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他人と縁を結ぶということ―里親委託する実親の変化

2023/12/20(水):特別養子縁組㉟


はじめに


 今日もこのページを覗いて下さってありがとうございます。
 今日、水曜日は特別養子縁組という社会システムについて考えていきたいと思います。
 この記事を読んでくださったことで、社会として子どもを守ることについて、また施設で育つ子どもへの理解と見守る少しでも優しいものになればいいな…と考えています。

 今日テーマとしたいのは、「養子と実親の関係性」また「預ける背景と実親の社会的変化」について。
 


日本の養子制度の基本的な考え

 ここで改めて明確にしておきたいのは、「日本という社会は、子どもにとっての優先順位が「実親>血縁関係者>養育里親」であるということ。
 この原則はいかに養親に愛情があろうとも、いかに養子との関係ができていようとも「実親と生活」ということが優先される…というのが現状です。(もちろんプロの目によって実親との生活が安全な物かどうかの判断と指導がなされますが…)

 そのことを踏まえたうえで、現在の特別養子縁組と施設に我が子を預ける実親の現状について考えていきましょう。


変わりゆく子どもの背景

 この10年を考えてみると…たった1年でも大きく社会の流れが変わっていることを感じられます。
 人々の価値観、支払いの形態、働き方、子ども達を取り巻く安全と環境、政治と生活…変わってきたことを羅列すると数えきれないほどなのではないでしょうか?
 これだけ社会が変わっていくということは、子どもを取り巻く環境、実親の置かれた背景が変化していくのも当たり前のこと。
 今日はこの変化について考えていきます。

長期から短期へ、「手放す」から「預ける」へ

 以前、里親委託されるこどもというのは、死別や病気で養育が見込めないなど、親の引き取り手がなく長期の養育になることが多い傾向にあったと言います。
 しかしここ最近の傾向として、一時的に養育困難が生じた場合に期間を限って養育里親を利用するケースが増えてきていると言います。
 例えば収入や就業の問題や実親の年齢の問題などを理由に我が子を預け、養育環境が整い次第我が子を迎えにいこう…という形が増えているということです。コロナ禍での職業の不安定、未成年の望まない妊娠(コロナ禍で学生の望まない妊娠も増えた…という背景もあるようです)、増税や物価高による生活の困窮などの社会変化を子どもの生活は大きく影響を受けていることが分かります。
 また、この変化は社会の保護の手が本当に困っている実親と悲しい思いをするかも知れなかった子どもの元に届いているんだ…ということがいえるのかも知れません。
 しかし、保護しなければいけない子どもが増えている現状や、正直安易に生んで預ける…という実親も少なくない現状がこのままでいいはずはないと思います。


社会の課題

 正しい命への教育と性に関する知識、子どもをもつということをどう伝えていくのか。
 「欲しいと思ってなかったけどできちゃった」ということにならないような人間関係を築けるような子育てはできるのか。
 そもそも社会の困窮や政治の動きはこれでいいのだろうか。
 
 特別養子縁組を理解しよう!差別をしないようにしよう!
 そんなこと以上に大切なことが今の世の中には課題としてあるんじゃないかな?
 特別養子縁組を学んでいて、改めてそう考えています。

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