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あなたがAC長野パルセイロファンになるべき3つの理由

※この記事に触発されました。

決してパクリではない

AC長野パルセイロ。

 日本の真の首都である長野県、長野市を中心とするエリアをホームタウンとするクラブで、【J3の門番】とも呼ばれるJ3リーグの強豪クラブだ。(強豪とは)

 その強さは、アマチュア時代からアマチュアサッカーリーグの中では最強クラスとも評され、満を持してJリーグに加盟したが、毎年優勝候補に挙げられながらもJ3暮らしが続き、気が付けば、後からJリーグに加盟したクラブに昇格を先越されてしまうシーズンが続いている。

 しかし、それでもパルセイロの人気は衰えるどころか、毎年何かしらの話題を提供してくれるという意味で、年々SNSやネットを中心にクラブの勢いは高まり続けている。

 一度足を踏み入れたが最後、どれだけ連敗しても、リーグ順位が下降しても、もう引き返せなくなってしまうのが長野パルセイロの沼なのだ。

 ではなぜパルセイロというサッカークラブはそこまでファンを惹きつけるのだろうか?その魅力を全力で語っていきたいと思う。この記事を読んで、AC長野パルセイロに興味を持っていただける方が1人でも居れば幸いだ。

◇理由その1:伸びしろしかない

 いきなりの本家記事の丸パクリである。しかしアーセナルと長野パルセイロが抱える問題が、本家記事を読めば読むほど当てはまる。もしかして前世では恋人だったのかもしれない。よく見るとアーセナル、パルセイロとなんとなく語感も似ているような気がする。そしてこの2クラブはいずれも5文字。今年は東京五輪の年であることから、この5文字というのも何か深い意味があるように思えてくる。これは政府による陰謀かもしれない。そして5文字という絶妙な短さ・言いやすさが、優しさに溢れている。友人との話の中で「マンチェスター強いよなwww」なんて言おうものなら「こいつどっちのクラブのこと言ってんだ?」となってしまうし、気を使ってマンチェスターユナイテッドなどという長ったらしい名前をいちいち言っていたら、舌を噛んでケガにつながる恐れだってある。そういう意味ではパルセイロやアーセナルは、舌足らずな僕にも優しい語感設定になっている。

 話を戻そう。

 いきなり「お前はいったい何を言っているんだ?」と思われるかもしれないが、「パルセイロはJリーグ加盟からずっと最下層カテゴリーに沈んでいる」というのはつまり今後の伸びしろが抜群、ということだ。

 例えばあなたが川崎フロンターレあるいはジェフユナイテッド千葉のファンだと仮定してみよう。川崎フロンターレは国内リーグ連覇中で反則なくらい鬼強いし、ジェフユナイテッド千葉は魔境J2でもう10年も戦い抜いている。今後さらに上を目指すとすればACL優勝や国内三冠(J2優勝、天皇杯優勝、ちばぎんカップ優勝のこと。あのマンチェスターシティやレアルマドリードでも実現不可能な、伝説の三冠といわれている)ということになるだろう。

 もちろん、強豪クラブを応援するということに魅力がないなどと言いたいわけではない。単に、パルセイロというチームのファンであることの魅力は優勝や昇格を祝うのとはまた違う所にある、というだけだ。

 近年のパルセイロが不調であることは既に述べたが、これからクラブは守備を立て直し、攻撃を再構築し、ビルドアップの仕組みを整え、と課題は満載だ。J3優勝というよりもむしろ、まずは一戦一戦勝ち点を積み上げ、けが人が増えないことが目標だ。そしてその上でいい試合をしてお客さんを増やして資金を得つつ、J3でギリギリ昇格圏内に滑り込み、すべてがうまくいけば最終的にはJ2定着からJ1昇格争い、そしてACL優勝、日本代表は全員パルセイロから選出されるという所を目指していくことになるだろう。

 例えるのであれば、サカつくで長野市にクラブを作り、世界クラブ選手権優勝を目指すような気持ち、とでもいえばよいだろうか。パルセイロファンになるというのは、今後5年10年単位で苦しい時期も楽しい時期も含めてプロジェクトパルセイロの一員となる、ということなのだ。

 あまりに楽観的過ぎると思われてしまうかもしれないが、もし5年後のパルセイロでユース出身の小西陽向や田中聡(現湘南ベルマーレ)がチャンスを演出し、それを冷静に沈める東浩史が念願のパルセイロのJ3優勝をもたらす、なんていう場面が見られるとしたら・・・?

