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コーチングは公務員の"カオナシ化"を止められるのか?クリエイティブな公務員が増えていくために必要なこと。

多かれ少なかれ世の中を良くしようとやる気にあふれて入庁したはずの公務員が、どんどん意欲を失い気付けばむっつりとしていく…

前にも何度か触れていますが、これが公務員の"カオナシ化"現象ですね。

私も12年以上公務員をやっていたので、とても身に染みて実感する現象です!様々な意図せぬ要素が職員の意欲にダメージを与えていってしまうんですね。今では退職という選択肢も一般的になりつつあるので、ただカオナシ化するだけでなく離職率も上がっていってしまいます。

このカオナシ化現象をどう食い止めるのか、また脱カオナシを進めていくのかというところでは、やはりコーチングのアプローチは要になってくると考えられます。


カオナシ公務員の抱えるモヤモヤはどこから来るのか?

カオナシ公務員はモヤモヤを抱えています。例えると灰色の霧の中で暮らしているような、なんともいえない不自由感が身近にあるんですね。

さてそんなモヤモヤ、つまりは何とも言えない生きづらさの根源ですが、ざっくり言うと社会からの強い同調圧力から来ている場合が多いです。

「成人発達理論」によると、人は成長の過程で一度、周囲の規範を受け入れて"善良な社会人"になるプロセスを踏んでいきます。

生まれたての子どもは周囲の人の力によって自らの欲求を満たしますが、大人になるにつれて徐々にそこから自立していく必要があります。自分のエゴだけでなく社会の規範を自らの内部に受け入れることによって、周囲の人たちと信頼関係を結び生きていく方法を獲得するんですね。

これ自体は成長のプロセスなので是非もないですが・・・一方で社会規範や周囲の期待を過剰に受け入れてしまうと、本来の自分自身がどこかに追いやられていってしまいます。周囲の顔色ばかりを気にしてしまう、他人軸で生きている状態ですね。

社会規範を中心にして生きている他人軸の大人というのはそもそも過半数以上とも言われるので、あまり珍しくはありません。しかし特に同調圧力の強い日本では、自分を見失って灰色の霧の中に生きている人は頻繁に見かけられるんではないかと思われます。

加えてそこに世間一般のイメージする「公務員」という虚像が投影されてしまうのが、公務員の苦しいところです。単純に「1人の人間」であることが認められにくかったり、不都合を引き起こすようなシステムの中に放り込まれやすいんですね。

大きなシステムとしては、このようにして生まれるのが"カオナシ公務員"なのです。他者目線や社会規範、一般的イメージの投影を過剰に取り込みすぎてしまった状態ですね。

脱カオナシのための自分軸獲得にはコーチングが役に立つ

さて大人の成長においては、次はもう一度自分の価値観を明確にしていき、他者目線をしっかり自分から分離して区別していくプロセスが存在します。自分軸をしっかり獲得する成長フェーズですね。

カオナシ公務員にとっても、この自分軸を獲得すればまさに"脱カオナシ"なわけです。灰色の霧の世界から抜け出しイキイキと働くための第一歩になります。

ところが現代社会にはこのプロセスを推奨するメカニズムはあまりないとも言われており、一般的にそこに進むためのサポートは得られにくい状況です。まあ実際のところ、自分軸を持とうとするサラリーマンは「扱いにくいヤツ」というレッテルを張られたりしますよね。

そのためここは結構困難な道のりであったりもします。後ろにある"灰色の霧の世界"には戻りたくない。一方でこの先にどう進めば自分軸が確立されるのかもよく分からない。脱カオナシ化のためには、荒野をトボトボと進んでいくような孤独感も出てきたりします。

ここで役に立つのがコーチングのアプローチです。何らかの"技術"を獲得するための方法は色々とありますが、実はこのような人のベースとなる心の内面的成長を支援するアプローチは、コーチング以外にあんまりありません

コーチングは自主性を尊重しながら内省と行動を繰り返して成長ていくことをサポートしていきます。1人で荒野を渡りきるのはなかなかハードになってくることもありますが、そこにコーチがいることで「自分の物事の捉え方」というタコツボに囚われ動けなくなることを回避することができます。

自分軸を持ったクリエイティブな公務員が増えることは社会にプラス

そして脱カオナシ化は公務員本人のためだけでなく、社会のためにも有益なプロセスです。なぜならば、自分軸の確立とはプロフェッショナルであることの最低条件でもあるからです。

自分の価値観や信念を明確にしてそれをどう社会と擦り合わせていくか、それを考えて行動できるようになるのは、この荒野の旅路を進んだ段階にある人にできることなんですね。

かつての公務員は、"エリートが考えたこと"を無条件で実行する人材が求められてきました。要はカオナシでよかったのです。

ところが今は明らかにそういった状況ではありません。社会課題も市民との関係性もより複雑になっていく中で、クリエイティブな方策を社会実装していくエネルギーが公務員には求められつつあります。そのため、コーチングで公務員の脱カオナシ化を進めることは、社会に利益をもたらすことなのです。

同時に、荒野を旅して自らの自分軸を獲得しようとする努力は、自分のいきがいをも向上させることにもなります。最近は現役公務員の方をはじめとするパブリック分野に携わる方へのコーチングの機会も多くいただいてますが、そんなわけで私自身とても喜びを感じています。

あなたの自分軸づくりのお手伝いをできることを楽しみにしています。コーチングに興味を持っていただけたら、下記のHPもご覧くださいね。


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