放課後まほらbo

一般社団法人 東京学芸大Explayground推進機構のlabの一つ。「まほら」とは、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の日本の古語です。子どもにとって、親にとって、地域にとっても素敵な「放課後のまほら」を探究します。

放課後まほらbo

一般社団法人 東京学芸大Explayground推進機構のlabの一つ。「まほら」とは、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の日本の古語です。子どもにとって、親にとって、地域にとっても素敵な「放課後のまほら」を探究します。

    マガジン

    最近の記事

    放課後まほらbo第二十二話 子どもが伸びる「野外生活5スキル」の秘密

    放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、なぜ子どもの「生活体験」が大切なのかを探究します。今回は、令和3年6月5日実施の冒険教室「野外生活5スキル」体験を解説します。 【第二十二話】 ■なぜ「冒険」なのか 4月の人間の巣づくり体験は、鳥のように人間の巣をつくる方法を試してみることでした。ツリーハウスではなく小さな鳥でもできる「巣」づくりなら自分たちの力で挑戦できる。それをダビンチグリッドという最少の構造体をつかって科学的に挑戦

      • 放課後まほらbo令和三年元旦 「まほらbo」の意義

        放課後まほらboでは、子どもたちの「主体的、対話的で、深い学び」を実現するために、放課後の有意義な過ごし方や、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、学習の素地を整えるための「遊びを科学する」ことで、子どものより良い成長を探究します。 ■なぜ「放課後まほらbo」なのか 学習指導要領の中心テーマとして「主体的、対話的で、深い学び」が挙げられています。学校の教育テーマを放課後でも共有することの意味はなんでしょうか。遊びに「ねらい」や「目標」があると、それは遊びではないのでは

        • 放課後まほらbo第二十一話 子どもが伸びる「野外・生活体験」とは

          放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、なぜ子どもの「生活体験」が大切なのかを探究します。 【第二十一話】 ■なぜ「生活」なのか 子どもの活動の中で「生活」の持つ意味合いとはなんでしょう。 学校教育では平成元年に生活科が誕生しています。昭和40年代から長い時間をかけて検討を重ね行われた教科の再編ですが、それまでの社会、理科ではなく、生活科とされたのには理由があります。 (1) 児童の発達の特徴 子どもたちは遊びを通して、総合

          • 放課後まほらbo第二十話 「地域で学ぶ」仕組み

            【第二十話】 ■いつから「地域で学ぶ」と言われ始めたか  教育に社会全体でコミットする「社会総がかり」という言葉がいつから使われだしたのか調べてみますと、平成20年の教育再生会議最終報告でこんな表現をみつけました。 ○国民一人ひとりが「当事者意識」をもって、学校、家庭、地域、企業、団体、メディア、行政など、あらゆる主体がそれぞれの役割を自覚し、教育再生に積極的に参画する。 ○それぞれが「連携」を図り、責務を果たすことによって、以上のような教育再生を実現する。https://

          マガジン

          マガジンをすべて見る すべて見る
          • 放課後まほらboのお話
            放課後まほらbo

          記事

          記事をすべて見る すべて見る

            放課後まほらbo第十九話 スウェーデンで始まった「小さな冒険の旅」 【第十九話】

            放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、なぜ子どもの「冒険遊び」が大切なのかを探究します。 【第十九話】■北欧の野外教育  日本では全国一斉休校が発せられた後も、極度の緊張感の中、保育現場は社会機能を維持するために機能し続けました。そのコロナ禍にあって欧州で注目されたのが、野外保育です。スコットランド政府は、エビデンスを示した上で感染拡大防止と保育士の労務負担の軽減、保健衛生の観点から野外保育の積極的導入をすすめていました。

            放課後まほらbo第十八話 「冒険と創造性」を考える

            放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、なぜ「冒険遊び」が子どもの創造性を伸ばすのかを探究します。 【第十八話】■子どもにとっての冒険 「危ないから、やめなさい!」のもう一つの側面について考えてみたいと思います。  この言葉が、どれほど子どもの成長の機会を摘む恐れがあるかは、前回十七話で触れました。危険な遊びが、子どもの力を引き出すという文脈の中で、合わせて身体能力、対処能力の向上や自己肯定感につながることに触れたのですが、子

            放課後まほらbo第十七話 「危険な遊び」が、子どもを伸ばす?

            放課後まほらboでは、「遊びは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、なぜ「危険な遊び」が子どもを伸ばすのかを探究し、その効果について考えます。 【第十七話】■危険な遊びの仕組み 「危ないから、やめなさい!」 ほとんどの大人、特に親は、身に覚えのある言葉でしょう。 実際、子どもたちといると、この言葉の必要な場面に幾度も遭遇します。問題なのは、この言葉が口癖になってしまうことです。 「危ないから、やめなさい!」という時に、少し考えてみてください。 いったいな

            放課後まほらbo第十六話 子どもの力を伸ばす「危険な遊びの実践例」

            【第十六話】 放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、こどものより良い成長を促す「危険な遊び」を探究し、その効果について考えます。 ■GoTo冒険キャンプとは  第十四話の「危険な遊び」をプログラム化して組織的に行う事例を紹介します。 世間で何かと耳目を集める「Go Toブーム」 そんな中で始まったGoTo冒険Campで、奈良市の小学校5年生32人と過ごしました。  奈良市内在住5年生が対象のこの企画は、全5回2月まで瞬時に

