しゃぼん玉/漂白剤[詩]


しゃぼん玉 作りましょう

つー っと 吐息 注いで

まあるく まあるく

くるくるくるーって 色彩が 

ぺかぺかと 笑いながら

こころもとない 境界線を 流れていく

旅立つときは どこからみても

円であれば それだけでいい

なるだけ 遠くに いってほしい

私の 気持ちだけ ぷるんっと はなれて

なるだけ 遠くへ いってほしい

「しゃぼん玉[詩]」

* * *


わたしの 引き攣った笑みが

上擦る声が 口癖が

ミートソースのように 飛び散って

だれかの顔に 染み付いた

とてもきれいだったのに と哀しくて

もし 漂白剤をお持ちなら

だれか おひとつ貸してほしい

わたしは どうか
ふうわり香る 

柔軟剤に なりたい

「漂白剤[詩]」

*atogaki*

2019年に公開した詩を手直しし再公開しました。
口下手で、どうしようもなくて、
人の輪に馴染むことができなかった
その時の不安が題材となっています。

あさき まほろ

トップのしゃぼん玉のお写真は、みんなのフォトアルバムにご登録されている 小鹿なだめ さんのお写真をお借りしました。
空の色、しゃぼん玉、手の影・・眩しくて美しくて
トイカメラのレトロな雰囲気もとても素敵です。
思わず、惚れ惚れしてしまいました。

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