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【MBA振り返り】シンガポール国立大学(NUS) MBA 2021-2022 振り返り

シンガポール国立大学 MBA

2022年7月末にシンガポール国立大学(National University of Singapore / NUS)MBA(経営学修士)を修了し、先日、無事に卒業証書が届きました。この記事はNUS MBAプログラム 2021年1月 - 2022年7月の1年半の振り返りです。

NUS 卒業証書はブロックチェーン上で発行されてるのに、驚きました。。

Overview

シンガポール国立大学には2021年1月から2022年7月までの18ヶ月間、テック企業で仕事をしながら、パートタイムとして通いました。
シンガポール政府のコロナ規制が厳しい中で始まった学生生活でしたので、3人以上で集まり課題も出来ず、グループで食事にも行けず、更にコロナでリモートの授業も多い等、様々な制限がありながら学校に通い、アサインメントを行っていました。(注: 2022年10月現在、この規制は解除され、授業は100%オンサイト、食事も10人以上のグループで可能です) 
20代のときに大学院行った経験があったので、学生生活スタート前は大丈夫かなと漠然な自信がありましたが、その自信は最初のWeek 1ですぐ消えました笑 MBA2回目、Ph.D卒やスタートアップ経験など様々な猛者がいて自信を失う瞬間はありましたが、授業もアサインメントは毎週あるので、常に学校関連のタスクがあり刺激的な日々でした。プラス、MBAは期待以上の出会いもあり、MBAっぽい会社訪問、コンサルティングプロジェクト、Exchange program(交換留学)やケースコンペ等も体験出来て満足な時間でした。プログラム後半はExchange programの提携先の大学でクラスを受講していたため、NUSに通っていたのは主に最初の1年のみです。

NUSビジネススクール

筆者について

普段はUSテック企業でセキュリティエンジニアをしている、シンガポール3年目の35歳です。MBAを学ばうと思った背景はこちらに投稿しております。大学院に進学した理由を良く聞かれることがあります。相手が納得出来る回答か分かりませんが、昔からからわず、自分の未来を変えたく行動しようと思いました。"何もしなかったら、何も変わらないんだよね"って僕の好きなラッパーも言っており、それに影響を受けて、ここまで来てしまいました。

クラスプロフィール


僕の学年は240名生徒が入学して、140名がFull-time、100名がPart-timeという構成でした。パンデミックもありPart timeの生徒が例年より多い年でしたが、生徒はアジア圏を中心に業種や出身もダイバーシティ色がある学年でした。
ヨーロッパのMBAに交換留学した後に感じたのですが、Full time / Part-timeプログラムのMBA両方をオファーしている学校は少ないからか、NUSの平均年齢は32歳と、他の学校と比べても平均年齢は高いです。その影響もあり、普段の会話もお仕事や家族の事などを中心に落ち着いていて、コンサバな話題が良く見れました。
また、シンガポールの第二ヶ国語が中国語と言われてる通り、中国語を話す生徒が多く、中国語のグループチャットには80名以上いて、One Big Groupでした。ヨーロッパの学校でクラスを受けたときは中国人の生徒は1人いるかいないかだったのでそのギャップに驚いたもんです笑 

  • 学生数: 140名 (フルタイム) / 100名(パートタイム) 

  • 日本人: 約20名

Part Time プロフィール: Link

Executive AssessmentのAverageが155とありますが、受験した当時の僕のEAは154でした笑 2020年4月にMBA事務局から147以上とったら、合格にしてやると言われて、必死に3ヶ月勉強した時期が懐かしいです。そちらに関してはここの記事に詳しく書いてあります。

単位

NUSは基本的に「セメスター(semester)制」で授業が行われ、基本1コマ/ 3時間を週1で14週間ペースで受講して、4単位貰えます。これは必須のクラス(Core)も選択教科(Elective)も共通です。

  • 授業は1コマ / 3時間、14週間ペース

  • 授業は主に平日夜又は週末に受講 (Part-timeの場合) 

  • 1セミスターで2- 3科目を選択

  • 12ヶ月で卒業できるプログラム(Full-time) 

  • 24ヶ月で卒業できるプログラム(Part Time) 

  • 最大6年間在籍可能(Part Time) 

単位は1クラス で 4単位とお伝えしましたが、定番は下記の様に必須のクラスを10個受講した後に、選択教科をMarketing, Strategy, Finance, Technologyなどのクラスから選択する様な形です。

