第540話 【考え方】【7】「ミホちゃんがスキ」という思いを深掘りしてみよう
※kindle本の『挿絵』を描いてくださるイラストレーターさんを募集します
※もちろん、お仕事として、キチンと『報酬』をお支払いいたします
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※6冊出しますし、表紙にも検討させていただきます
今日の記事は、kindle出版する『いいかい、タケルくん』、
サブタイトル、
『ブサイクで21年間彼女ナシの僕が「彼女なんて簡単にできる!」と、そう言い切れる理由』の、初稿です。
ここに初稿を書き、推敲して、専用ブログサイトへ、
そして、対話形式に加筆修正してkindle出版します。
以下、
【考え方】【7】「ミホちゃんがスキ」という思いを深掘りしてみよう
です。
※54歳のタケル初老がタイムスリップして、高校1年生のタケルくんにアドバイスします
※高校1年生のタケルくんは、いわゆるこじらせ男子です
※タケル初老は、こじらせを完全に克服した【こじらせマスター】です
※固有名詞以外は実話です(記憶違いはご容赦願います)
◆高額すぎたブルーワーカー
タケルくんは去年、さんざんねだってブルーワーカーを買ってもらったね。
あの時の気持ちを言語化してみようよ。
欲しくて欲しくて堪らなかったよね。
ブルーワーカーさえあれば、貧弱な身体とオサラバできると頑なに信じたよね。
宣伝のマンガに、思いっきり影響を受けたよね~。
そして、あの手この手でお母ちゃんを説得した。
家は貧乏なのにだ。
姉弟が、シラケた目で見ていてもお構いなしでね。
念願かなって、2~3万円もする高額なトレーニング器具を手にした。
どんな気持ちだった。
自分の心の奥にも、ちゃんと目を向けてみようか。
確か、思ったほどの感動は、…なかったよね。
欲しくて欲しくて恋焦がれていた割には、いざ、手に入ると、
(こんなモノかぁ)
って思ったもんね。
で、知っているけどあえて聞こう。
どれだけの期間トレーニングした? 何ヶ月? 何日?
質問を変えよう。何回使った?
3回くらいだったよね。
意外と面倒だったし。
トレーディング方法が良く分からなかったし。
効果があるような気がしなかったし。
見事なまでの3日坊主だった。
あれだけ欲しかったのにね。
あれさえあれば、タケルくんのガリガリコンプレックスは解決するはずだったのにねぇ。
◆所有欲ではないだろうか
なぜ、ブルーワーカーのことを話題にしたのか説明するね。
若者は、特に若い男は、恋と所有欲をごっちゃにしている。
僕はそう思っている。
タケルくん。
マドンナのミホちゃんと付き合うことになったら嬉しいだろ?
なんで?
好きだから?
思いが叶って、
相思相愛で、…で?
めっちゃ可愛い大好きな子が、彼女になってくれたら、もちろん誰だって嬉しい。
それはその通り。
そこで思考停止しないで、さらに考えてごらん。
なぜ嬉しい?
自分が誇らしい?
みんなに自慢できるから?
あんなに可愛い子を少しの時間独占できるから?
ところで、ミホちゃんの好きな理由、
顔以外に、ないの?
ミホちゃんは、タケルくんを飾るアクセサリーやファッショングッズではないぞ。
ミホちゃんって、君を喜ばすための道具かい?
◆相対的価値と絶対的価値
タケルくん。これからメッチャ大事で真面目な話をするからさ。
よ~く聞いてくれ。
まず先に「相対的価値」と「絶対的価値」という、2つの価値を理解しよう。
将来出版される大ベストセラーの、
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』からの受売りだ。
18℃の井戸水は、夏は冷たく冬は温かい。
この、夏に感じる「冷たい」は相対的感覚。夏の水道水の温さと比較した結果の「冷たさ」。
冬に感じる「温かい」も、同じく相対的感覚。冬の手が痛いほどの冷たさと比較して「温かい」と感じる。
井戸水は、温度計で計ると夏も冬も18℃。1年中ほとんど変わらない。
この「18℃」は絶対的な数値だ。
冷たいも温かいもなく、18℃は18℃。
引用:『嫌われる勇気』を読んだ、著者の記憶
この、井戸水の例で、「相対的」と「絶対的」という意味が少しわかったと思う。
比べた結果、あるいは無意識に比べていて、それで感じたり判断するのが「相対的」だ。
比べることなく、そのまんま感じるのが「絶対的」ね。
でね、タケルくん。
僕たちは物心がつくと無意識に、同い年の女子を脳内ランキングしてきた。
いいかい、タケルくん。
これは、恥ずべき行為なんだ。
人として恥ずかしい行ないなんだよ。
人は、誰かと比較され評価されるために生まれてきたんじゃない。
タケルくん、君だってもし誰かに、
「君は、ハンサムランキング下位20%にランキングされた」
「よって価値は低い」
「価値はない」
「収容所で強制労働」
なんて言われたら、メッチャ腹立つだろう?
お母ちゃんに、
「タケルは、わが子の中で、4番目にかわいいよ」
って言われたら、イヤだろう。
わが子を比べるなよ~、って言いたくなるだろう。
もう、脳内ランキングなんかしちゃダメだ。
ランキングするなんて、何様?
ランキングなんかしたら、たとえ神様でも文句を言われちゃうぜ~。
ミホちゃんはミホちゃんだ。
他のクラスメイトもみんな、一人一人、絶対的存在なんだよ。
誰一人として、かわりのない、かけがえのない存在なんだ。
そのみんなは、タケルくんのために存在しているんじゃない。
みんな、自分が尊いんだ。
それが当然。
ちなみにね。
比較の結果、【可愛い女子1位】に輝いた女子。だから人気ナンバー1男子が告白して交際開始!
