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ぶっ飛んでるのに気がついたら大粒の涙、ハチャメチャでサイコーの映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

#エブエブ で話題の映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」長い!
やっぱりエブエブがいいな(笑)

日本公開初日の金曜日。
夕方早めに仕事をあがって16時半の回に観に行ってきた。
公開初日なのに、会員サービスデーなのに、客席はガラガラ。
IMAX 2Dはそこそこ入っていたので、通路側がよくていIMAXじゃない方にしたからなのか。キャストがほとんど80年代のスター達なので人気がないのか?大丈夫か?

***

最初の30分過ぎくらいまで
「え?一体何をやっているの?今何がどうなってるの?
 わからーん!!!」
この後、退出する客が2人。
うん、分からなくもないよ。訳わからな過ぎて少し眠気が。。。。

1時間程度経過
さらにカオスな状況とアクションシーンもてんこ盛りになってきて、その訳わからないながらも、次から次へのアクション戦闘シーンのシッチャカメッチャカさに笑いが出てきて、少し余裕が出てくる。

1時間半経過あたりから
アクションシーン抑えめになり、展開が変わる。
そして、言語化が難しいもののテーマがなんとなく分かってくる。
そして気がついたら泣いている。

ラスト
大粒の涙

***

そんな感じでした。
って言っても判らないか。
よく、こんな込み入ったSF設定に、色んな要素を打ち込んで、そして感動させるって、一体どういう作品なんだ。
正直、この映画にアカデミー賞多部門でノミネートというのも大丈夫か?
という気がしなくもない。
だけどその反面、これはひょっとしたら、ひょっとして時間が経ったら、大傑作として記憶されるのかも、と思ったりもする。

マルチバースだとは予告を観ていて分かっていたけれど、
それにしてもよく判らない。
MCUフェーズ4のマルチバース展開もよく判らない混乱に我々をおとしいれてくれたけど、
このエブエブはそれ以上で、怒涛のバース・ジャンプ(マルチバース上の別世界の自分にコネクトしてそのスキルを手に入れる)で、何がなんだか脳の処理が追いつかない。

そして、基本的にはコメディなのだが、そのジョークもかなり下品で下ネタが多い。
アダルトグッズネタが至るところに出てくるし、
男子はケツ穴に何かを打ち込まれるし、
主役がゲロを吐くし、
いいの!!?という感じ。
さすが、インディー映画というぶっ飛びかた。

主人公イブリン(ミシェル・ヨー)は中国からの若い頃に渡米してきた移民で、現在はアメリカでコインランドリーを経営している。
そんな設定なので、出演者もほとんどが中国系だし、監督のダニエルズの片方のクワンさんも中国系。
そして音楽を担当しているSON LUXのメンバーの1人もたしかアジア系だったような。
そんなアメリカ発中国カンフーSF映画のような感じの割には、中国移民そのものがテーマにはなっていないし、
主人公の娘ジョイはゲイなのだけど、LGBTそのものもさほどこの映画では主なテーマではない。
(途中、保守的な中国系家族なので、主人公が娘のガールフレンドを父親に紹介する時に「友人」と言ってしまう、それくらいは出てくるが、それがテーマではない)

それよりも、この映画が僕を(そして他の皆さんにとっても)感動させてくれるのは、もっと普遍的なことをテーマにして描いているからだ。

母と娘そして親と子の絆と対立・葛藤
そして、それは娘から見た、さらに娘の世代=若者たちから見た今の世界、それは親世代(そしてさらに上の世代)が作ったFUCKでどうしようもない、夢も希望もない世界、そんな苛立ちと怒り・絶望感

そういうものが縦糸だとすると、
Be Kind、他人には優しくしようよ。
隣人を愛せよじゃないけど、結局のところ人間同士って愛だよ、愛。
そういうメッセージが横糸。

なかなか言語化するのがとても難しいのだけど、
そんな風に僕は感じた。

途中で退出したあなた!
もったいない。あと1時間、いやせめて45分、我慢して座っていたら
きっと不思議な感動に包まれたのに違いないのに。

最後に一言、
「とにかく気の狂った、でもサイコーの映画だった、泣いた!」

ラストのシークエンス、
コイン・ランドリーでファン感謝デーのようなパーテイのシーンで、イブリンが少しメイクをして赤いカーディガンを着ているのだけど、背中の刺繍が
「PUNK」だったのは笑った。

それにしても、ミシェル・ヨーさんは素敵な女優さんです。
そして、還暦とは思えないカンフーアクション。
まさにジャッキー・チェン映画を彷彿とさせるアクションシーンの連続で、80年代カンフー映画ファンも堪能出来ます。
素晴らしい。

なんとかネタバレしないようにファーストインプレッションをnoteしてみました。
まだ何度か観たいな。
これはBlu-Rayが出たら買ってしまうかも。
そんな謎の大傑作。
すぐには理解できないけど、ジワジワくる、だからいいのかもしれない。





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