独立のための⑪:事業計画書をつくる~生産費を計算する後編~
みなさまこんにちは。
今回は生産費を計算するの後編になります。
前回までで基肥と育苗にかかる費用を計算しました。
その際には1aあたりにいくらかかるのかというところまで計算を分けていきました。
ここからは栽培管理にかかる費用と収穫出荷にかかる費用を計算していきましょう。
生育期
ここでは、定植から収穫までの栽培管理にかかる費用を計算していきます。
主に農薬と追肥にかかる費用になります。
・殺虫剤
・殺菌剤
・液肥、葉面散布剤
・肥料
まずは殺虫剤と殺菌剤について何を使用するかですが、今回は千葉県の防除体系を例に考えます。
使う農薬は以下の通りです。
殺虫剤
・ベストガード粒剤(1回)4,345円/3kg
・ダイアジノン乳剤40(2回)1,485円/500ml
・アグロスリン乳剤(3回)4,048円/500ml
・ダントツ粒剤(2回)3,454円/3kg
・スピノエース顆粒水和剤(1回)4,488円/100g
・アファーム乳剤(1回)8,773円/500ml
・オンコルマイクロカプセル(1回)5,808円/500ml
殺菌剤
・ダコニール1000(2回)2,520円/500ml
・ジマンダイセン水和剤(2回)2,288円/1kg
・ロブラール水和剤(1回)5,390円/500g
・ストロビーフロアブル(1回)6,732円/500ml
以上になります。使用量や倍率は皆さんで確認するようにしてください。
液肥、葉面散布剤
・サンプロ1号 33,000円/20kg 800倍使用
・エスピー42号 3,945円/1kg 1000倍使用
・M.O.X 4,235円/10kg 500倍使用
以上になります。これらは栽培期間中20回使用すると仮定します。
基本的にはこの葉面散布は考え方人それぞれなので使用しなくても大丈夫です。
最後に追肥に関しては施肥設計で決めた
高度化成肥料14-14-14を1袋/10aを3回で考えます。
これらを表に表すとこのようになります。
ネット通販の価格を参考にしているため少し割高な数字となっていますが
10aあたりの費用は46,648円となります。
収穫・出荷期
最後は収穫と出荷にかかる費用を計算します。
ここに関しては基本は労務費なのですが、今回は自分一人でやるという仮定にするので労務費は計算しません。
ですのでここでかかる費用は段ボール代と出荷手数料になります。
段ボール 100円/枚
出荷手数料 15%
ざっと相場はこんな感じかと思います。
段ボールや袋はネギ仕様、出荷手数料は出荷先によりけりですが、今回はJAの部会共選出荷を想定しています。
それを表に表すとこんな感じです。
10aあたり143,760円となります。
これで基本的な生産費のすべてが計算できました。
最後にこの表に売上を足して経費率を算出していきましょう。
このようになります。
ネギの売上10aあたり638,400円なのに対し生産費10aあたり251,023円となり粗収益率は61%となります。
社員やパート、アルバイトを使う場合この数字にさらに労務費が上乗せになります。そうすると粗収益率はおおよそ30%~40%の間になります。
以上が生産費計算のすべてになります。
この計算をしてはじめて月あたりの予算計画が算出できます。
少し面倒な作業ですが、地道に頑張りましょう。
それでは皆さんさようなら。
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