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OT(作業療法士)さんとの時間〜感覚統合って?〜

療育センターに通うようになって、息子が一番楽しんでいたのは作業療法の時間だったと思う。

まだセンターに通い初めの頃、私は、OTさんとSTさんの区別がつかなくてよく混乱した。
それぞれに正式名称はきちんとあって
STは Speech Therapist
OTは Occupational Therapist
の略だということを教わった。
そしてセラピストさんという意味と同時に
STは言語療法
OTは作業療法
のことを意味するということもわかった。
でもSpeechはわかってもOccupationalってなんか、全然ピンとこない英語。
混乱していた私に先生が教えてくれた。

「難しく考えないでください。
OTはね、Oyakuni Tatimasu(おやくに立ちます)で覚えてください」

なるほど、なんて素敵なんだろうと思った。
実際、作業療法の時間に関わってくれたOTの先生もまた、素敵な人だった。
息子はめいっぱい遊んでくれるOTさんのことも、めいっぱい遊び道具がある作業療法の部屋のことも、とても気に入っていた。

「ジャンプジャンプジャンプ、だいすきよー♪
コウちゃんと一緒にジャンプジャンプジャンプ!」

先生がはつらつとした笑顔で元気よく歌ってくれるその歌を思い出すだけで、私はわぁーっと思い出の渦に巻き込まれる。
楽しかったなぁ。
(全然歌のイメージ湧きませんよね...ごめんなさい笑)

OTの時間は、大きなブランコに乗ったり、ボールプールに入ったり、滑り台に登ったり降りたり、うんていにチャレンジしたり...いろんなことをさせてもらった。

ただ遊んでいるだけにも思えるその時間。
でも、決してそうではないことを私は理解しつつあった。

例えば、ブランコの背中を押す時。
先生は

「いち、にの...」

そうして息子が「さん!」
というのを毎回待っていてくれた。
もちろん全然言えなかったのだけど、そうやって息子の頭の中に何回も何回もそのやりとりをインプットしてくれた。
いつか息子が小さな声で「さん」と言えたのは先生のおかげだ。

トランポリンもそうだ。
息子の好きそうなおもちゃを少し高い場所に吊るして、息子の体をサポートしながらおもちゃをキャッチする喜びを教えようとしてくれた。

いろんな意味のある遊び。
あの頃は何となくしか、それらの意味を理解できなかった。
でももし、あれからいろんな経験を積んだ今の私がその場に居合わせたなら、そのひとつひとつにいちいち感動してしまうと思う。

あの頃トランポリンでたくさん遊ばせてもらったおかげで、息子はトランポリンも大好きになった。
少し大きくなって、初めて競技用のトランポリンに乗った時、あまりの跳躍に、びっくりして腰が抜けそうだった。
息子の跳び方を見て、本格競技を勧めてくれた方が何人かいたくらいだから、きっとすごく上手になっていたんだと思う。

そうしていつしか私は、作業療法の時間に行われていたことが「感覚統合」という療育だったことを知る。
「感覚統合」ってこれまた難しい言葉で、今だって到底理解できているなんて言えない。
奥が深すぎて、多分一生かかったって「わかっています」なんて言えないくらいの深い領域だ。

でも、その「感覚統合」がいかに大切か、じわじわこの16年かけて私はずっと感じ続けている。

次回は、「感覚統合」について書けたらいいなと思う。

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トランポリン、大好きです!

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