出版社→IT企業の編集職へ。LIFULLに転職した私の新たなキャリアと半年間
昨年10月、株式会社LIFULLに転職しました。
IT企業に編集職として、しかも出版社、web未経験から転職するというキャリアは、決してメジャーではなく、少なくとも社内ではほぼ皆無。
そこで、今回は転職や入社のきっかけ、半年ほど働いてみての感想などをまとめてみたいと思います。
キャリアや転職を考える方に、少しでも役立つ情報があればうれしいです。
とにかく力をつけたい。がむしゃらに働いた20代
以前の投稿でもちらっとご紹介しましたが、私は社会人となってから、一貫して編集者というキャリアを歩んできました。編集者を志した経緯はいろいろとあるのですが(いずれどこかで書きたい)、学生時代の私は自分に自信がなく、「若いうちはとにかく働いて力をつけてやりたい!」「仕事で一旗あげるんだ!(密かに野心の強い学生でした笑)」的な思いがあり、ある程度ハードに働くことを想定しつつ、出版業界を志しました。
新卒で入社した医療系出版社での医療系学生向けの学習誌の編集、2社目の企業出版を手掛ける出版社での書籍編集。どちらの会社でも貴重な経験をさせてもらいましたが、予想通り、体力的・精神的にハードなことが多く、周りからは「働きすぎじゃない?」「大丈夫なの?」と心配されることもしばしば…。
自分自身も、仕事自体にはやりがいを感じていたものの、年々衰える体力や、生活のほとんどが仕事という状況に限界を感じるように。「この働き方を長く続けるのは厳しい」「自分のペースで仕事をできる環境をつくりたいなあ」という思いをぼんやり抱いていました。
”働き方改革”で転職活動を始めたはずが…
そんな想いで迎えた30代。コロナ禍や前職での業務の区切りなどもあり、転職を決意したのは、今からちょうど1年ほど前です。
私の当初の転職の軸は2つ。一つは、今まで培ってきた編集のスキルを活かしつつ、ある程度分野を絞って編集に取り組めること。もう一つはweb編集の知識を身につけられること、でした。
前者に関しては、1社目・2社目での自分のキャリアを活かしつつ、自分の得意を磨いていきたい、後者に関しては、これからの編集者はwebにも知見を持っていないと厳しいだろうとの思いからです。1度目の転職活動は出版社のみでしたが、仕事の幅を広げたいという思いもあり、2回目の活動は自分の軸からブレない企業なら、出版社に限らず、幅広く受けていました。
肝心の働き方や働く環境に関しては、実は会社を絞るうえではあまり気にしていませんでした。転職のきっかけは働き方改革だったはず…なのですが、今以上にきつい会社はそうないだろう、という思いから、これまでより改善されればいいや、くらいになってしまっていたんです。完全にブラック企業慣れしてしまっていましたね。苦笑
ただ、最終的にLIFULLとその他選考に進んだ会社とで考える中で、決め手となったのは「働く環境」でした。
30代を迎えて、初めて「働く環境」で職場を選んだ
そもそもLIFULLとの出会いですが、登録していた転職エージェントからの紹介で、それまでは「昔引越しの時にサイト見たな」程度のイメージでした。
このnoteを読んでいる方も多くがそのような認識かもしれませんが、LIFULLでは、不動産・住宅情報サイトの「LIFULL HOME'S」のほか、住宅購入の無料相談窓口の「住まいの窓口」、物件購入後のアフターサポート、地方創生事業や花のサブスクサービスなど様々な事業を展開しています。
そんなLIFULLで、プロモーションの一環で制作しているムック本などをディレクションする編集職の募集があったんです。
正直不動産という領域に特別関心があったわけでもなかったのですが、紙媒体の編集経験を活かしながら、WEBとのクロスメディアプロモーションなどにも挑戦できるところに魅力を感じ、応募を決めました。
そこからLIFULLという会社を詳しく調べていくことになるのですが、仕事内容に加えて興味深かったのが、LIFULLという会社の姿勢やあり方です。
LIFULLは、社是に「利他主義」、コーポレートメッセージに「あらゆるLIFEを、FULLに」を掲げる企業。どの事業でも、単に利益を上げるのではなく、ビジネスを通じて人々の持つ「不」や、世の中が抱える様々な社会課題を解決することを本気で目指しています。私は大学時代にボランティア活動をしていたこともあり、社会貢献とビジネスの両立を目指す企業姿勢には大きく惹かれるものがありました。
また、「日本一働きたい会社」というフレーズにも心動かされました。
過度な残業はなく、勤務はフレックス。自分の都合にあわせて業務を無理なく調整でき、コロナ禍の現在はフルリモートで業務ができる。産休・育休取得率100%、時短勤務も可能。
こうした制度がある企業は今は少なくないと思いますが、制度だけで形骸化している・実際に使いにくい企業も多いと聞きますし、特に編集職が働く企業でこのような環境を整えているところはそう多くないと感じています(実際、私が働いてきた環境はないに等しかったです)。特に、これから結婚や出産を考えたい身としては、長く働き続けやすい環境が整っていることがとても魅力的でした。
