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街の本屋growbooksの終わりと古本屋 書肆ハニカム堂のはじまり[1万字超インタビュー]

忘れがたい街の本屋があります。富士市・旧東海道沿いにあった新刊書店「growbooks」は、街の本屋ながら充実した雑誌のバックナンバーと、偏ったジャンルの棚揃えで一部から熱い支持を得ていました。
しかし、2017年に惜しまれつつも店舗自体は閉店…。

謎の多いgrowbooksの成り立ちと、閉店した今も「街の本屋」として存在することへの想い。さらに、沼津市にオープンした古書店「書肆ハニカム堂」は、古本屋でありながら一部growbooksからの委託として新刊本も販売もしています。

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2010年8月のgrowbooks店内/grow books blog(2010/08/24)より

2018年にとあるプロジェクトのためにgrowbooks店主と開店当初からの常連で、オープンしたばかりの書肆ハニカム堂店主、それからお店のファンである私とで鼎談を行いました。そのプロジェクトは消滅してしまったため、一度はお蔵入りになった記事ですが、2年の時を経て公開したいと思います。
友人である二人との真面目な鼎談、かなりくだけた口調で進行しています。
[取材日 2018年8月]

※ シャイなお二人なので、有料版でも顔写真はありません。ご了承ください。

きっかけはヴィレッジヴァンガード


森岡▼  まずはgrowbooksの成り立ちについて教えてください。以前、本屋を始めたきっかけはヴィレッジヴァンガードで働いた経験があったからと言っていたね。

growbooks◇   そう。三重県にあるヴィレッジヴァンガード大学時代にバイトしていた。まだ、株式会社になる前で、ヴィレッジヴァンガードが「大人の本屋」って呼ばれていた頃ね。

森岡▼  本のセレクトも手描きPOPもすべて店舗のスタッフがやっていた頃だ。店舗ごと書店員さんの個性が爆発していた時代だ。

growbooks  そうそう、そこでサブカルチャーに触れていろいろなことを知った。当時は男性スタッフばかりのスタイルだった。当時は本好きじゃなかったよね。今も本は読まないけど。

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