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ご飯と写真の美味しい関係

目的は何であれ写真を撮りに出かけると時間を忘れてのめり込む。楽しくて楽しくてシャッターボタンを押す指が止まらずに、時計に目をやるとハッ!と我に帰ることがしばしば。こんな経験に共感しながら頷く人もいると思う。

そして時報のごとく音を告げる自分のお腹を手でさする。どうやらお腹が空いたようで、キュッと閉まるような空腹感が食欲を刺激してくる。こうなると頭の中は写真欲から食欲へと思考がパッと切り替わるのだから不思議なもの。

写真を撮る前、撮っている間、撮った後に食事へ行くのは自然な流れかもしれない。むしろそれが習慣になっている人もいる。そんな流れで友人のフォトグラファーと共にランチに行った日。「オススメに連れて行ってください」その一言からはじまった。

鳥取県にある中国地方最高峰の名峰大山。その中にある桝水高原の傍に「MR.BURGER」が佇む。この時期の大山は気温が氷点下になるほどで、この日も一面は銀世界でギュッ、ギュッと新雪を踏み締める心地よい音が耳に届く。


入口を入ると冷え切った身体の感覚が徐々に蘇る。ビーフの香ばしい香りが食欲をそそる店内は暖かい光に包まれ、大きく存在感を示すクリスマスツリーが年末を感じさせてくれた。

カウンターで「ミスターバーガー」を注文して席に着く。パッと見渡すと空間全体が温もりに包まれた居心地良さを感じる。ハンバーガーの出来上がりを待ちながらも、話しにリズムが生まれる。

しばらくするとテーブルに運ばれてきたハンバーガー。その姿を見た瞬間に食欲がどっと湧き上がる。ボリューミーでジューシーな姿はそれだけで満足感を与えるほど、食べる前から美味しいことが確定していた。

クリスマスらしい装飾が施され、見て楽しんだのちに早速食らいつく。この手のハンバーガーは食べるのに工夫が必要で、毎度のことながら正解がわからない。一口では全てが口に入りきらず、数口に分けて全体を楽しんでゆく。徐々に形が崩れてゆき対称性は失われる。そんな見た目は関係ないぞと、口に入り込む食材やソースたちが味覚を刺激する。何とも言えない至福のひとときがお腹も心を満たしてくれた。

美味しいものは自然と笑顔になる。楽しい美味しい体験は生活をより豊かにするために必要なこと。これからも写真を楽しみながら、その文脈で出会える食たちにも意識を向けていきたい。


 SUBARU(マカベ スバル)
鳥取県在住 / なにげない日常をテーマに写真を撮っている / 出張撮影 / 写真イベント企画  / 鳥取のPR活動も行なっている。

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