さらに、社内で新規事業を提案する「SWITCH」という制度や、「キャリフル」という社内兼業制度、届け出を出せば副業が可能な仕組みも。仕事の幅を広げ、勉強もしたいと考えていた自分には、最適な環境だと感じました。
それまでは、とにかく編集の仕事をするなら出版社、ハードに働くことが自分を高めるのだと決め込み、働く環境にあまり目を向けてきませんでした。
でも、編集者としてそれなりに経験を積んできたのだから、そろそろ無理なく働け、自分のペースでやりたいことができる環境に身を置いてもいいんじゃないかーー。
LIFULLを知り、選考で社員とも話をする中で、そんな思いが明確になってきました。こうして私はLIFULLへの入社を決めたのです。
「働く環境」で職場を選んだのは、思えばこれが初めての経験だったと思います。
180度違う職場環境でわかった、LIFULLの良さ
晴れてLIFULLに入社した私ですが、最初は戸惑うこともしばしば。
毎日出社し、深夜まで会社にいた生活から、ほぼ家にいて、19時頃には仕事が終わる生活へ。対面や訪問先が大半だった会議はすべてオンラインに変わり、毎日何百枚とプリントアウトしていた書類もオンラインに。
本来なら良い環境に転職できた(*'▽')となるところですが、変わりすぎた環境と極度の機械音痴で(初期設定やツールの使い方などに大苦戦…)最初の数カ月は四苦八苦していた、というのが正直なところです。
ただ、こうしたハード面に慣れてくると、LIFULLという会社の特長や良さに気づきました。下記にいくつか挙げてみます。
●ビジョンや目標を意識する機会が多い
会社全体や各部署でビジョンや目標が作成されていて、その共有や振り返りがマメに行われています。出版社出身だとほぼこういった経験はない(と思う)ので、私だけが初体験なのかと思いきや、他の企業と比べても多いようです。こうした共有のおかげで、「組織としてどう動くのか」という視点が私にも身についている気がします。先に挙げたように、単に利益を上げることを目的とした企業でないからこその特長かなと思っています。
●業務の成果や生産性重視の働き方ができる
フルリモートを導入していることからも想像がつくかと思いますが、業務は日々の生産性重視。形式ばったムダな報告や業務が少ないなという印象です。評価は部署の目標に基づき自分で細かく業務目標を設定していて、その達成度で決まるというのもフェアでわかりやすいシステムだなと思っています。
●フラットで自由、個人が尊重される文化
上司や先輩も肩書などではなく「さん」付け。コミュニケーションはチャットで、個人の発信やアイディアに対して気軽にやりとりがされています。ついでに服装や髪形の規定などもありません。上下関係の厳しい環境で過ごしてきた自分には、いまだに慣れない部分でもあります(いまだに○○長!とか役職で呼びたくなります)。
●プライベートを大切にする人が多い
先に触れた休暇などの制度が整っているためか、プライベート、特に家族を大切にしている方が多い印象を受けます。女性で家庭と両立されて働いている人が多いのはもちろんですが、男性でも育休をとられている方が多く、お子さんの学校行事やお迎えなどと業務をうまく両立される方も。家族との時間をきちんととられている方が多いのは本当に驚きでした。
編集者=出版社というイメージを壊したい。編集者としての新たなキャリアを目指して。
入社して半年。現在私は、出版社とタイアップしたムック本や書籍の企画、SNSの編集(「住まいの窓口」というサービスのnoteを運営しています、ぜひご覧ください)などを担当しています。
ようやくそれぞれの施策がカタチになってきた、というところなので、まだまだこれからが本番ですが…。紙媒体を活用し、SNSやwebとも連携しながらサービスの認知や集客力を高めていく今の仕事は、これまで培ってきた自分の編集やブランディングの経験を活かしつつ、新たな知見を得ることができるので、大きなやりがいを感じています。
こうした施策で結果を出していくことが当面の目標ではありますが、個人的な目標は、自分のような編集のスキルを一般企業で活かす、というキャリアをメジャーにしていくこと。
編集者、というと出版社勤めのイメージを持つ方がほとんどだと思いますが、これからの編集者は出版社の枠にとどまらず、いろんな会社で活躍できるのではないか、むしろ出版社にこだわるだけではもったいないのでは?という思いが、この半年働く中で強くなりました(実際そういう人も増えてきていますよね)。
編集者=出版社というイメージがなくなるくらい、編集者が様々な場所で活躍できる世の中にしたい。そのために、自分もここ、LIFULLで精いっぱい活躍したいと思います!
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