小説_『合流』
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ぼくは読んでいた本を閉じて、
机にうつ伏せで眠っている彼女の横顔を見た。
相変わらず、綺麗だった。
もうこの関係が何年経ったのだろうか。
ぼくは指を折りながら両手を超えることに
気づき、数えるのをやめた。
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この世に存在していた人生が合流することがある。
2つの人生の合流。
合流後は、ほとんどの時間を共有して、人生を過ごす。
それは不思議な状況だ。
合流する前までの人生は共有していない。
お互いの会話、行動の中からある程度予測することはできる。
でも過ごしてきた人も違うし、生活した環境も違う。
そんな2つの人生が合流して、衝突しないわけがない。
衝突することはしょうがない。
衝突によって気づくことだってある。
衝突はお互いの主張をはっきりしている証拠だ。
ひとつひとつ人生をつなげていけばいい。
お互いの目があって、同じタイミングで笑う回数を増やしていければいい。
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ぼくは彼女の肩に上着をかけた。
そして本を開き、続きを読み始めた。
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