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独立のための⑧:事業計画書をつくる~作付け計画をたてる後編~

今回も前回の続きからやっていきましょう。
前回は圃場回転数という考え方を使って実際にどれくらいの面積を集めればよいのかの計算をしました。

今回はいつどれくらい収穫をするのか、いつどれくらい定植するのかその計画を立てていきましょう。

何月に何キロ収穫するか決める

これに関してはさほど難しいことはありません。
まずは収穫する総量を各月に均等に割り振っていきましょう。
計画したネギの出荷量は37,680kgです。
そしてネギの収穫できる時期は1~4月と7~12月でした。
これを簡単に表にしていきましょう。

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ネギの栽培期間から逆算して、ざっとこんな感じでしょうか。
5.6月は出荷をせずに基本的には3,800kg/月の出荷でよさそうです。
しかしこれでは少し不十分です。野菜には栽培難易度が高い季節と低い季節があります。いわゆる旬というやつですね。
そのあたりを考慮して出荷数を調整していきます。


ネギは基本的には晩秋から冬にかけて旬を迎える野菜です。逆に夏は栽培しづらいということになります。ですので7月~9月の出荷を調整しましょう。
私の経験上、植物の生育は梅雨明け~お盆明けまでの期間ほとんど生育しません。ですので7月の後半と8月、9月は出荷無しと考えるのが無難かと思います。ですので出荷量を7月は2/3、8.9月はゼロに変更します。
その減った分をほかの月に割り振ります。
私が割り振る際に気にしていることは栽培難易度の低い時期は出荷量を多くし、栽培難易度の高い季節付近は少な目にするという点です。

それを踏まえた変更後の数字がこちらになります。

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こうすることで、栽培する上で無謀ではない計画になります。
また、このように割り振ることでどの時期に生産が少なくなるのかが把握でき出荷が少なくなった時期に他の季節野菜を食い込ませることが可能となります。まぁこの話は今度にします。

では次にいつどれくらい定植をすればよいのか計算していきましょう。

何月に何アール定植するか計算する

これは収穫する時期から逆算します。
これを計算する際に使用するものがこちら

サカタのタネ「夏扇4号」

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サカタのタネ「春扇」

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またでできました。種苗会社の栽培暦です。これは品種によって少しずつ違うので、自分のやりたい品種の栽培暦を参考にしてください。
この品種をベースに考えると定植時期こんな感じです。

夏秋どり→2月下旬~4月上旬
秋冬どり→4月下旬~6月上旬
春どり→7月下旬~8月下旬

下の段に定植月を色付けするとこんな感じ

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赤が夏秋どり、青が秋冬どり、黄色が春どりです。
意外と定植期間は限られていますね。

ここから定植面積を計算しましょう。
前回までで単収は設定してありますのでそれを利用します。
240kg/aで計算すると以下のようになります。

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ちなみにこれは手計算は面倒なので表計算しました。
一応数式を一部紹介していくとこんな感じです。

春どり
【出荷量kg÷単収kg/a】
J3=SUM(E2:F2)/240

まぁ、表計算ソフトが使えなければ手計算でもよいですが、これくらいの計算は必須事項だと思って表計算の練習をしたほうがいいと思います

と、まぁこのような感じでいつどれくらい定植すればよいのかが計算できました。この数字を利用して次はいつどれくらいの播種をすればよいかを計算しましょう。

何月にどれくらい播種するか計算する

では最後にいつどれくらい播種する必要なのかを計算しましょう。
まずいつ播種するのかですが、また種苗会社の栽培暦を使いましょう。
栽培暦によるといかが播種時期になります。

夏秋どり→12月上旬~1月下旬
秋冬どり→3月上旬~5月上旬
春どり→6月上旬~7月中旬

になります。またこれを色分けしていきましょう。

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このようになります。
ここから播種量を求めていきます。
私の場合、育苗に日甜ペーパーポットのCP303を使用します。

いろいろ調べたところこのCP303を使用した場合では10aあたり70~80冊が平均的なようですので多めに見積もり80冊/10aを基準に考えたいと思います。
そして播種量を考える際にロス量を考慮するということが大切です。
播種から収穫までの間には様々なトラブルが発生し、播種した分がすべて収穫できるわけではありません。ですので播種段階である程度のロスを見込んで多めに播種します。
私の場合は3割ロスしてもいいように必要枚数の1.4倍の量を播種します。
ですので今回の場合は110冊/10aをロス込みの基準とします。

それを踏まえた播種量は以下の通りです。

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計算方法は先ほどとさほど変わらないので今回は省略します。

以上で大まかな栽培計画が作成できました。
そのほかの付随する業務(防除・土あげ等)はこの数字から計算していきます。実際これが完成すれば、あとは数字を当てはめていくだけになります。
今回で重要なことは収穫量は少な目に、播種量は多めに見積もり無理のある収穫計画を立てないというのが最も重要なことになります。
では今回はこのあたりで終わろうかと思います。
それでは皆さんさようなら。

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