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【極!合本シリーズ】Dr.コトー診療所を全巻一気読みした、さらに感動した

映画版「Dr.コトー診療所」を元旦に劇場で観てとても感動したので、やはりドラマと原作コミックにもどこかであたっておかないといけないなぁ、と思っていたのだけど、
Kindle Unlimitedに【極!合本シリーズ】Dr.コトー診療所があったので、3連休の2日かけて全巻一気読みしてみました。

こういう感じなので、ニワカ読者でほとんど何も知らない状態で書いていますので、ファンの方にはご容赦下さい。

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【極!合本シリーズ】は単行本をまとめた電子書籍版のようで、1巻〜3巻がそれぞれ1〜3、4〜6、7〜9巻の合本。
4巻〜7巻が、それぞれ4巻分をまとめて25巻までカバーしています。

7巻まで読み終わったところで、まだ話が完結しないのでびっくりしました。
「あれ?これで終わり?8巻はない?まだ話が途中なのに」
コミック原作は25巻最終話で何らかの完結をしていると思ったんですよね。
それが、エピソードが宙ぶらりんで終わってしまい、続巻も出ていないようで。
なので、調べてみたら、2000年からのコミック誌連載が開始され、途中休載を挟んだり、掲載誌を変えたりと2010年までは続いていたようですが、作者の山田貴敏さんの体調不良により休載していたんですね。

2017年には再開のメッセージを発表されたり、最近もDr.コトーになる前の前日譚を構想されていたりという話もあるようですが、お身体に無理せず是非新しいDr.コトーの話を読んでみたいと思っています。

そして、今回原作コミック版を読んで思ったのは、
コミック版もドラマ版も、そして今回の映画版も離島医療の現場で奮闘するコトー先生が主人公の話なのですが、それぞれ似て非なるマルチバースでのコトー先生の話なんだな、ということです。
なので、ドラマ版や原作コミック版に思い入れがあって、
映画版が納得いかない!
全くの新キャラをわざわざ出すのか?!
エトセトラ・・・
みたいな意見も、まぁ別モンなので出てくるのは当然で、
別の時間軸の話だからそれぞれ楽しめばいいじゃないということですね。

あと、ドラマ版はどうにかして観たいなとは思っているのですが、
ひょっとするとそうしたマルチバースでのそれぞれのコトー先生の話は
今回の映画版でいったん幕を閉じられたのではないだろうか?
そんな気もしています。
なので、次回作構想は前日譚なのかなぁ、とか。

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ところで、原作コミック版ですが、想像していたより手術のシーンが多く、今回の急患・病状急変などのピンチはどう切り抜けるのか?という山場があって、そして医療現場の用語が多いこと。
実際に医療従事者の方が読まれてどういう感想を持たれるのかは分かりませんが、素人からは「よく調べて描かれているなぁ」と思います。
原作の山田貴敏さんは医療関係のバックグラウンドをお持ちなんだろうと想像していただけに、そんなことはないようなので、びっくりしています。
それはそれは毎話書くのは調査や取材など連載をされるにあたっては相当大変だったろうなと推察します。

そして、コミック版でも何度か涙してしまうシーンがありましたし、
コトー先生も看護師の星野さんも、島の皆さんも、良い人ばかりだなぁと。またみんな色んな想いを抱えていて、それでもお互いを思いやり慎ましやかに暮らしていらっしゃる。
本当に心の底から悪い人間なんていないんだ、そういう人間の存在を肯定する思いにあふれているマンガだなと。
コトー先生の爪の垢を煎じて飲んでも足りないようなどうしようもない医療従事者がたまに出てきますが、人の命を預かっている職業に就いている人達なので、リアルな世界では是非そういう医者はいないことを望むばかりです。
見栄やプライドや金儲けや競争や、そういう俗物的なところとは離れたところで患者と向き合った医療を実践できるような、そういう志を持った人が医療の道へ進めるような、そんな社会環境、支援体制づくりを国はサポートして欲しいなと切に願います。
これは映画版を観た時にも思ったことですが、原作を読んでその思いはいっそう強くしました。
きっと原作者もそういう思いでこの物語を紡いで来られたのだろうということが伝わりました。

<了>


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