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未経験、微経験フリーランスが溢れるスカウト媒体と、巻き添えで埋もれてしまっている人たち

ここのところスカウト媒体を見ていると、「転職活動中ステータス」の未経験、微経験フリーランスが一段と増加しています。媒体や検索条件によってもヒットする内容は異なるのですが、10月比で5倍くらいの人数を見る印象です。Reactやコーダーが特に多い印象です。

こうした現象は前回noteで書いたような不景気を反映するものと考えられます。今回はこれらの事象の背景に加え、割を食っている人たちについても言及していきます。

スカウト媒体に溢れる人たちの傾向

昨今の傾向として20代ほどスカウト媒体のプロフィールが著しく薄いという傾向があります。

この傾向に乗っかった未経験・微経験フリーランスとなると、下記のような傾向が見て取れます。

  • 年齢、居住地などベーシックな記載はある

  • 経験年数が~1年、もしくは~2年

  • スクールの名前は伏せているが下記のパターンがある

    • 非ITエンジニア職から突然フリーランス

    • 正社員として在籍後、1年未満でフリーランス

  • 経験年数に学習期間を含んでいるケースがある

  • エンジニア専用のスカウト媒体の場合、5年程度の「その他」の登録があり、非ITの経験らしい

正直なところすかうっとをする理由が分からないほど顔が見えないという状態です。経験年数を絞れるスカウト媒体もありますが、学習期間を含めているケースはヒットしてしまいます。押し並べて同じ経歴で分からないのです。無個性です。これがスカウト媒体に向き合う担当者としてはストレスになります。

彼らに紛れて割を食っている人たちが居る

スカウト担当者からするとあまり件数が多く、経験年数も水増しされているため、検索条件で年齢などで切りたくなってきます。そうなると真っ当にITエンジニアをやっていても上記属性の人たちと紛れてしまって、十分なスカウトを受けられていない方々が出てきます。

  • 高専卒、高校卒などで十代からITエンジニアを始めている方

  • 学生時代からのプログラミングアルバイト、長期インターンをスカウト媒体に入れているケースで職歴が多く見えている方

特に前者は真っ当に数年経験した上での通常の転職活動をしているわけですが、大学卒業後に即フリーランスになった人たちと年齢的に被るため、特にファーストビューで学歴が見えないスカウト媒体では紛れやすいです。

打開策としてのプロフィール、レジュメの工夫

いずれの方も問題をより深めているのは「違いが分からないほど薄いプロフィール」にあります。具体的に何をやってきたのかに加え、工夫してきたことを書くようにしましょう。

経験者であれば何の技術を用いて何を開発したのかをしっかりと書きましょう。

未経験、微経験の方の場合や、ポスドクのように異業種からの転身を行いたい場合、募集職種に関連する職種で無くても下記のようなものを記載しましょう。

  • リーダーシップ発揮経験

  • プロジェクトのマネジメント経験

  • マニュアル作成を含む教育経験

  • 業務効率化

スカウトする理由を是非ください。

守秘義務には注意

特にSIer、SES、フリーランスといったクライアントワークをご経験されてきた方について注意事項があります。「やってきたことを書きましょう」というと案件名やクライアント企業名を書かれる方がミドルやシニアでもかなり多いです。しかし多くの場合はそれは守秘義務違反です。「リテラシーが低いのかも知れない」と懸念する企業もあります。また、取引先にばれることもあるでしょう。

先日コンサルの方の書類でお見かけしたのは、案件名の後に「※公開情報のため問題なし」と書かれて居られるかたが居ました。非常に安心して読めますし、さすがだと感じました。

不景気下では続けられることがウリになる

過去には「取りあえずコミュニケーションが取れればOK」「すぐに辞めたとしてもn割が残ればそれで良い」という大量採用することで有名なITエンジニア派遣会社もあったのですが、程なくして方針を改めてしまいました。

採用コスト、教育コストを踏まえると「すぐ辞めるだろう」という人材の採用優先順位は低いものです。ブラック企業に残り続けろとは言いませんが、、現職に特に不満が無く、something newを求めるだけの転職であれば、残った方がキャリアを長期的に見た際に得です。

情報商材屋の動きに備えよう

これまでの傾向からしても、景気が悪くなり収入が目減りしてきたりすると「手軽に得られる収入がある」という売り文句の情報商材が増えてきます。稼げる方法があるなら自分だけでやれば良いところを、何故他人に「教えて上げるよ」と言わなければならないのでしょうか。それは概ね他人を誘うことで成立するビジネスであるからに他なりません。よりお財布が窮地に立たされるのでお気をつけください。

手口は何十年も前からあるものの、TwitterやInstagram、TikTokといったSNSだったり、Web3だったりと媒体を変えて売り込みに来るためご注意ください。

noteやTwitterには書けないことや個別相談、質問回答などを週一のウェビナーとテキストで展開しています。経験者エンジニア、人材紹介、人事の方などにご参加いただいています。参加者の属性としてはかなり珍しいコミュニティだと思っています。ウェビナーアーカイブの限定公開なども実施しています。

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