  • Core Module (必須のクラス): 10科目 * 4(単位) = 40 

  • Elective Module (選択教科): 7科目* 4(単位) = 28 

良く聞かれる質問の1つですが、NUS MBAは卒業にあたり、卒論はありません。単位とGPAの要件がクリアになっていれば、卒業証書が届きます。

13週間って単位を数字で見た場合、長い期間に見えますが、ジャネーの法則が証明してる通り、30代の学生生活においてセミスターが終わるまでは一瞬です。お仕事でもトライアンドエラーと言う様に、Fail Fast, Learn Fasterのマインドセットで、Passiveな学びスタイルだけでなく、グループワークや職場でいろいろと試したり、フィードバックを貰いながら進めてました。
17個もクラスを取れば、もちろん当たりのクラスもあれば、ハズレのクラスもあります。人気なクラスは抽選だったり、取りたいクラスは毎セミスター選択可能ではなかったり、教授の都合で受講したかったクラスがキャンセルになる事もあり、いかにプログラム始めにある程度取得したいクラスのプランを考えたり、取りたいクラスが受講出来なかった場合のプランBが必要かがわかるかと思います。僕の場合はElectiveはNUSで受講にこだわる必要はないと思い、結果的に68の単位は下記の様な組み合わせで取得しました。

  • NUS: 12科目 (必須のクラス)

  • Exchange Program: 7科目 (機械学習、データサイエンス、ブロックチェーン、DX、暗号通貨等) 

  • Online (Brazilの大学) : 1科目 (DeFi) 

  • 合計: 20科目

結果的に単位を必須より1つ多めに取りましたが、僕の友達は単位を5や10多めに取得しようとしてる人もいるので、最大限に学校にいる間のメリットを使うのはありだと思います。

スケジュール

僕の普段の1週間は下記の表の様な時間割りで過ごしていました。日中はお仕事をして、夜間はクラス2つ-3つを週4日のペースでキャンパスに通うという、週末を課題で過ごすというスタイルで1年半過ごしいてました。

Part time生徒のほとんどがフルタイムで平日はお仕事をしているため、学校の宿題やプレゼン準備の打ち合わせは主に平日夜8時以降や週末の午前が多かったです。僕は昔から夜人間のため、学校の宿題やリサーチが必要な仕事などは夜中に集中的に行って、お昼頃休憩するっていうパターンが比較的に多かったです。平日は仕事や学校関係のチャットも多いので、集中出来るのが深夜になる事がおおっ方です。振り返るとタイトなスケジュールでしたが、幸いにもリモートワークでオフィスに行く必要がなかったので調整したすい環境で、ゴルフのレッスンを受けたり、Netflix「梨泰院クラス」や「ゴールデンカムイ」全話読読破したり、Coachellaに参加する時間もありました笑 

学費

2022年10月に確認したところ、NUSの学費は合計で84,000SGドル(約882万円)になります。(僕の学年の授業料は2021年当時のレートで約580万円程だったため、2年で約300万円程値上がりました。。) この授業料を1回でまとめて支払うわけではなく、パートタイムの生徒の場合は約2年かけて毎セミスターごとに分割した費用を支払う形となります。
下記の画像はフルタイム生徒及びパートタイム生徒の76,000SGドルの授業料のスケジュールです。Part-timeは入学金、セミスター1- 4までの費用は以下の通りです。
Exchange programに行っても、提携先の大学に学費を納める必要がなかったので後々にこれがプラスになってきました。フルタイムもパートタイムも授業料が同じなため、学生生活を誰よりも楽しむのはどうすればいいかと考えたとき、Exchange programに行きたくなりました。

当時ハイライト:

良かった点:

Opportunity: MBAはストレッチ・エクスペリエンスを経験する場という表現もある通り、毎日位が自分の得意領域以外のチャレンジの日々です。Comfort zoneから飛び出て自分が試される場面が多いですが、これを望む人にはぴったりな環境です。
学校の課題はほとんどがグループワークでマーケティングのアサイメントならあるあるプロダクトのTotal addressable marketのリサーチをお願いされる場合もあれば、自分で好きなテーマや企業リサーチを決めれるアサイメントもあります。TeslaやGoogleなどMBAの授業で選ばれやすい企業を選択してるグループに対しては、ネット上にたくさん情報もあるのでイージーな方を選んだなと思う時もあり、Pre-IPOの企業やESGなどをテーマを選べれたグループはどういうアクションをとったほうがいいかなど正解がないため、僕にとっては楽しく後者グループのプレゼンをきいてました。その他にも、Part-timeのかたでも学校のクラブでPresidentとしていろいろとイベントを企画されたり様々な機会があります。