 現状のパルセイロが(過去に見せたような)昇格の期待感だけを煽りながら光明の見えない試合内容を見せつけ、シーズン前半戦のように絶望的な得点力不足で引き分けと負けが続くチームだとしても、上のような光景が脳裏をかすめるだけで、今のパルセイロを見るのが非常に魅力的に感じられるというものだ。

◇理由その2:世に知られていない選手が数多く揃う

 上で述べたような今後のパルセイロが上を向いていくという予想には、まったく根拠がないわけではない。今のパルセイロにはJリーグマニアですら知らない、今後パルセイロにとって何かしらを何とかするであろう選手が非常に多く在籍している。

 もともとパルセイロは豊富な資金力で大型補強を繰り返してきた歴史があり、「元J1クラス、元日本代表のベテランとか揃えれば昇格いけるっしょ」を信条としていたフロントのもと、ベテランを多く獲得し、まったく額面に合わないスカシぶりで1年で放出などしていたクラブだ。

 ただし、これは2019年までの話で、2020年には大学新卒で体力のある若手や、同じカテゴリーの他のチームの主力の引き抜きなどを行うようになり(通称、バイエルンミュンヘン型補強)、これまでのような、得点力解消のためにケガがちだけど界隈ではちょっと有名なベテランフォワードをさくっと獲得といった場当たり的な補強はやめて、大型補強感は薄まったように見えた。この補強方針の切り替えが功を奏し、2020年はJ2昇格まであと一歩と迫ることには成功したが、代償としてその躍進を支えた若い主力達を上カテゴリーのクラブに引き抜かれてしまい、再び若手や監督のコネ、上カテゴリークラブで戦力外となった選手を中心とした作りをせざるを得ない、というのがパルセイロの現状だ。

 それが特に色濃く表れているのが2021年の補強で、住永翔、矢田貝と大卒新人である二人がレギュラーを張り、栃木SCからやってきた川田と榊は完全に横山監督ルートだ。実力はあったがザスパクサツ群馬で構想外となったベテラン宮阪、一時期は日本代表候補にも選ばれたがケガもあり未完の大器のままベテランとなってしまった金園はともに32歳で、1シーズンをフルに戦えるかは微妙なところ。

 また、若くポテンシャルはありそうだが中々出場機会が得られていなかった松本山雅の山本やザスパクサツ群馬の山中(加入後にケガが発表されるって、そんなのアリか)、FC琉球の人見など、レンタル移籍をフル活用して人員の拡充を図っている(戦力アップになっているとは言ってない)。

 これらの選手たちに加え、大卒2年目で主力に成長した坪川、喜岡、J3最強の右サイドバックといわれる吉村、大卒新人時代から長年パルセイロのゴールを守り、実質パルセイロの生え抜きといっていい田中もいる。

 ここに八戸時代からJ3で大活躍していた地元長野出身の三田、讃岐で長年主力となっていた森川、元アンダー世代の日本代表である水谷や、香川真司を輩出したあの名門FCみやぎバルセロナ出身の東といった経験と実績のある選手たちを加えれば、J1しか見たことない人からすれば「一人も名前を知らない」スタメンが組めてしまうほどだ。

 また、そんな魅惑なチームの指揮をとる横山監督にも大いに期待が寄せられている。

 横山監督のサッカーは、監督就任当初に展開した浦上をバックラインの中心とした3-4-2-1、そこから4バックの右に三上を起用する奇策を経て4-2-3-1、その後4-4-2をちょっと試して最終的に4-1-2-3と目まぐるしくシステムを変えたり、驚きと謎に満ちたコンバートを見せている。まだまだこれこそが横山監督の/パルセイロのやり方である、という絶対的な形はなく、今後も3バックにしてみたり、2トップにしてみたり、水谷をウイングにしてみたり、森川をサイドバックにしてみたり、試行錯誤は続いていくはずだ。

