自然と調和してすこやかな冬を過ごす方法
繊細にからだの声に耳を澄ませるようになってしみじみ感じるのは、やはり人間も自然界の一部なんだなということです。
この肉体も、自然のリズムと調和しながら生きることで、健やかに心地良く生きられるのだ、と身をもって実感する日々です。
暦の上では立冬(11月上旬)~立春(2月上旬)までのおよそ3か月とされている“冬“。
中医学や東洋医学では、動物はエネルギーの消費を抑えるためにエネルギーを「貯める」「蓄える」時期にするのが養生として正しいと考えられています。
つまり今の時期は、春夏のように積極的に行動を起こすのではなく、静かに知識や栄養を蓄えることを基本とするのがよいとされているんですね。
昔は、1年中バリバリ働きたいと思っていたし、年中活動的に行動できる人のことをうらやましいと思っていました。
でも、自然のリズムを無視して、ずっと頑張りつづけると、必ずツケがやってくるんですよね。
不調が出る、高熱を出す、事故に遭う、ケガをする…
自然のサイクルには、必ず始まりがあり、成長期を経て収穫期をむかえ、そして終わりがくる。
休眠しながら、次の新しいサイクルに向けたエネルギーを蓄えるのが冬の時期。
寒くなると冬眠する動物がいるように、人間のからだも同じく冬は蓄えモードに入ります。
そのためこの時期はあまりエネルギーの消耗のし過ぎはよくありません。
中医学では冬の養生法として
働き過ぎない
運動しすぎない
汗をかきすぎない
早寝遅起き
などがあるそうです。
とは言われても、まじめで働き者の日本人には、そんな生活はとてもぐうたらで怠惰な生活に思えてしまうかもしれません。
しかし、自然の一部である人間のからだも、冬はこのような生活の方が合っているのです。
私もこの一年は、季節のサイクルを意識して、からだの声を徹底的に聞きながら過ごしてきました。
春夏は、積極的に行動を起こして、活動的に働き、よく運動してたくさん汗をかきました。
そして秋頃からは、少しずつ動きをセーブして、外に向けた発信等も休み休みにするようにしました。
最近は、陽が沈むと眠くなってくるので、早々と就寝。そして朝は7時半頃ゆっくり起きる生活。
春夏は毎日のように踊っていた大好きなダンスも、最近はからだが欲しておらず…
夜ゆっくりとお風呂に入り、寝る前にじんわり汗をかくくらいのゆるめのストレッチをして、身体を伸ばしてから眠るのが心地良いと感じて毎日つづけています。
こんなふうに、季節のリズムに合わせた過ごし方を意識して、ちょっと不調を感じたらすぐ休むようにしていたら、今年は高熱を出すなどの強制終了がかかることなく健やかに過ごすことができました。
実は昔のわたしは、とにかく不調のデパートで。
頭痛持ち、生理痛持ち、年中鼻炎、胃腸が弱い、呼吸器が弱いなどなど…
3ヶ月に一回くらいは風邪を引くような虚弱体質でした。
30歳頃から、メンタルから肉体のすみずみまで自分と向き合って対話をくりかえし、徹底して自分を大切にして過ごしてきました。
そうすることで、40歳になった今がいちばん元気で調子がいい!と胸を張って言えるほどになりました。
まじめで働き者のみなさん。
季節なんて関係なく頑張って働いている人も多いと思いますが、この時期は少し活動をセーブしたり、スピードをゆるめて過ごしてみてください。
冬のオススメ養生法
働き過ぎない (活動量のセーブ、スピードを落とす)
運動しすぎ、汗をかきすぎない (激しい運動は避けて、じんわり汗をかく程度のものにする)
早寝遅起き
冷えをさける(しっかり湯船に浸かる、冷たい飲み物をさける)
乾燥をさける(部屋を加湿する、大根、きのこ、豆腐など白い食材は肺を潤します)
黒い食材を積極的に摂る(黒ゴマ、黒豆、黒糖、黒米、ひじき、昆布…冬に弱りやすいという腎の働きを助けます)
この冬、みなさんが健やかに過ごせますように。
わたしも引き続き、養生で実験しながら過ごしてみようと思います。