見出し画像

男性の育児休業取得率公表だけでは出生率は上がらない。

*3児の母・人事社員・夫が半年間の育休中*

政府は、来年、男性の育児休業の取得率について公表義務を課す企業の対象拡大に乗り出す。

公表を義務化することで取得率が上がるのか。
また、来年法改正では遅くないか。

フランスでは一昨年に男性の育休取得を義務化している。現在の日本の男性の育休期間は2週間未満が全体の5割を超える。

育休期間が短い理由は3点ある。

まず1点目に、企業風土である。
周りに長期間、育休取得している男性社員がいなければ、取得しづらい。
育休を取得するのは若手が中心だ。上司に長期間休みたいと申告するのはなかなかハードルが高い。
男性が社内で初の育休を取得し、それを機に、その部署の若手男性が育休を取得するようになるという事例がある。
その部署の役員・管理職の理解は他部署に比べて進んでおり、育休期間中の欠員にも、綿密なスケジュールを組み、柔軟に対応していることが何よりの要因だと感じている。

2点目に、給与・昇進の不安だ。育休中は、給与が止まり、雇用保険から出る育休給付金のみになる。
女性が専業主婦の場合は、家計に影響が少なからず出てしまう。育休取得予定だった男性社員が、給与が減ることに不安があるため育休を取り消すという話も聞いたことがある。
また、育休期間中の評価ポイントが付かず、昇進にも影響が出る。自社は昇進するためには2年連続で取るべきポイントがあることも弊害になっている。

3点目に、社会保険料免除要件である。14日以上育休取得した場合に同月内の社保料免除になる。
良くも悪くも、「14日間育休を取ること」が目安となってしまっている。

育児参加がまだ浸透していなかった時代の年配の男性議員たちが大半の国が、「有識者」と考えるメンバーを国会に呼び、対策を考えているようでは出生率は上がらない。育児経験のある女性議員の不足・若者の投票率の低さが影響している。

国・企業は国民・社員の声に耳を傾け、出生率上昇に取り組んでほしい。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73056370W3A720C2MM8000/

この記事が参加している募集

人事の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?