 パルセイロは選手の成長だけではなく、監督の成長までもを見守っていけるクラブなのである。

◇理由その3:好不調の波が激しくロマンがある

 本家記事とまったく同じ項目になってしまった。これは偶然などというものでなく必然。起きるべくして起きた運命としか思えないほどの一致である。

 上記2つはどちらかというと将来を見据えた話だったが、もちろんパルセイロは現在進行形で応援していて楽しいクラブだ。

 ここは絶対勝たなきゃいけないという大事な一戦で、引き分けるどころか完封負けを喫したかと思うと、次の試合では前評判を覆しての勝利、最終結果では昇格を逃すというのは昔からのパルセイロのお家芸ではあったが、かつてのパルセイロと今のパルセイロで共通して言えるのは、「良い時のパルセイロはどんなチームにも勝てる可能性があるが、悪い時のパルセイロはどんなチームにも負ける可能性がある」という点だろう。(もう1つ「あんまり期待してない時に大量得点する」も共通しているかもしれない)

 例えば2020年のパルセイロは下位クラブにどこか一分けでもしてれば昇格だったのに、最終節で、アウェイ4-1で勝利した岩手相手にホームで0-2の完敗を喫し大逆転で昇格を逃すが、得失点差ではJ3を優勝した秋田に次ぐ2位となっていた。(何の意味もない)

 今季も序盤は開幕9試合で1勝しか挙げられず、絶不調に陥ったかと思えば、天皇杯で川崎フロンターレ相手に善戦し自信をつけた影響か、鳥取戦での8得点で一気にその実力を見せつけた。

 さらにその後は4得点を挙げる大勝、ロスタイムゴールの劇的勝利、敗北濃厚な中での逆転勝利、二度引き離されながらも二度追いつく執念の引き分けと、とにかく浮き沈みが激しいので、パルセイロを見ていて退屈することは無いはずだ。

 もしかするとこれは監督も含め未知数の選手が多いという点と関連があるのかもしれないし、逆に一貫して結果を残せないからこそ総合的な成績では中位に沈んでいる、というのもあるだろう。だがそれでも、こういった経緯があるからこそ、どんな強敵と対峙しても「もしかすると今日はパルセイロの日かもしれない」と希望を抱けてしまう、ロマンのあるチームなのだ。

 もちろんそれを裏返すと、ホームアウェイ関係なく、仮に下位に沈むチームが対戦相手だったとしても、守備陣の軽率なミスでの失点から敗北できてしまうチームでもあるのでパルセイロファンはいつだって油断はできない、ということでもあるのだが。

 このように、北信五岳のような浮き沈みをパルセイロファンは体験することになるのだ。とはいえ、安心できる試合がないというのも、それはそれで日々の試合観戦の蕎麦の薬味のような存在になってくれる。

◇終わりに

 何よりもまず最初に、この記事をここまで読んでくれたあなたに、心の底からの感謝を伝えたい。もう1つ伝えたいのは、この記事を最後まで読み切った時点でもうあなたは半分パルセイロファンのようなものだということだ。

 そして、そんなあなたに良いニュースがある。ちょうど今週末は長い中断期間を経てJ3リーグ再開が控えているのだ。

 もちろん別に必ずしもこの試合でなくても良いが、せっかくなので一度パルセイロの試合を観てみるのはいかがだろうか?百聞は一見に如かずというし、ここまで書かれていたことがよりダイレクトに伝わってくること請け合いである。

 さらに、もしSNSあるいはオフラインの知り合いなどでパルセイロファンの方が1人でもいるのであれば、ぜひ「ちょっとパルセイロに興味があるんだけど……」と会話をしてみて欲しい。皆が口を揃えてパルセイロの魅力を熱弁してくれるに違いない。

 そうなればもう、日本中世界中のどこにいたとしても、あなたはもう長野Uスタジアムにいるようなもので、耳を澄ませば『シャナナ』のチャントが聞こえてくるはずだ。

 北信州への扉はいつだってあなたの心の中にあるし、その扉は常に開かれている。勇気をもって、一歩を踏み出してみて欲しい。

勢いで書いてしまった。SNSなどで拡散していただけると嬉しいですが、ある日突然記事が消えたら、上記のアーセナルファンの人に抹殺されたと思ってください。

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