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新卒・中途問わず会社選びにおいて重要視される「会社の雰囲気」と「リモート採用」のバランス

面談・面接の中で必ず「就活・転職活動の中で重要視している会社選びの基準」をヒアリングするようにしているのですが、ここ数年は「会社の雰囲気」を耳にすることが増えてきました。

ジェイックの22卒就活調査によると20.8%が「社風」と回答しています。インターンシップで求めることとしても「現場社員との会話」が28.7%となっています。

その結果、下記コンテンツでお話したように「デーティング」のような「とりあえず会ってみて良さそうだったら次に進める」というウェットな採用活動が拡がっています。YOUTRUSTでチャットを続け、心理的な距離を詰めていって応募〜内容まで持っていくという企業さんも居られました。

その一方でコロナ禍が始まりリモート前提の採用活動が前提となりました。会ったほうが雰囲気は伝えられるが、正面切って会いましょうとは言いにくい。この矛盾がなかなかに難しいものとなっています。オフラインで魅力を知ってもらうのに越したことはないですが、下記のような事情もあるわけです。

・出社を強要しているように見えてほしくない(企業側から候補者)
・そもそも社員が出社してない(採用担当者から社内)
・地方採用をしているので費用負担が大きい(企業側、候補者側双方)
・効率や運用費用を考えるとリモートワークのメリットは無視できない(企業側)

この「会社の雰囲気」と「リモート採用」のバランスが本日のテーマです。有料設定していますが、最後まで無料でお読みいただけます。もしよければ投げ銭感覚で応援をお願い致します。

【対策】リモート採用における「会社の雰囲気」:社員の顔出し新卒採用サイト

総合職も含まれていますが、新卒採用サイトにも「会社の雰囲気」を伝えようという雰囲気が感じられます。

以前の採用サイトやコーポレートサイトでは「これはモデルでは?」というサイトや、誰も写っていない小綺麗なオフィスをフィーチャリングしたものが多くありました。しかし数年前から既存社員を全面的に出したものが目立っています。

一例を紹介させていただきます。

社員の画像に加えて強めのメッセージや企業理念を貼るのもまたポイントとなります。

変わったところとしては、マネーフォワードのように社内報を公開することで透明性を出す会社もあります。

【対策】リモート採用における「会社の雰囲気」:ライブ配信

コロナ禍以前であれば問題なくできていたオフィス見学ですが、すっかり難しくなりました。小綺麗なオフィスを見せるにしても、既に引き払っている企業もありますし通うかどうかも怪しい会社もありますからね。

これらを保管するためにインスタライブなどで雰囲気を伝えようとする会社もあります。

こうしたイベントを通して候補者の方から聞こえてくる反響としては、「リアルタイムに質疑応答ができてよかった」というものです。オフラインで実現していたことを保管する形のライブ配信というのはこれから普及していくと思われます。’

【対策】リモート採用における「会社の雰囲気」:感じの良い面接官

リモートでの採用において感じられる「会社の雰囲気」のうち、比重の大きなものは面接官だったりします。実際の採用シーンを見ても、クロージングの過程で「面接官の雰囲気が良かった」と耳にすることも増えてきています。

従来であればオフィス見学をしたりできたわけですが、それが難しかったり、ハナからリモートワーク前提であれば会いに行こうとも思わないわけです。しかしその一方で会社の雰囲気は重視したいとなると勢い面接官を通じて得られる情報に対する期待値というのは上昇しています。

自社のヒトを売りにした採用というのいうは今に始まったものではなく、以前から存在していた手法です。対象社員が退職するとそこに魅力を感じて入った人も辞めてしまうという諸刃の剣ではありますが、不可抗力で重要な採用要素となっているというのが現状でしょう。

自社が想定している以上に面接官が訴求の観点で重要になってくると、採用の時は感じが良かった、一緒に働きたいと思ったのだけども、内定承諾をしたら全く接点がないというのは入社前後の期待値のギャップに繋がると同時に、早期離職のリスクがあります。

そのため、採用担当から丁寧に配属事業部に繋ぐことは前提条件となっています。

【入社後対策】面接官か入社後メンターになる事例

こうした入社後の期待値ギャップに対応するため、ある大手SIerでは面接官がそのまま入社後にメンターになる制度があるとのことです。これには二つのメリットが考えられます。

一つは面接後も関係性が途切れないということで期待値ギャップが小さく済むということです。

もう一つは面接官側も入社後の関係性が続く以上はいい加減なことを言えないため、しっかりとした採用ができる可能性が高まります。

良い相乗効果が産まれるのでお勧めの施策ですが、つまるところ感じの良い誠実な社員をどれだけ揃え、感じの良い会社をどれだけ実現できるかというところに帰着するでしょう。

感じの良い職場を目指すには

採用が強い・弱いというのは確かに存在するのですが、小手先のテクニックが先行し、入れたら企業側の勝ちというのは非常に不健全です。人材の流動化は短期離職についての後ろめたさを削減することに寄与していることを認識することが必要です。活躍・定着を目指さなければ濡れ手に粟の状態です。

以前も紹介しましたが、下記の著書はお勧めの一冊です。ギスギスした現場だな、と感じる現場の要素が言語化されています。

健康経営などの言葉も聞こえていますが、「しなやかな心」という意味合いのレジリエンスについて個人も組織も変化をしていきましょうという動きもあります。「職場環境と人間・レジリエンス」という視点から書かれているのが次の著書です。産業精神医療の観点から書かれています。

ギスギスした職場や、メンタルの不調者が多い職場やプロジェクトを想定すると第8章の自衛隊を想定した「折れないリーダーシップ、感情ケアというアプローチ」は興味深く感じています。また別のコンテンツで紹介できればと考えています。

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