『「三番ですかぁ?」』
「係長、係長」
「ん?どうしましたK田主任」
「来週のトンネル開通式なんですが」
「うん、順調かな?」
「掲示する式次第が印刷業者から届いたんです」
「お、ありがとう」
「そうじゃないんですよ係長」
「なに、問題?」
「これ、ご覧になって、三番のところ」
「あ…」
「どうしましょう?」
「どうするも何も、こんなの出せないでしょう」
「再発注させますね」
「やむない、急いでお願いします」
「わかりました」
「ちなみに誰が発注指示したの?」
「新人のY山さんです…」
「あ…」
「ありえないでしょう?」
「びっくりだな」
「係長作り直すよう言ってくださいな」
「え?私が?」
「こんな指摘、女の私にさせるんですか?」
「Y山さんも女性なんだから、ここは」
「たまには仕事してくださいよね係長」
「えぇー…」
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「Y山さん、ちょっと」
「はい、係長」
「来週の式次第が届いたってK田主任が」
「ありがとうございます」
「ただね、ほら、ここ…」
「はい、えぇーと…なにか?」
「だからさ、ここ」
「はい、キレイに印刷できてますね!」
「じゃなくてぇ…」
「???」
「三番のさ…」
「三番ですかぁ?」