実践: Part-timeの場合は習った内容が普段の業務で活かせたり、試せれる場面が多くあったので、忘れる前に学習内容と実践で反復出来て良かったです。良くアサインメントのケーススタディを読んで、どういう改善点やどういう分野に活かせるかという質問がいろんな場面でありましたが、そういう思考力も普段の業務のお客さんとの会話で活かせる発見があったり、ある分野で機械学習の利用方法を学んだ次の日にはプロダクト開発に試してみたり、学習→発見→テストと学んだ内容を試せる場があって効果的でした。

楽しかった点:


Exchange Program(交換留学): これは交換留学あるあるで意見が一致する事が多いですが、MBAでダントツで一番楽しかったのはExchange programに参加していた時間です。運良く、ESADE(スペイン・バルセロナ) とドイツのビジネススクールの2校のキャンパスで選択科目のクラスを受講する事ができました。ESADEは交換留学生徒が30名以上おり、学校や生徒のホスピタリティも手厚く、毎週イベントや集まりがあり、コロナの失われた学生生活がここで取り戻せた時間でした。僕は仕事がテクノロジーのため、Exchange program先ではブロックチェーン、暗号通貨、機械学習、データ分析などのテクノロジー中心のElectiveを学びました。GPA、ネットワーキング、Post-MBAなど生徒によって優先順位は異なりますが、その中でも僕の中で優先順位が高かったのがこのExchange programに参加する事でした。コロナ終焉まで海外旅行ややりたい事を我慢してられないと思い、気軽な気持ちで学内のExchange programに申し込んだのがきっかけで、2022年前半は2ヶ月程ヨーロッパにいました。ここに来た時は、後に自分の将来に影響のある出会いがあるとは、この時は思ってもなかったです

Exchange programの成績はGPAに影響もないので、好きなElectiveを取得して、お休みはサッカー観戦や観光など楽しむことができました。Exchange programに関しては振り返ると長くなるので、また記事を別で投稿できればと思います。

メンタル
この2年はメンタルを鍛えるDojoにいる気持ちでいました。"プロレスラーの一番の武器はコンディションだ" (グローバルで年間150試合をしているレスラーのセリフは説得力がありますね)という格闘好きには有名なセリフがありますが、それはまさに、MBAにも共通する部分がありました。
仕事→学校→家庭というルーティンでも色々な事があり、学校に行くの嫌な日もあれば、集中がしにくい日もあります。MBA生徒はネットワーキング、GPAや就職先などいろんな優先度がありますが、僕の優先度のトップは常にモチベーションをキープする事でした。Fail Fast, Learn Fasterのマインドセットでいられたのも、ここで失敗しても安全だよと最初から学校に教えられていたからです。
正直、圧倒的な成功体験より、小さい失敗や改善する発見のほうが多かったです。何者でもない生徒の失敗を覚えているのは人類70億人の中、ほんの数人です。その失敗を気にするより、そこでどういうFeedbackを消化して、ポジティブに変換出来るかが成長に繋がります。みんなイメージのなかでは完璧に成功してる自分がいますが、現実は課題や授業のペース面でも、学校での生活は筋トレをしているようでした。Work hard or work super hardなメンタルじゃないと、MBA生活はサバイバル出来ないと耳にしたことがありますが、まさにその通りだなあと思いました。 
学校の課題以外にも、ネットワーキングやクラブ活動やインターンシップなどWork hardを発揮しようと思えば沼の様にあります。(自分に対して)どこまで貪欲でいたいか問われる場であります。最初のセミスター1で受講していた2クラス受講が問題なければ、筋トレのように少しずつ負荷をあげていって、次のセミスターでは少し負荷を上げて3クラス受講して、セミスター4では6クラスも受講していたとき、慣れは怖いなと思いました笑 自分の意思で学校に行きたかったのでモチベーションが下がる事はなかったですが、キャパ以上に受講した結果、燃え尽きた時期もありました。

驚いた事:
もしあなたがビジネススクールに合格した理由を様々な生徒にきいたら、その回答は何十通りとあると思います。僕がNUSに入っていろんな人と会話して思ったのが、多くの生徒が合格出来た理由をラッキーといい、なんで合格出来たのか深く調査してない事に驚き、また、もったいないと思いました。僕は運で合格したのなら、その運を他の場面にも利用しいないともったいないと思い、Exchange programの申込込みや人気あるクラスに申し込んだり、運に乗っかかろうと思いました。このもやもやをきっかけに出会ったのが授業で取った行動経済学やデータサイエンスで、後に今後の方向性を決めるきっかけになりました。

