「三木監督を甲子園へ」叶う。甲子園優勝で小倉前監督へ最大級の恩返しを
高校野球西東京大会決勝
日大鶴ヶ丘×日大三
テレビでの観戦となったが、内野席はほぼびっしり外野席にもちらほら。
猛暑の中、多くの高校野球ファンが決勝戦を見届けた。
準決勝を生で観戦し、
圧倒的打力の日大三×凡事徹底の日大鶴ヶ丘の戦いになる、と感じた。
前回の記事を見て頂けるとありがたいです。
あれから考えたが
三高の方がちょっと有利?かと
準決勝で4発放った打線はとても脅威。
言い換えれば、全員4番バッター
フォロースローも大きく、スイングも恐ろしく鋭い。
多少詰まっても長打になるんじゃないかなと。
エースの安田虎汰郎くんも準決勝で低めの制球が際立って好投。明八打線を寄せ付けなかった。
ただ、相手の日大鶴ヶ丘は
ここまでの7試合でなんとエラーが1つのみ
準決勝の一試合を見ただけでも、堅実な守りと安定した送球が際立っていた。
決勝の先発は
日大三が安田くん
日大鶴ヶ丘は比江島くん
準決勝の早大学院戦で9回2失点のピッチングを見せた
試合が動いたのは2回
ここまで三高打線がノーヒットに抑えられていたが、6番の針金侑良くんが豪快にライトスタンドへ放り込み、先制。
針金くんは準決勝でも猛攻の口火を切るホームランを放ち、連発となった。
その後、四球とヒットでランナー1.2塁となるも、後続を比江島くんが抑え、ピンチを切り抜けた。
すると4回表
準決勝、攻守で貢献した日大鶴ヶ丘の4番後藤健大くんがレフトスタンドへ同点ホームラン!
主砲が意地を見せた。
そこから徐々に日鶴ペースへ
6回表、先頭から二者連続四球、安打で無死満塁とこの試合最大のチャンスを掴む。
三高にとったら絶体絶命のピンチ
しかし、安田くん落ち着いてた。
丁寧にコースをしっかり投げ分け、二者連続三振。最後のバッターもセカンドゴロに抑え、最大のピンチを切り抜けた。
安田くん、渾身のガッツポーズ!
三木監督も「ハートのある子」とそれを象徴するシーンだった。
これで一気に流れを手繰り寄せた三高。
7回裏、先頭打者が死球で出塁。
安田くんが犠牲バントを決め、1番の古賀くんがセンターへ勝ち越しのタイムリーを放った。
ここまで好投していた比江島くんを終盤に捉えた。
8回にも貴重な追加点を挙げ、3ー1で迎えた9回。
マウンドにはもちろんここまで一人で投げ抜いた安田くん。
9回になってもストレートの球威は落ちず、自慢の制球力は全く衰えなかった。
最後のバッターをファーストフライで抑え、試合終了。
日大三が二年連続の夏甲子園出場を果たした。
終始接戦で決勝戦に相応しい見応えのある試合だった。
安田くん、比江島くんの投手戦。
両投手に大きな拍手を送りたい。本当にお疲れ様でした。
日大鶴ヶ丘は敗れて18年のリベンジを果たせなかったが、ミスが少なく各選手ポテンシャルが高いチームだった。
攻守の要である後藤くん、先発した比江島くんを中心としたメンバーを後輩たちは今日、目に焼き付けたはずだ。
彼らは「先輩のようになりたい!」、「俺たちの代で甲子園に行く!」と強く思ったんじゃないかと。
今日戦った選手たちは後輩たちにも勇気を与えた。
胸を張って欲しい。
優勝した三高はトータルして攻守のバランスが整っていた。
エースの安田くん130後半から140の直球と低めへの制球力。そこに落差のある変化球が混ざり、相手打線にとってとても脅威だっただろう。
打線は先程も言ったが
全員が4番バッター。笑
甲子園でも存分にその長打力を発揮して欲しい。
優勝インタビューで三木監督は涙した。
甲子園通算22回出場、優勝2回を誇る小倉監督から後任を引き継ぎ、計り知れないプレッシャーがあったはず。
三木監督の涙には色々な苦しみや葛藤が詰まっていた。
自分が高校球児の時、一本杉球場の運営で当時コーチだった三木監督をよく見かけていた。
直接話したことはなかったが、とても優しくていつも笑顔で明るい方という印象だった。
三木監督の涙で自分もその時のことを思い出し、感極まってしまった...
優勝、本当におめでとうございます。
キャプテンの二宮士くんは優勝インタビューで
「小倉監督への恩返し、三木監督を甲子園へ」と伝えた。
小倉前監督のもと練習、練習試合、公式戦、約2週間の冬合宿、ほぼ365日野球ができ、時には一緒に湯船に浸かって苦楽を共にした選手たち。
小倉監督への感謝は計り知れないはずだ。
西東京大会優勝で恩返しは果たした。
今度は甲子園優勝で最大級の恩返しを。
p.s.甲子園までに小倉監督の著書を読み返そうと思います。