これね、女子は、深層心理では嬉しくないんだよ。
表層意識では、「私が1位?」って喜んだとしても、心の奥では喜ばない。
なぜなら、比較での1位は「比較対象が変わったなら順位も変わる」、そういうものだからさ。
可愛さや美しさで、他の子に勝ったからモテたってことは、もっと可愛い子が現れたなら、取って代わられてしまうってことだろ?
交際中、あるいは結婚してから、常に、ず~っと「もっと素敵な子が現れたなら」っていう恐怖と共に生きることになる。
そんなことを、表層意識で自覚している女子はいないかもしれないけど、深層心理ではみんな分かっているのかもしれない。
いいかい、タケルくん。
ミホちゃんはミホちゃんだ。
絶対的価値であふれているんだ。例えば、もしミホちゃんが一卵性双生児だったとしても、もう1人の女の子ではなく、ミホちゃんにミホちゃんだけの絶対的価値があふれている。
比べる必要なんてない。
比べる意味もない。
1番カワイイ子なんていう、そんな相対的価値観は、今後2度と持ち出しちゃダメなんだよ…。
◆交際OKだ!さあ何をどうするの?
タケルくん、楽しい想像をしてみよう。
ミホちゃんが、「タケルくん、スキです。付き合ってください」って告白してきたとする!
まさか断らないだろう?
さあ、天にも昇る気分じゃないか!
大丈夫、ドッキリじゃないから。
さあ、晴れてミホちゃんはタケルくんの彼女だ。交際スタートだ。
さて、タケルくん。
君はミホちゃんと、なにをする?
交換日記かい?
一緒に帰る?
いつキスできるかって、そればっかり考えるんじゃないか?
何をする?
この、唯一の映画館もつぶれてなくなった、超~田舎の街で。
ここは、超重要だ。
高校生男子は、ほとんどがサルだ。キスやエッチのことしか考えていない。女子を楽しませる話術もない。
だから高校生のカップルなんて、大体は長続きしない。
チャンスなんだよ。
サルたちは、ほどなく振られるんだから。
タケルくんが、サルたちと違って、楽しい交際をプロデュースできるなら、メチャクチャ有利じゃないか。
少女マンガを読んで、女心を勉強しな。
きっと、役に立つよ。
◆自分が好きなだけじゃないのか
さて、今日の核心を語ろう。
タケルくん。
君は「ミホちゃんがスキだ」と思っている。
しかし、その実は、あのカワイイ顔がスキなだけだ。
キスしてみたかったり、胸も触ってみたかったりだ。
それで喜ぶのは、タケルくんだ。
タケルくんは自分を喜ばせたいんだよ。違うかい?
つまり、自分が好きなだけなんだ。
そう。確かにタケルくんは、自分の顔や、口だけで実行の伴わない自分の性格は嫌っている。
しかし、自分の【存在】は、メチャクチャ大事にしている。なんせ自分のことしか考えていない。四六時中自分のことしか考えていない。
ミホちゃんを喜ばせたいって、1度でも考えたかい?
スキだスキだスキだスキだスキだ、こればっかじゃん。
『ミホちゃんを欲している自分』を、すごく大事にしているだけじゃないか。
じゃあ、ミホちゃんの好きな食べ物は?
好きなアイドルは?
好きな歌は?
ミホちゃんが今、欲しいものは?
分かりっこない?
想像はしてみたかい?
観察した?
仮説は立ててみた?
その子が好きならば、その子を幸せにしなくちゃならない。
まだ高校生でも、嬉しい気持ちや、歓びや楽しさを提供しなきゃならない。
お金なんかなくったって、考えれば、深く深く考えれば、方法や手段なんて山ほどある。
とにかく、
「僕は、僕が好きなだけなのか?」
という自問は、しばらく続けた方がイイよ。
◆自分のことは好きかい
「自分のことが好きなだけだ」と指摘したばかりだけど、それでも質問させてもらうよ。
タケルくん。
タケルくんは、自分のこと、好きかい?
ほう、嫌いか。
なら、こういう考えもあると思うんだ。
タケルくんは、自分が嫌い。
タケルくんは、ミホちゃんが好き。
タケルくんは、ミホちゃんと交際したい。
ってことは、
「ミホちゃん、好きです。このタケルと付き合ってください!」
「実は僕は、このタケル、あんま好きじゃないんだけど…」
「でもミホちゃんは、その辺りの欠点なんかを大目に見ていただいて」
「こんなヤツだけど、付き合ってやってください!」
って、そんな理屈にならないかい?
タケルくん。
ミホちゃんが付き合ってくれたら、君には、嬉しいやらなんやらメリットが色々あると思う。
で、ミホちゃんにはどんなメリットがあるんだい?
君が、君を好きじゃないのに。
いいかい、タケルくん。
『自分』という、世界で1番大切な存在を、放っといちゃダメだ。
甘やかしてもダメ。
いじめるのはもっとダメだよ。
まずは、自分が自分を、1番大切に扱ってごらん。
世界で1番大切な自分を、ちゃんと大切にしたなら、世界で2番目に大切な恋人や家族を『大切にする方法』も、きっと少しわかるだろう。
自分のことを、深く、考えてごらん。
自分を、遠慮なく、最大限に大切にするんだ。
じゃあ、また明日な。
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