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何のためにあなたは結婚するのですか

「あなたは何の目的で結婚したいと思っているんですか?」

なかなかに物騒な質問を受けた相手は婚約者の上司。30歳までに結婚!という〆日だけを掲げ婚活に邁進していた29歳。当時お見合いをして、お付き合いし始めた方がいた。

彼ともまだ数回しか会ったことがないのに、なぜか彼の上司(正確には奥様も)も一緒に食事をすることになり、“これは面接ですか、いいえお食事です”な場で、矢継ぎ早に飛んできた質問の中の一つ。


上司は彼を心配したのだろう。
大して見た目も良くない。気も利かない。仕事も非常にできるとは言い難い。人のよさそうな雰囲気と、年相応の仕事と役職と収入のある男に

「早く結婚したいね。いつにする。」
と迫りくる女の正体を暴こうと。



「安心感を得たいからです」
きっぱり言い切った。

比較的給与のいい会社で働いてたから、散財しても貯金くらいは増える。彼にお金があったとしても、そもそも彼はケチだ。お金はあればいいってもんじゃない。婚姻という契約によって得られる、社会的にひとりじゃないという安心感が欲しかった。

急いでるのは30歳になっちゃうからだよ。

それを伝える必要性は全くないし、突如された質問だったので、一言だけ答えた。

欲しいものは安心感

だから相手は誰でも良かった。
結婚さえできれば。


私は生きてるほとんどの時間、彼氏やパートナーと呼べる相手がおらず、“なぜ結婚を望んでいるのか”について考えを深めたことがなかった。上司から突然問われた時、ふいに出た言葉だったが、それから以降、変わることのない価値観。


安心感という名の
見えない得体のしれないもの

きっと誰かが与えてくれるものではない
抽象的な幻想

頭で分かっていても、結婚という一人では絶対にできないものを、誰かを巻き込んで感じたい、そう思っていた。 



今週3日間、夫に対する不満や愚痴をnoteにばらまいた。ザ・公害。

愚痴や不満を公に出すのは危険だ。
私ではない、彼のことを思うと。
個人情報観点でいけばアウトだろう。

でも書いた。


Twitterで愚痴をつぶやいた後、めちゃくちゃイライラしながらも心に浮かんできたことは

あー、私は夫が好き
だから理解し合うことを投げ出す気はない
結婚できた奇跡に感謝
でもさ、私の気持ちも理解しようとしてよ

だった。

たまたま元同僚と集まる機会があり、夜のおしゃべりで、とある話題があがったことも寄与してる。結婚・指輪にまつわる爆笑ネタを久しぶりに披露しながら、しゃべりきった後に言われたよね。

「まきちゃん、旦那さんに感謝だよ!初心に戻れるね。まぁ色々あっても、しあわせそうだし。」

どんなに愚痴を吐こうとも、悲壮感は漂わない。20代の幸薄まえまきを知る同僚たちなら、その感覚を見逃すはずがない。


私は結婚してからいつだって幸せなのだ。
彼が安心感を与えてくれるから。

結婚をして一番欲しかったものを与えてくれている。それは婚姻契約を結べたからじゃなかった。彼のおかげだ。

もちろん安心感が揺らぎ、不安になることはある。喧嘩する時はたいていそう。だって、一番大切なものが揺らぐのだから。

安心感をくれてありがとう。

分かっているんだけどさ、誕生日当日に自分が一番頑張ってることを否定されるとね。
ウキーーーッてなるんですよ。

完。

※夫婦喧嘩吐き出し週間終了しました。
今週は多くの方に読んでいただき、ありがとうございます。

↓今日のは29歳のサブストーリーでした。

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