個人的な昔話を何かと絡めたがる勢

Twitterやquoraで適当なアメリカ知識を展開してる系の人のツイートを観察していると、20-30年前の古い体験に基づいた謎生活知識や持論を語る人が多いように感じます。また、20-30年前の思い出を現在進行系で居住している人に繰り返し語ったりする人も散見されます。

「大学の頃留学してて」(筆者は現在4-50代)
「20年前まで住んでいて」
「30年前に旅行に行った時」

という枕詞ではじまる多くの内容は、残念ながら現在進行系では役に立たないか（もちろん変わらないものもありますが、流石に2-30年はちょっと…）、特に、時事問題には何ら関係のない場合が多いのです。

人はなぜこのしょうもない枕詞を使いたがるのか。

輝かしい人生の大切な一部分であるアメリカ居住経験を誰かと共有したい。もしくはご自身がその経験を誇りに思っておられ、ちょっとしたマウンティング心から枕詞に「住んでた」を追加したい等気持ちは理解します。(いや理解できないから記事にしているんですけど)

例えば、今年の共通テストの話題がTwitterに流れてきたとしましょう。去年のセンター試験で○点取った現役東大生の話は多少マウンティングが含まれたとしても真剣に聞くことでしょう。一方で、どう考えても50歳近いであろう人が「俺のときは○点取れた」などと30年近く前の18歳当時のセンター試験の特典をドヤ顔で連ツイしていたらどう思います？誰がどう見てもただのクソうざイタい人ですよね。

20-30年前の話を元にアメリカを語る勢ってこれと同じなんですけど…。

どこかの場所の変遷、都市の変化、それによる問題を語る時に自分の脳内に残る過去のその土地の様子と比較したい気持ちはわかります。しかし、

自分は大阪に住んでいるんだけど、昔、新宿に住んでたことがある。浄水場があったとこにどんどんビルが建っちゃって。でも進化する街って感じがしてすごくいい思い出ばかり。今の新宿のトー横キッズ関連の犯罪は当時と比べると

例がちょっと極端ですが、このように日本の話題にしてみると個人的な昔話を時事問題に絡めたがる勢が如何におかしいかすぐわかりますよね。
わたしですら全然生まれていない親が語るような1960年代後半の淀橋浄水場解体新宿副都心再開発の思い出から、いきなりトー横のガキ話に飛んじゃってる。本人は新宿の歴史を語ってる、自分の思い出と関係あると思って付け加えているわけです。

あなたがアメリカを去ってから-30年の間に街も仕組みも、更には世の中も変化しているとは考えないのでしょうか。


*言うまでもありませんがその後も年に何回もアメリカに来るような生活をしているような人は除きます。というかそういう人はそんな枕詞つかわない。

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最も謎なのは海外旅行勢です。

海外との往来が復活してきましたので、この先海外旅行を計画している人も少なくないかと思います。これだけは肝に銘じてほしいのですが、住むのと(ノービザ短期滞在も含む)旅行に来るのは全然違います。
わたしは7年前にこちらに越してきた時、先輩永住者から「2年くらいははお客さんとして扱われる」と言われました。当時は何を意図しているかよくわからなかったのですが「お客さんには皆無条件で優しい」のです。2年過ぎて客人扱いが終わった頃からようやく世間が見えはじめるわけです。真理です。
海外旅行勢が言う「わたしが20-30年前に○○(地名)に行ったときは」「昔はーだったのに今はーで」云々、厳しいことを言いますがリアル客人に一体何がわかるというのでしょうか。しかも20-30年前の話。

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現在進行系の海外在住者に延々と古い思い出を語る人も謎です。これはまぁ多少気持ちはわかります(ほんとにわかる)。どこか異国の地で暮らした思い出は、現在進行系でその異国の地に住んでる人に共有して共感してもらいたいですよね。なるほどですね。

で？
So what?

相手が比較的年齢層が近く、更に全く同時期に同じ異国の地に住んでいたのであれば思い出話に花が咲くことでしょう。しかし、双方の共通点が母語が日本語で、（居住経験のある/現在住んでいる）土地の名前しかない場合…言葉選ばずに言うとマジで扱いに困るんだってば。わたしの場合はへー、ふーん、へー、をにこやかに繰り返すbot化します。世の中には心の広いお優しいかたも多いでしょうが、どう考えても一般的な許容範囲は過去10年くらいです。
だって十年一昔っていうでしょ？

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不思議なことに、30年前どころか50年前の事も昨日のように記憶しているであろうリアルお年寄りは個人的な昔話を何かと絡めたがる勢には該当しません。もう一つ、ウイットに富んだ思い出話をして場を盛り上げる事の出来る人もまた、個人的な昔話を何かと絡めたがる勢には該当しません。前者はその豊富な経験で人生の輝かしい思い出話を複数持っていること。後者は思い出話をしてウケて受け入れられるTPOを熟知していることが要因ではないかと推測します。
この両者からわかるのは「思い出話全てがダメなわけではない」「昔話全てが役に立たないわけではない」ということです。残念ながらあなたの古い思い出ではマウンティングは出来ませんし、現在進行系で居住している人は1mmも共感してくれません。時事や現在進行系の人に絡めるのではなく自分を主人公にして、思い出は思い出として別の場で、特定の聴衆を求めずに語ってはいかがでしょうか。その思い出はウザがられることなく面白い話として、誰かにちゃんと評価されるかもしれませんよ。