独立する時のメンターやコーチの見つけ方
この前、「独立するときにメンターやコーチをどうやって見つけるの?」という質問をいただきました。結構重要なポイントだと思うので、記事にしてみたいと思います。
メンターとコーチの違い
メンターとコーチは似ているようですが、微妙に役割が違います。それぞれが行うメンタリングとコーチングについて、分かりやすく簡単に比較してみます。
私の経験はこうだったから、こうするといいよ→メンタリング(答えは受け手の外部)
あなたの中にある答えを探しに行こう!→コーチング(答えは受け手の内部)
(参考)調査の結果、かくかくしかじかなので、こうするべきです→コンサルティング(受け手の外部)
これは答えを相手の外部から持ってくるのか、内部から持ってくるのか、というのが大きな違いです。さらに言うと、外部からの答えのうち、先輩の具体的経験に依るのがメンタリング、専門的調査等に依るものがコンサルティングと言えるかもしれません。
もっとも言葉の定義の問題なので、違う使われ方をするケースもあります。が、ここではざっくりこのようなイメージを持っていただき先に進めたらと思います。
メンターをどうやって見つけるか?
ポイントなのは、メンタリングのような答えが外部にあるものの場合、例えしっくりこなくても"守破離の守"として教えの通り実践してみることが大切です。
というのも、メンターは既に経験学習サイクルを回して最短ルートを知っていますが、受け手のメンティーはその知恵を持っていません。なので、ちゃんと説明されてもあんまりピンと来ない…ということが結構起こります。
そこで、「この人が言うならとりあえずやってみよう!」と少なくとも一回転は実践する気構えがとても重要です。そういう意味では、そう思える相手をメンターとして選びましょう。自分が相手に権威を感じる方が従い易いかもしれません。また、そういった方を探す必要があります。
ちなみに私は、まちづくり&コーチングの大先輩(この掛け算はレア人材!)にキャリアコンサルティングを通じて、実質的なメンタリングを受けていました。
色々とアドバイスを受けてその通りに行動すると得られるものも多く、また事前の準備や打ち手、気の持ち方などとても参考になるものばかりでした。後からメモを見返した時に、行動したことによる最新の経験と合わさって意味が理解できるものもありました。
コーチをどつやって見つけるか?
さてメンターがいればOKかと言うと、必ずしもそうではありません。「自分が何をしたいのか、どこへ向かっていきたいのか」は固有の人生経験をベースとして自分の中だけにある答えであり、メンタリングで得られるわけではないのです。
そこがある程度はっきりしていても、物事が進んでいくほど様々な現実的な課題が突きつけられ、それに合わせて浮き出る自分自身の内面的な課題にも混乱したりすることも起こり得ます。
そんな時は対話と内省の支援をするコーチングの出番になりますが、メンタリングと異なり、ここでは対等な協働関係の中で自己開示ができる関係を創り上げていくことが重要です。
例えば、ある出来事に対して怒りが抑えられずに台無しにしてしまう、あるいは不安な気持ちや目を逸らしたい気持ちが強く取り掛れない、そんな時はとても繊細で重要な過去の経験が背後にあるかもしれません。
また、「自分が何をしたいのか」というのがまだ成熟しておらず、やわらかくてあいまいな感情の中を泳いでいる段階にあることもあるかもしれません。
そんな時には、安心して自己開示ができて、かつ時には難しくチャレンジングな指摘も行える心理的安全性を築いていくことが重要です。そのため、権威より対等な関係性がベースとなるのです。
そういう意味で、コーチ探しというのはメンター探しより幅が広く、同時に条件が複雑とも言えるかもしれません。さらにコーチの腕の良し悪しとすら関係なく、「合う合わない」があるのも人間なので当然です。
ただ、私のクライアント経験上ですが、初回から「最高の心理的安全性を獲得した」というコーチングは経験したことがありません。というのも、結局はコーチと受け手であるクラアイアントが協働関係を双方の責任で創造していくプロセスが大事だから、ではないでしょうか。
そういうこともあってか、2009年の下記ICF(国際コーチ連盟)の調査によると、約半数(46%)のクライアントが紹介や口コミでコーチを決めているようです。
まずは知り合いのツテなどから探し、体験セッションを受けて試してみるのがよいかもしれません。またご自身の直感を大切にされてみることもお勧めします。
対価を払うことのススメ
最後にですが、特に独立してやっていくためにということであれば、しっかり対価を払いサービスの提供を受けてメンタリングやコーチングを受けることをお勧めします。
なぜなら、それによって「お金を払ったクライアント体験」という非常に重要な経験も得ることができるからです。自分自身のサービスの値付けの参考にもなりますし、また自分が受けたことのない水準を超えたサービスを提供するのは難しいです。
投資という意味合いも込めて、惜しまずに対価を払うことをおすすめします!
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