            放課後まほらbo第十五話 「ポジティブ」の効果

            【第十五話】 放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、こどものより良い成長を促す「肯定的探究」の効果について考えています。■ポジティブ心理と社会 第十四話の「危険な遊び」の実行は、ネガティブでは難しい。怪我をするのではないか、事故に遭うのではないか、喧嘩をするのではないか、虐められるのではないか、こんな目で子どもの遊びをみている大人にとっては、子どもの力を伸ばす「危険な遊び」を取り扱うのは難しかもしれません。特に親の気持ちになる

            中学進学でホントに必要な力~質疑応答編2~

            先日『中学進学でホントに必要な力』と題し、教育講演会を開きました。 中学受験に向いている子、今はやめておいた方がいい子。 受験を3年伸ばした場合、その子の何を育てていくか。 学校の先生と親以外の、第三の大人の存在について。 本編の様子はこちらを。 noteでは質疑応答とアンケートにあった追加の質問について答えます。 今日はその第2弾。第1弾はこちら それでは、参ります。すべての悩めるお父さんお母さんの助けになりますよう。 質問1 私立に通う姉。コンプレックスのある下の子

            放課後まほらbo第十四話 「危険な遊び」の効果

            【第十四話】 ■遊びの質の変化と社会 ■危険な遊びとは ■冒険の効果 放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、こどものより良い成長を促す「危険な遊び」の効果について考えています。■遊びの質の変化と社会  第八話の「遊びの科学-あそびの危機-」でも少し触れましたが、この30年間で子どもの遊びは大きく変化しているといわれています。それは屋外での遊びが減り、遊び相手がデジタルになったということです。新自由主義の下で広がった個人主義が自

            放課後まほらbo第十三話 「遊びと仕事」を考える

            【第十三話】 ■こどもは「お仕事」が好き ■マリア・モンテッソーリの気付き ■ごっこ遊びと役割放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、こどものより良い成長を促す「遊び」と「お仕事」の関係を考えています。 ■こどもは「お仕事」が好き  第十一話の「遊びの必要性」の話題の中で、こどもにとっての「お仕事」について少し触れました。資質・能力を高めるための放課後の在り方を研究目的とした東京学芸大学放課後児童クラブの実践を始める時の議論で

            放課後まほらbo第十二話 「勉強法」を考える

            【第十二話夏の特集号】勉強法が変わる!オンライントークから ■骨太の勉強法 ■中学受験で気を付けたいこと ■学ぶ意欲とスキルを育てる 放課後まほらboプレゼンツ勉強法の変わるオンライントークでは、専門家との対話を通して、私たちができる子どもの「学び方」を高める効果的な方法を考えていきます。 ■骨太の勉強法「勉強法が変わる!オンライントーク」では、参加者から事前に専門家にききたいことを募集しました。ラジオ風に、視聴者からの素朴な疑問や質問に専門家が答え、一緒に考えるスタイルを

            中学進学でホントに必要な力~質疑応答編~

            『中学進学でホントに必要な力』と題し、教育講演会を開きました。 中学受験に向いている子、今はやめておいた方がいい子。 受験を3年伸ばした場合、その子の何を育てていくか。 学校の先生と親以外の、第三の大人の存在について。 本編の様子はこちらを。 noteでは質疑応答とアンケートにあった追加の質問について答えます。 すべての悩めるお父さんお母さんの助けになりますよう。 質問1 小4。読書の習慣がついていないし、漢字も読めない。本を読むのが嫌い。 回答1 10年間習慣づけてい

            放課後まほらbo第十一話 「遊びの必要性」を考える

            【第十一話】 ■遊びを捉える ■遊びの大切さ ■遊びは子どもにとっての仕事 放課後まほらboでは、「あそびは、最高の学び!」の構造化をすすめ、遊びを科学することで、こどものより良い成長を促す「遊び」とは何かを考えています。 ■遊びを捉える  第九話で「3つの遊びの側面」を話題にしました。そもそも「遊び」とはなんでしょうか。フランスの社会学者ロジェ・カイヨワによれば、「遊び」とは以下のような特徴があるといいます。(出典wiki) ・自由意思にもとづいておこなわれる。 ・他の行

            放課後まほらbo第十話【夏のすべらないエエ話】「学びをつなぐ」バトンリレー

            【第十話<夏のすべらないエエ話>】 ■「その子」に合った対応が信頼を生む ■見立てと協働へのプロセス ■放課後のプロフェッショナルとは コロナ禍で過ごす異例の夏休みは、子どもや、そこに関わる大人にとっても初めてのことばかりです。そんな中で、さっそく聞こえてきた「エエ話」が、放課後の指導者に求められる要件について考える機会になると思い「特別編」としてみなさんと共有します。 ■「その子」に合った対応が信頼を生む 「お願いしてもいいですか?」模造紙と手作り実験器具を抱えた先生が放