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『「できれば壊れにくいレンジがほしいんですよね」』


パァぁぁぁ―――ン!


「っしゃー!」

「うおー!」


バカ親子がまた

はしゃいでる


旦那と息子


また何か電子レンジで爆発させて

それで喜んでる


っとにもう…


「なぁママ、ちょっといいか」


バカ旦那だ


「壊れちったよ」


ほーーーらごらん

まいかいまいかい

卵だぁトマトだぁ

爆発させて


「さすがに缶コーヒーはまずかった」


はあああ?

ちょっと考えれば

わかりそうなもんでしょ

ほんっっとバカなんだから


「新しい電子レンジ、買おうか」


呆れてものも言えないとは

まさにこのこと


「なぁごめんって」


話かけないでほしい

ちょうどドラマが

イイところなんだから


「ボーナスも出たしさぁ」


わたしは旦那を無視して

ドラマを観続ける


「あした電気屋行こうよ」


あーあ

このドラマの主人公みたいな恋愛

してみたいな


「ねぇ店員さん」


え…

ちょっと…

やめてよ…


「電子レンジ探してるんですけど」


旦那め…

これが狙いだったのね…

んもう…


「おすすめの商品、ありますか?」


あれはもう10年前の年末


家電量販店の調理家電売り場で

販売員をしていたわたしに

電子レンジについて尋ねてきた旦那


「ペットボトルそのままレンジにかけたら、壊しちゃって」


細かいことは覚えてないけど

バカな客が来て

呆れながら接客したことは

覚えている


「できれば壊れにくいレンジがほしいんですよね」


それからどういう経緯か

食事をするようになり

休日に会うようになり


「できれば安いやつで」


なんだか一緒の家庭を

築いてる


このバカ旦那め


いきなり後ろから

ハグとかやめてよね


息子もどっかに

逃げちゃったじゃんか










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