ビーンパイとブラックアウト
コメディクラブで転換時のパフォーマンスをするため、ブルックリンからマンハッタンへ車で移動していたある日のこと。ブルックリンブリッジはいつものように渋滞で、夕方の空の綺麗なグラデーションを助手席の窓からぼんやり眺めていた。銀紙で包まれた小さな円形のものを何個も片手に積んで車の間を縫って歩いている黒人男性が目に入る。濃い髭、黒の丸縁眼鏡、質素だけど清潔で整った身なり、知的な佇まいというのはこういう事を言うのだろうなぁと思いながら観察していたところ、気づいたら私の窓までやってきて