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スピリチュアルな危機を、どのように乗り越えたらいいのか? 答えは難しいようで、やってみたら、びっくりするほど簡単だった、という話です。

自分は中学時代、スピリチュアルな危機を経験して、ほんと、死ぬほど悩んだ。。。

てか、まあ、死ななかったけど。。。

その危機具合は、出口がない、答えがない、解決のしようがない、というトリプルコンボの茫漠たる不安感だ。

その危機のさなかで、自分はイエスに出会って、飛びつくようにクリスチャンになって今に至るんだけど。。。

いま思えば、逆だね。

イエスが自分をギュって掴んでくれたんだ、って感じる。

あの頃の茫漠たる不安感を、どうやって言葉にすればいいだろう。。。

不安感の原因は、自分が、それまでずーっと守られて来たコンパートメントから出て、素で世界に直面し始めた、っていうタイミング的な理由によるのかもしれない。

素で世界に直面する。そのとき、世界は「無限」の様相を呈する。

無限の世界に対面する。そのとき、自分は「有限」であることを思い知る。

そして、無限と有限のあいだの途方もないギャップを、どうやったって自分は埋めることができない、ってことが、体感的にわかってしまう。

そこから来る茫漠とした不安感。。。

もし、あのとき、飛び級みたいに西田幾多郎の『善の研究』とか井筒俊彦の『意識の本質』とか読むことができて、「絶対矛盾的自己同一」っていうパワーワードをゲットできてたら、別の世界線が展開したかもしれないけれど。。。

あの茫漠たる不安感を、絵にしてみるとしたら。。。

こんな感じになるのかなあ。。。

浜辺に自分が立っていて、天使がこう語りかける。「さあ、キミはこれからアンドロメダ大星雲まで歩いて行かなきゃいけないんだよ」

自分が答える。「でも、どうやって? 自分にはあなたのような羽根は無いのですが?」

すると、天使が答える。「これを使って、梯子を組み立てなさい。そして、それを自分で登って行きなさい」

天使が手渡してくれたのは、小さな容器にいっぱいの爪楊枝だった。

自分は、爪楊枝を砂浜に刺して、いっしょうけんめい梯子を組み立てようとする。だけれども、組み立てたそばから、波が来て流されてしまう。

すぐに小さな容器は空っぽになってしまった。

自分は言った。「もう爪楊枝がありません」

天使は微笑んで、言った。「残念でしたね」

。。。とまあ、こんなイメージだろうかねえ。。。

今日の聖書の言葉。

だから、神の力強い御手の下で自分を低くしなさい。そうすれば、かの時には高めていただけます。 
ペトロの手紙一 5:6 新共同訳

しかし、イエスに出会ったとき、考え方というか、感じ方が、変わった。

自分、小さな容器の爪楊枝、ぜーんぶ使い果たして、それでオシマイ。それで、いいんだ! オシマイで、いいんだ! って。

自分がオシマイだと感じられて、はじめて開かれる、新しい世界があるんだなあ、って思えるようになったから。

新しい世界というのは、自分にとってはイエスそのものだ。

永遠・無限・全知・全能・遍在の絶対他者である「神」が、ユダヤのベツレヘムの馬小屋の飼い葉おけの上に、赤ん坊となって降り立ってくれた、という新約聖書のストーリー。

それが、イエスだ。

つまり、神が神自身を無限に縮小し、小さく、小さく、なってくれた、ということ。

どこまで小さくなったか、って言うと、極限まで小さくなったわけなんだけど。。。

さっきのイメージで言えば。。。

小さな容器が空っぽになって、浜辺で呆然と座り込んでいると、波に浮かんだ一本の爪楊枝が運ばれてきた。

なんの気は無しにそれをつまんで、自分の手に取る。

その瞬間、自分の手はもう、宇宙のすべてに届いていた。

。。。イエスを信じる、って、自分にとっては、そんな感じだ。

まあ、この感じの良くないところは、たぶん、梯子を作って登ろうとするあらゆる努力に対して、興味や関心を失ってしまうことじゃないかと思う。

だって、もう、登って行く必要が、なくなっちゃったんだから。

神の力強い御手の下で自分を低くしなさい
そうすれば、かの時には高めていただけます

イエスを抱きしめる自分のこころのなかで、無限と有限が合一し、天と地がひとつになる感覚 *。

この感覚を味わっているときには、こう思う。。。

「かの時」って、いつよ? もしかしたら、もう「いま」それなんじゃね? 

註)
*  この感覚は、本来、ただ信じる、というシンプルな行為によって経験できる感覚だけれども、キリストの教会では、この感覚を、味覚と触覚で体感できるよう、聖餐式という演出を行って来た。疫病下にあって多くの教会が聖餐式を挙行できない状況にあるが、これは考えようによっては、味覚と触覚を抜きに、ただ信仰だけでこの感覚を「味わう」という、古くて新しいスピリチュアリティを経験できるチャンスなのかもしれない。

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