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右手に聖書、左手に新聞、両目を見開いて。。。

コロナ禍にあって不安でいるところに、いろんなオソロシイ情報がネットから入って来るから、いよいよ不安にさせられるよね。

YouTubeなんかはユーザーの視聴傾向をAI(人工知能)が分析して、「この人、こういうオソロシイのが好きなのかな」と判断すると、次のおススメ動画に、もうちょっとオソロシイ動画ありますけど、いかがです? という感じで紹介してくれる。まるでソムリエ。

で、おススメ動画をクリックすると「あー、やっぱりこの人、オソロシイのが好きなんだ!」とAIは判断し。。。まあ、そこに悪意はないんだろうけど。。。さらにオロソシイ動画を紹介して来る。勧められるまま次々に視聴して行くとデフレスパイラルみたくオソロシイ世界に降って行くことに。

このデフレスパイラルが起きている向こう側では。。。

YouTubeの番組を作るユーチューバーは再生回数が収入に連動しているから、オソロシイ動画がトレンドになれば当然オソロシイ動画を作る。結果として期待通り再生回数が伸びれば、波に乗ってもっと過激なオソロシイ動画を作り、それがどんどん収益になるから止まらない。オソロシイのハイパーインフレーション状態になるわけだ。

今日の聖書の言葉。

子たちよ、あなたがたは神に属しており、偽預言者たちに打ち勝ちました。なぜなら、あなたがたの内におられる方は、世にいる者よりも強いからです。
ヨハネの手紙一 4:4 新共同訳

でも、オソロシイ動画が言ってることがホントかどうかは、なーんにも保証が無いよね。

昨年の秋ぐらいからオソロシイ動画がネットの世界にあふれたけど、それをめぐってフェイクニュースとファクトチェックのぶつかりあいになった。ファクトチェック側はオソロシイ側を「フェイクだ!」と批判し、オソロシイ側はファクトチェック側を「フェイクだ!」と応酬し、泥沼の戦いの様相を呈したわけだけど。。。

ファクトとフェイクをどうやって識別して行ったらいいんだろう?

オールドメディアと言われる「新聞」はペーパーにテキストを印刷して世に出すわけだから、誤った情報を出してしまうと取り返しがつかない。だから印刷ぎりぎり直前まで情報のダブルチェック・トリプルチェックをし、クリアーできなければ紙面から記事を外す決断をする。それは「石橋を叩いて渡らない」という世界だ。電光石火のネットに対して新聞はあとからノシノシやってくるゾウガメみたいに遅い。けど、厳しいダブルチェック・トリプルチェックを経て来た情報なので信頼度は高い。

それに比べてネットの世界は得た情報をノーチェックでSNSに流してしまう。スピード命なのだ。流した後で間違いがわかれば、記事を削除するか、こっそり編集するか。炎上をくらった場合はアカウントごと削除して逃走。そもそも逃走し易いように、はなからアカウントは匿名になってる。そりゃ信頼度は低いよね。

そういうわけで、情報を決してワンクリックでは出せないオールドメディアの遅さのありがたみを、自分はこのところ感じている。

クリスチャンの場合、新聞よりもっと古いオールドメディアを持っている。ペーパーに印刷された「聖書」だ。3世紀ぐらいから教会の指導者たちが会議を重ねてリスト化した「神の霊感を受けて書かれた文書群」としての聖書がそれ。旧約39巻、新約27巻、あわせて66巻で構成される聖書は、クリスチャンにとって価値判断のアンカーであり、変更不能・改変不能の基準となっている。なにせ黙示録の末尾にこう警告されているぐらいだ。

この書物の預言の言葉を聞くすべての者に、わたしは証しする。これに付け加える者があれば、神はこの書物に書いてある災いをその者に加えられる。 また、この預言の書の言葉から何か取り去る者があれば、神は、この書物に書いてある命の木と聖なる都から、その者が受ける分を取り除かれる
ヨハネの黙示録 22:18-19 新共同訳

「聖書」という基準に照らして識別するということ。これを、ちょっとシミュレーションしてみよう。

たとえば今日「わたしが再臨のキリストです」と自称するおじさんが訪ねて来て、弁舌なめらかに教えを説き、目の前でコップの水をブドウ酒に変え、プールの水の上を歩き、手をかざして難病を一瞬で癒すという奇跡を見せたあげく、さあ、わたしを信じなさい、と主張したとしよう。

あなたなら、どうする?

この場合クリスチャンはブドウ酒の成分検査なんてしない。ただシンプルに聖書のページをめくるのだ。そして、こう書いてあるのを見つける。

イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。 イエスが離れ去って行かれるとき、彼らは天を見つめていた。すると、白い服を着た二人の人がそばに立って、 言った。「ガリラヤの人たち、なぜ天を見上げて立っているのか。あなたがたから離れて天に上げられたイエスは、天に行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになる。」
使徒言行録 1:9-11 新共同訳

つまり、エルサレム近傍のオリーブ山の頂からイエスが天に昇って行ったありさまをビデオで撮影して、それを逆再生したのと寸分たがわぬかたちでイエスは降りて来ることになる。

さて、問題のおじさんの出生記録とパスポートを調べれば、上記の条件に合わないのがすぐわかる。だって、天からオリーブ山に降りてきたのなら出生記録はないはず・出生記録がないならパスポートは作れないはず・パスポートがないならイスラエルから出国できないはず・イスラエルから出国できないなら日本に入国できないはず・だからいま目の前でキリストを自称しているそのこと自体で真っ赤な「ニセキリスト」と簡単に判定することが可能なのだ。

右手に「聖書」、左手に「新聞」を持ち、目を開いてファクトとフェイクを識別し、だまされないで生きて行きたいと思う。

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