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【43歳独身・妊娠日記】なぜ私はあの日、カフェインレスのコーヒーを捨てなかったんだろう。

まだ誰にも言えない。このnoteを公開もできない。

でも、いつかこの小さい命が無事に育って、

みんなに報告できる日が来ることを信じるために。

下書きに、書き留めておこうと思いました。


<2021.初春某日 近所の婦人科へ>

久しぶりの雨が降っていた。

雨は苦手だけれど、その朝は不思議と嫌でなかった。

雲の切れ間から、神様が降りているみたいな光がさしていた。

「おめでとうございます。間違いなく妊娠されてますね」

ドラマなんかで何回も見た光景。

自分には一生関係ないと思っていた、景色と言葉。

嬉しかった。

ぽかぽかした明るい陽射しの下にいるみたいな気もちだった。

生まれてはじめて感じる類の幸せだった。

帰り道に、できたばかりの近所のタルト屋で、金柑タルトを買って帰った。

ビニール傘に雨粒が透けて、キラキラしてきれいだった。

雨なのに、その帰り道の視界は明るかった。

家について、タルトをカフェインレスのコーヒーと一緒に食べた。

間違えてカフェインレスを買ってしまい、捨てようと思ったのに、

なぜか思い留まってとっておいてあったインスタントコーヒー。

なぜあの時私は、それをゴミ箱に捨てなかったんだろう。

奇跡って、そういう些細な一つの積み重ねで、

出来上がっているのかもしれないね。

ふわふわとあたたかい気持ちで、湯気の立つコーヒーと、タルトを頬張る。

それは確かに経験したことのないくらい幸せな、深い幸せな気持ちだった。

でも、

経験したことのないくらい幸せで、

嫌いな雨がいやじゃないくらい、嬉しくてあったかい気持ちなのに、

どうして私は女なんだろう、

会社を独立したばかりなのに、せっかくのキャリアを諦めて、

どうして今なんだろう、

こんなに幸せな気持ちなのに、なんで悔しくて不安なんだろう、

金柑タルトを頬張りながら、ぐちゃぐちゃの気持ちになって、

大声で泣きました。

嬉しいとか悲しいとかじゃ説明できない、

あったかくて苦しくて込み上げるきもちで、泣きながら食べたタルトの味、

忘れない。

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・・・あの日から、怒涛の1年と数ヶ月。

今私は、あの頃とは全く違う人生を生きている。

ぷくぷくでぴかぴかの0歳の赤ちゃんと、大切なパートナーと一緒に。

自他ともに認める仕事人間だった私は、

自他ともに認める、親バカ人間となった。

私の天職は、もしかしたら子育てだったのではないか。

本気で最近、そう思ったりする。


長年勤めた会社を辞めて、独立を宣言した直後の妊娠、

突然の高齢出産という挑戦、

それは、仕事仕事でまともに家事も料理もしてこなかった自分にとっては、

これからどう生きていけば良いのか不安だらけだったのだけれど、

そんな不安たちの存在よりも、膨らむお腹や胎動が愛おしくて、

重い体で歩く道の景色や匂い全て、野生レベルのよろこびがものすごくて、

毎日、幸せで幸せで幸せで、幸せで、

「私、今、幸せです」と、なんの迷いも嘘もなく言えるのは、

今まで生きてきて初めてのことだった。

そしてその気持ちは今、数々の奇跡を飛び越えてこの世界にやってきた、

ぷくぷくの命と出会い、暮らす中で、ますます大きくなっています。


独立したばかりの時期に、予定も予想もしていなかった妊娠で、

しかも前述のように高齢出産で少し心配事もあったため、

当時進行していたプロジェクトの関係者以外には基本告げずに、

産休・育休に入り、最近に至っているのですが、

子どもが6ヶ月をすぎた頃から、少しずつ仕事に復帰し始めました。

ただし、昔の私とは、違うやり方で。

日々、腱鞘炎と腰痛と寝不足と家事と闘いながら、

最愛の「令和ベイビー」と一緒に、

自分なりの「令和の新しいワーキングマザー」のカタチを模索しています。


新会社の仕事にまつわる記事をUPしていこうと始めたこのnoteですが、

ワーキングマザーという目線の記事もUPしていこうと思います。


至らない新米ママですが、今まで以上に仕事も頑張ります。

ていうか、頑張れちゃいます。

今後ご縁があったら、どうぞよろしくお願いいたします!











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