新しい服が欲しくなる理由

服に限ったことではありません。
鞄やアクセサリーなど、
自分の身につけるものが
新しく欲しくなる理由について、
その心理を書いてみようと思います。

ここでは、
今使っているものが古くなったから、壊れたから
という理由もしくは、
今までと活動範囲が変わって
別の用途や大きさのものが必要になったから
という理由は除きます。

結論から言うと、
新しい服が欲しくなる理由は、
「もっと素敵な人に見られたいから」
です。

個人としてこの世界に生きている
と思っている私たちは、常に、
「今のままでは足りない」
「このままではいけない」
「もっともっと」
という心理状態です。

いつやってくるかしれない
物理的もしくは社会的な生存の危機にさらされて、
これでもう大丈夫、という安心が得られることはありません。

生き残るためには、
他人に認められなければいけません。
自分のことを分かってもらう際に、
内面（考え方、性格、経済や生活環境など）
を伝えるのは時間がかかるし、
もしかしたら気づいてもらえないかもしれないので、
身につけているものなどの外見で伝える必要があります。

もっと優雅で余裕がある人に見られたい。
もっと仕事ができて信頼できそうに見られたい。
もっと従順で家庭的に見られたい。
もっとシンプルで洗練された人に見られたい。
もっとカジュアルで親しみやすそうに見られたい。

総じて素敵な人に見られたいというメッセージが
ファッションには込められています。

そして、それは今もっているものでもう大丈夫、
という終わりがありません。
より豊かに、
より知的に、
より性的魅力的に、
見せることによって、
この世界で価値ある存在だとアピールし、
だからもっと私のこと大事にしてね、
と訴え続けます。

だから、
本当の自分は、
変わりゆく世界の中で、
個人的に存在しているこの身体でもないから、
そんなに守る必要もないし、
今このままでいいんだ、
何も足さなくてもいいんだ、
という真理が分かれば、
今必要な服は、既に全て手元にあることに気づくし、
本当に必要なものは必要なタイミングで
手に入るということも分かり、
あれが欲しいこれが欲しいということがなくなります。

新しい服や鞄が欲しくなったとき、
自分が誰にどう見られようとしているのか、
客観的に見てみてください。
そして、それが本当に必要なことなのか、
今あるものでは本当に足りないのか、
考えてみてください。

誰に見られなくても、
ただ自分の快適のために、
ただ自分の喜びのために、
必要なものなら、
きっといつか良いタイミングで、
無理なく手に入ると思います。