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夜空に輝く、ベツレヘムの星。

いつもなら礼拝堂に飾るツリーを、今年は教会の1階の道路に面した大きな窓の前に置いている。

残念ながら、今年のキャンドルサービスは、オンライン開催のみ。

理由は。。。書かなくても、わかりますよね。。。

クリスマスイブなのに、来訪者をお迎えできない。せめて、道ゆくひとに、窓越しにでも、ツリーの光をたのしんでもらえたらなあ、と思う。

今日の聖書の言葉。

学者たちはその星を見て喜びにあふれた。
マタイによる福音書 2:10 新共同訳

ツリーのてっぺんを飾る、ベツレヘムの星。

これは、ユダヤのベツレヘムという小さな村に、イエス・キリストが生まれとき、その誕生を世界に知らせるため、夜空にひときわ明るく輝いた星をあらわしたものだ。

その星が、いったいなんであったかについては、諸説あるんだけど。。。

有力視されてるのが、地球から見たとき、太陽系の複数の惑星が重なり合うように見える「大会合」という現象だったのではないか、というもの。

今年は、木星と土星が12月21日に最接近して、ひとつの星のように見える天体ショーが起きている最中。なんと、800年ぶりのことなんだって。

西暦1年11月5日には、木星・火星・金星・水星の大会合が起きたんだそうだ *¹。

そこで、聖書に出て来る学者(マギ)たちが、この西暦1年11月5日の大会合を観測して一週間後の11月12日にラクダに乗って出発したと仮定してみよう。

どこを出発地とするかによるけど、もし、現イラクのスサから出発したとすると、ベツレヘムまでの距離は1,582kmになる。

ラクダは一日に最大80㎞の行程を進めるらしい。まあ、のんびり、ゆっくり、やすみやすみ進んだとして、一日40kmで計算した場合、ベツレヘム到着に要する日数は40日だ。

すると、11月12日に出発して40日後の12月21日にはベツレヘムに着けることになる。

聖書を見ると、学者たちは途中でエルサレムに立ち寄って、ヘロデ王に挨拶した、とある *²。そこでのタイムロスを考慮したとしても、エルサレムからベツレヘムまでは8.7kmしかないので、12月24日の深夜には余裕でベツレヘムに到着できるよね。

今夜は、大空では土星と木星が大会合している。そして、世界中のツリーのてっぺんで、ベツレヘムの星が、しずかに輝いている。

あらゆる活動をキャンセルし、世界中のみんなが家にこもってすごすほかない今年のクリスマスだけれど、でも、だからこそ、ベツレヘムの星が語りかけている、静かなメッセージに耳を傾けることができたら、と思う。

ベツレヘムの星は、天使たちと一緒に、わたしたちに、こう告げているんだ。。。

今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。 あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。
ルカによる福音書 2:11-12 新共同訳

註)
*1.  Piet van der Kurt, Star of Bethlehem, p.11.
*2.  Cf. マタイ 2:1-2

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