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DAY2「こどもの病気と会議準備」「ある定時後のクレーム」

こんにちは。
さて組織行動「職場での時短勤務者」DAY2のまとめです。

DAY1はこちら

今回もあるあるな状況で示唆に富むものでした。
ケース内容の簡単な紹介と、今回の気づきをまとめていきます!

ケース要約

ケース「こどもの病気と会議準備」
中堅メーカー総務部広報課に所属する真央。育休取得前までは社内外の広報の業務を担当し毎日終電近くまで仕事をしていた。
広報課に異動して2年目、出産後育休を取得。職場には育休制度はあったが、実際に制度を利用する人はここ数年で現れた状況で会社としても復職後の社員をどう扱うかは模索中であった。
夫は出張が多く基本的にワンオペ自分の仕事の効率を上げて定時退社しつつ、出産前と同じぐらいの成果をあげようとしていた。
育休復帰後は株主総会の仕事を担当。初めての業務、初めての人間関係だったががんばろうと張り切っていた。しかし、復職後三か月すると部門横断的な調整や確認作業定時外で対応しなければいけない業務が増えてきた。後輩の佐藤に定時後の対応を依頼するもコミュニケーション不足でミスが発生。
そんな時に息子が発熱。病児保育も空いていない。真央が自宅で保育しながら会議準備を行わなければいけなくなった。出社できないことで他部署への確認が難しくなったがこれ以上のミスは許されない…真央は困り果てていた。
ケース「ある定時後のクレーム」
旅行代理店の国内営業部第一営業課課長横山は、このところ業務負荷の偏りが発生していることが気になっていた。
第一営業課では、今年初めて育児休業を取得して復職する社員が誕生した。これまで女性社員は出産と同時に退職しており、優秀な部下を失う経験をしていたため、復職するという流れを歓迎していた。
しかし、残業ができない人材を部に抱えることで、それ以外の人間への業務の負担が増加しているのも事実であった。
国内旅行の業務上、仕事帰りの顧客に対して、夕方以降店舗で直接顧客とやりとりする必要がある。育休復帰後、定時退社となった朱里が受けた案件は、定時後に別の社員が担当し、夜遅くまで引継ぎ作業を行っていた。
しかし、引継ぎ作業を行っていても業務評価には含まれない。朱里がいることで朱里の業務のフォローが周りの負担を増やしていると感じていた。

今回も、子育て中のサラリーマンあるあるな内容です…リアルすぎる…

さてこのケースからこんな課題が出されました。

ケースクエスチョン
① 広報課の真央の課題はなんですか?
②営業部の朱里の課題はなんですか?
二人が抱えている課題に共通点はありますか?
また共通点の根っこには、職場の職務管理上にどんな問題がありますか?
真央と朱里のどのような問題が見出せますか?

個人の課題と組織の課題に分けて分析しようってことですね。

講義での気づき

真央と朱里の共通する課題を議論していると特に以下の議論が気になりました。
職場における慢性的な残業→個人の問題以前に、職場の問題生産性を上げる必要がある

・真央には育休復帰後、新しい仕事を与えた→チャレンジングな仕事を任せたこれの是非は?
チャレンジさせた上司、本人にはどんなメリットデメリットがあるのか?、どんなバックアップがあればチャレンジを継続できるのか?

・朱里は能力が評価されている。部署変更(定時後に対応が必要な個人旅行ではなく法人旅行担当に変更するなど)はできないのか?という声が多数上がりました。
企業内でのマネジメント経験もある講師からのコメントで、「元の職場以外に戻す現実性は、正直低い。人事の異動はハードルが高い。では元の職場に戻る前提でどういったアプローチが取れるのか?」という議論に展開しました。
マネジメント側の視点に立つと、朱里を異動させるメリットが少ないかもしれないという気づきがありました。能力が高い人材ほど、他チームに異動してほしくない、また初の育休復帰者としてマネージャーの手柄にしたいなどいち部下からは見えてこない気づきがありました。

組織の進化

特に面白かったのが、組織の進化の話でした。

組織行動学の研究から、昨今の組織の進化の方向性は大きく二つに分かれる可能性があるとのことでした。

まず大前提に顧客自身も社員自身も今までのやり方から大きく変わることに強い抵抗があること。
今回の場合、例えば朱里のケースだと、国内旅行の依頼をお願いしたくて直接店舗に来る顧客に対して、オンラインで完結するようなサービスを考えた場合、利益を得る人と利益を失う人が産まれます。
顧客自身も、社員自身も考え方を変える必要があるのです。

そして組織としては
①新しい顧客を獲得し、新しい社員もどんどん獲得していくパターン
②今までのサービスを守り抜き、サービスを守るために社員をキープするパターン

に分かれていく可能性がある、との示唆でした。なるほど。
自分の所属している組織が「やっていること」は①②のどちらでしょうか?

じゃあ真央や朱里のポジションの人はどうする?

組織の進化や課題はわかったよ・・・
じゃあ私たち、真央や朱里はどうする??
に対して、最後の講師の言葉がぐさりと突き刺さりました。

育休復帰をきっかけに、いままで解決できなかった問題が露呈します。

みなさんは逆境の中で、社会を変えて行く、自身のキャリアを今の環境下でどう発展させていくのか?が問われています。

組織学の研究で、企業の役員になる人を分析すると、その後スタンダードになる事業や働き方を極めて小規模で実現した人であるという結果があります。

小さな成功例を安全に、確実に作っていくこと。
寝かしつけ後に仕事をして対応する、子供の病気をほっておいて仕事をする、そういうことではありません。他人がマネできない・したくないことはNGです。安全に、確実な仕組みを作ること。
みなさんに問われている課題です。

具体的に仕事を行う上でのアドバイスは二点。

一つ目はサポーターファーストを忘れないでください。
サポートしやすかった人はどんな人だったでしょうか?
自分がどう仕事を回すか?よりも自分がいないときにどうやって仕事を回してもらうのか?を考えること。

二つ目はセーフティマージンをもつこと。自分が仕事を行う、私生活も含めて安全率をもつこと。余裕をしっかりと持つことはもはや義務です。

とのことでした。なるほど…
確かに一人目の育休復帰後は評価されたい!私は育休を取ったし、劣っている!遅れている!時短勤務だし挽回しなくては!と非常に焦っていました。

そんなイライラあくせくしていたら話しかけづらいし、誰も助けたいとは思わない…
客観的に自分の状況を見て、自分が頑張るところ会社が頑張るところ、会社も自分もがんばっているけどなかなかすぐには解決できなさそうなところ自分が飲み込むこと、を見極めていくことで前向きに働けるのかなと思いました。

なんともメッセージ性の強い先生です。DAY3もお楽しみに!

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