『叙述トリックと非難』
夜も気になって眠れないくらい
やつには惑わされたのよわたし
ほんとにくやしくてくやしくて
こちらから呼びかけたって
いっこうに姿を現してくれないのに
忘れたころにひょいとやってくる
神出鬼没といえば聞こえはいいけど
ようはただの身勝手
とつぜんうちへ来たかと思えば
わたしへの挨拶もそこそこに
なにを探しているんだろう
部屋のなかをいったりきたり
あぁそうねそうね
わたしがいけないんだね
忙しいことにかまけて
部屋の掃除をさぼっていたから
だからゴキブリが出るんだね
あーくやしくてくやしくて
雑誌を丸めて叩いてやりたいけど
あいつはいつ現れるか
あー気持ち悪い気持ち悪い
一匹だけじゃ収まらないから
部屋に煙を焚いたほうが
いいのかなあ
っていう詩をとある媒体に投稿したら、動物というか生物愛護団体を自称する方面から、非難されたんですけど。
こんな表現すら許されないなんて、やっぱりこの世の中どうにかしているよ。
(あとがき)
というメタ構成で詩人になりすましておりますが、そもそもゴキブリの叙述トリックが下手すぎやしませんかねというね。