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ドラゴン桜2 第13話: Link

ある研究結果ではNFLプロ選手になるには、早生まれか遅生まれによって選手になれる確率が変わる調査もあります。興味がある人はこちらの記事もチェックを。
運と一言と言えば抽象的ですが、バズワードのDXや数学の力で解明も可能です。たまたま最初のセミスターで受講したクラスでゲーム理論(NUS生徒には人気のないクラスでした。。)や選択科目でデータサイエンスの受講で、データと向き合う時間も増えました。企業による成功体験はみんな違い、それを再現するのは難しいですが、あるNBAチームは特定の時期から3Pシュートが増え始めたり、あるショッピングモールは他のショップと比べて車での利用量が多い理由の解明を機械学習で学習する場合の変数を選択方法など運に乗りながら、思考方法はデータ中心に変わってきました。

数学ゴールデン

大変だった点
これはTime managementの1つにつきます。僕は1つの事を時間をかけて考え悩み学ぶスタイルが割と多いですが、アサインメントを隙間の時間を見つけて数日以内に終わらせないといけないという事が多かったので、未知の分野に関しいてどう効率的な方法を見つけながら取り組むK.U.F.Uは常に探してました。途中で2年で卒業のスケジュールを少し早めた通常より負荷をかけたスケジュールで取り組んだ影響や仕事の方も忙しさが増して、最後のセミスターの5月は卒業がほぼ確定して安心したせいか、燃え尽きた状態になってしまいました。


(僕にとって)悪かった点:


Campus
NUSのキャンパスは北海道大学並の大きさと言われてますが、Part timeの授業が主に平日夜だったため、僕の大学生活はビジネススクールの建物の以外の施設を散歩する時間もなく終わってしまいましいた笑 

Elective(選択科目):
コアの授業は大抵どの学校も似たりよたりな部分があると思い、ファイナンスやマーケティングなどでは同じ教材やケーススタディが使われることもあります。学校の特徴や差があるのは教授であったり、ディスカッションに参加してる生徒が大きく担っています。そういう面で、NUSは決定的に他校と比べて、テクノロジーの選択科目のクラスが少なく、テクノロジー × ビジネスに焦点をあてて学びたい時、物足りなさはありました。ここ数年トレンドな機械学習、暗号通貨、ブロックチェーン技術、Web3.0やDeFIなどに特化したクラスがNUSにはなく、幸いにも僕は交換留学先やオンラインで受講して、単位を貰う事が出来ました。


役に立ったツール: 

  • 学習: Kindle, Youtube, Crunchbase

  • 授業: Notion, Grammarly, Canva

  • その他: VMock, Linkedin

  • Spotify: 作業用Playlist 


最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました。数年前に、やり抜く力GRITというビジネス本が流行りましたが、MBAが終わった今、得たのはこの卒業証書とGRITなマインドセットになります。映画「マトリックス」でネオが赤いピルか青いピルどちらを飲むか選択のシーンがありますが、ビジネスでも難しい場面でも赤いピルを選択してやり抜く力を得れたかと 
この記事えMBAという敷居が少しでも下がって、親近感や興味を持ってもらえたら書いたかいがあり嬉しいです。僕の学年はコロナの規制がいろいろとあったため、スキマな角度からどうやって楽しみを見つけるかというRPGゲームに参加していた感じもあれば、いろんな誘惑がない時期に授業に専念出来たラッキーな学年でもありました。
僕の会社では入社最初のQuarter(四半期)は特にKPIの数字やターゲットは課さられるず、学習やキャッチアップに専念してもらうHoneymoon periodという例えの時期があります。今、思うのは、MBAにいた時間はまさに好きな事をたくさん学べるHoneymoon periodだったなと笑 
いろいろと書きましたが、シンガポールの大学は日本人向きな面がいろいろとあり、オススメします。ミーティングや普段の授業も時間通りに参加していたり、細部を気にしたり、日本のカルチャーに精通されてるかたも多く、日本人と共通してる多くの部分が発見出来ました。毎年、MBAに価値がないというディスカッションありますが、生徒みんなYou're here for a reasonで、無駄は事はないと思います。常にComfort zoneから出て試す場面が多く、自分に欠けてる部分を気づかせてくれて、今後もそこは意識して伸ばしていきたいです。
もし海外大学院やMBAに興味がありましたら、TwitterのDMやMeetyへお気軽にご連絡ください。


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