の順番について講義がありました。

ゴールデンサークルのTED動画はこちら。

普通のプレゼンでは
What?(何を)→HOW?(どうやって)
という順番に陥りがちです。

What?は、具体的なモノや手順のことを指します。例えば、次のようなプレゼンテーション、よく聞きませんか?

「今回、我が社は新製品を開発しました!」←WHAT
「機能は、●●と〇〇があります!」←HOW

このプレゼンテーションを聞いても、どのように思うでしょうか。「うう〜ん、すごそうな製品だけど、本当に買う必要があるのかな?」と思う方が多いのではないでしょうか。

有名なAppleのスティーブ・ジョブズは、伝える順番を「WHY→HOW→WHAT」に変えたという点について、このTED動画で解説されています。

Appleが事業を行う理由をまず伝える。Appleの場合は「我々のすることが世界を変えるという信念」にあたる←WHY

Appleがどうやって製品をつくるのかについて伝える。Appleの場合は「すべての製品を美しくシンプルにデザインし、誰でも使いやすいユーザーフレンドリーにする」にあたる←HOW

Appleがつくった製品を伝える。例えばiPhone。←WHAT

有名な理論ですので「ゴールデンサークル」とインターネットで検索すると、日本語の解説を読むことができます。WHYから伝えることで理念やビジョンに共感を呼び、人の行動を促すことにつながる、という理論がこの「ゴールデンサークル」です。

提案にまとめるポイント③〜品質(Q)、コスト(C)、納期(D)

最後に、品質(Q)・コスト(C)・納期(D)について、プレゼンテーションを聞く側は、どこに重点を持っているかによって、プレゼンテーションの内容は変わってくる点について解説がありました。

これは我々スリーハイが顧客に提案するときにも大事になってくる点です。顧客は、スリーハイの製品の品質を重視しているのか、それともコストを重視しているのか、はたまた納期を重視しているのか・・・いつも一緒のことはなく、顧客によって重要度が異なります。

したがって、提案にまとめるときには、「品質(Q)・コスト(C)・納期(D)」のどこが重要なのか考え、提案の順番や説明の度合いに変化をつけることが必要である点について、郷原さんから詳しく説明がありました。

すべての商談において、品質・コスト・納期は必ず話題となるもの…これは、スリーハイの社員にも改めて伝えたい点です。

他にも、こちらのnoteでは詳しくお話できませんが、ある大企業の製品開発の事例、広告の事例など豊富な事例をもとに、「ここまで高校生に教える!?」といったところまで講義があり、私も改めて学びになった点が多い講義でした。

一番後ろにいた生徒さんに混ざって、講義を聴講

次回5月からは、今日のプレゼンテーション講義を踏まえ、具体的なプレゼンテーション資料にまとめる時間が続きます。

どのような提案にまとまるか、私も楽しみです。

これまでの授業と全体の流れ

◆第1回〜第3回
探究学習全体の概要説明やマーケティング基礎など
◆第4回
スリーハイ担当社員5名が各部署にて詳しい説明実施
◆第5回
各班で他社事例などをまとめる「現状把握」
◆第6回
ワールド・カフェで「現状把握」のアイディアを拡散
◆第7回
KJ法で実現可能なアイディアに落とし込む
◆第8回
高校生が自ら考え自らの独創性を発揮できる時代へ!
◆第9回目
高校生たちがいよいよ課題解決の提案書を提出
◆第10回目
提案→実現に向けた企業フィードバック【その1】【その2】

過去記事一覧

◆第1回目(2023年11月27日)登壇者:NPO法人SoELa岡部さん、株式会社スリーハイ代表男澤

◆第2回目(2023年12月11日)
登壇者:株式会社スリーハイ代表男澤

◆第3回目(2023年12月18日)
マーケティング講座(オンラインのためレポートなし)

◆第4回目(2024年1月15日)
株式会社スリーハイ担当社員が5名来校し現状把握


◆第5回目(2024年1月22日)
生徒と先生による現状把握

◆第6回目(2024年1月29日)
ワールドカフェでアイディアの発散

◆第7回目(2024年2月26日)
KJ法によるアイデアの収束

◆第8回目(2024年3月11日)
高校生が自ら考え自らの独創性を発揮できる時代へ!

◆第9回目(2024年3月18日)
高校生たちがいよいよ課題解決の提案書を提出

◆第10回目
提案→実現に向けた企業フィードバック【その1】【その2】

◆第11回目
最終プレゼンに向けたブラッシュアップ

神奈川県立綾瀬高等学校


株式会社スリーハイ


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