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中学進学でホントに必要な力~質疑応答編2~

先日『中学進学でホントに必要な力』と題し、教育講演会を開きました。
中学受験に向いている子、今はやめておいた方がいい子。
受験を3年伸ばした場合、その子の何を育てていくか。
学校の先生と親以外の、第三の大人の存在について。
本編の様子はこちらを。

noteでは質疑応答とアンケートにあった追加の質問について答えます。
今日はその第2弾。第1弾はこちら

それでは、参ります。すべての悩めるお父さんお母さんの助けになりますよう。

質問1
私立に通う姉。コンプレックスのある下の子。集中力もない。ゲームは夢中になっている。

回答1
 いろいろな問題を含んだ質問ですね(笑)
 まずはお姉さんと下の子を1つの定規で比べるのをやめましょうね。「学力」というのは100万個ぐらいある評価の1つです。例えばお子さんが98歳と96歳になった時、まだ「学力」で比較しますか?
 またゲームですが、ゲームは夢中になるように設計されています。自分の実力より少しだけ強い敵キャラが居て、工夫したら倒せる、仲間と協力したら倒せる、それくらいの挑戦がずっと続きます。何をしても失敗するようには設計されていません。少し工夫したら倒せる、そこがポイントです。学習にも活かせそうでしょう? 間違えた時に大きな痛手を負わないくらいの、自分の実力よりちょっとだけ難しい問題を数多く成功させる、その経験が自信になります。
 うまく行ったときは、うまく行った原因を言語化しておくことも大切です。最初は「別に」とか「なんとなく」などと言うような言葉が返ってきますが、続けていくことで、だんだんと「振り返り」が上手になってきます。
 まほらboでは、各教科ごと、そして1日を通してしつこいくらい「言語化」しています。「これを言ったら変かな」「こんなことでいいのかな」と不安に思っている子どもたちが「何を言ってもいいんだ」「じゃあ、少し自信を持って発表してみようかな」と思えるような、安心安全の場を作ることを心がけています。

質問2
家族会議の設定の仕方が分からない。やったことがないので。

回答2
かしこまらなくていいと思います。進路を決める時、何か解決したい問題がある時、何かを選ばなくては行けなくて迷っているような時、お風呂上りにでも家族で話してみるといいでしょう。そしてそんな会議を何回も何回も重ねること。たった1回の話し合いで、お稽古ごとや、進路を決めてはいけません。そのためには、普段からコミュニケーションを取る必要があります。「何を言ってもいいんだ」「お父さんもお母さんも、ちゃんと僕の話を聞いてくれる」そういう下地を作ります。難しい話を決める時だけ家族が集まっても、子どもは本心を語らないかもしれません。そのために日々のコミュニケーションはあると思います。

質問3
大きくなって読書をしなくなってしまった。読んでほしい本を買ってきて置いたり、新聞を読んだ方がいいよと新聞を見せたりするがノッてこない。かいけつゾロリあたりは楽しそうに読んでいたのだけど。

「アフターゾロリ問題」「松嶋有香」で検索してみてください(笑)
参考
かいけつゾロリの次は何を読めば良いのか~アフターゾロリ問題1~
https://kakimakuru.com/blog/23001020170604
ゾロリの何の要素が好きで読んでいたのか、思い出してその先をつなげてください。もし、思い出せないようなら、まずは、大きな本屋に行って「好きな本を買ってあげる」と言ってみてください。そしてその時に気を付けなければいけないのは、子どもの選んだ本を絶対に否定しないことです。ましてや親が読んでほしい本を押し付けるのはNG。逆の立場だったらどうですか? 例えば、もしお姑さんが「嫁にはこれを読んでほしい」って本がリビングに置いてあったらどうですか?(笑)読みますか?(笑)あ、私は仲がいいですけどね。でも「息子ホイホイ」のように、子どもの興味が完全にわかっていて「この本、絶対にうちの子好きだわ」というくらいの自信の本だったら読むかもしれませんね。そのために子どもが何に興味を持っているのか察知する力が必要かもしれません。

質問4
小3男子。姉と違って物の管理ができない。机の上はごちゃごちゃ。

回答4
えっと、小3男子で、ものの管理はしっかりとはできませんよ。うちの子は成人してもできていません(笑)それが本人がつらいと感じないまで、直らないと思います(笑)男の場合は、好きな女の子のためにがんばったり、かっこつけたりする時がチャンスかもしれませんね(笑)息子のことはあきらめていて、自分が困るか、結婚相手にバトンタッチするかどっちかかと(笑) 親に叱られて一時的に直ったものって、結局元に戻りますよね? なんでも。結局自分が困らないと直らないんですよ。大人だってそうでしょう? 一瞬しゅん……ってなっても、またいつの間にか元通りになりません? というか、小3男子なら心配不要。むしろ、弟の心配ばかりする母親を見て、お姉さんの方が気苦労するかも。「弟の分までしっかりしなくちゃ」とか。まぁ、過度でなければそれはそれでいいんですけどね。そういうことって、ぐるぐる回るというか。「お姉ちゃんはしっかりしてるのに」という母親に対して、興味を引くためにわざと悪いことしたりします。そうすると母親がまたいろいろ言って、お姉ちゃんはお姉ちゃんで張り切る。お母さんが構ってくれるから、僕は成長しないでいつまでもできないままでいようと思う。子どもってお母さんが大好きなんですよ。子どもは、いつも自分を見ていてほしいんです。

質問5
中学受験をやめた時、主体性をつけさせないと、内申も悪くなりますよね?

回答5
なんだか、本末転倒ですね。内申が目的になっている。主体性が目的ですよね? 内申はその評価の一面でしかない。まずは子どもをまるごと受け止めて。そうすれば「つけさせる」なんて言葉は出てこないはず。「こうなったらいいのに」という理想を持たないこと。そう思っていると、ついつい口に出ちゃいますからね。まずは子どもの成長を信じて、手を放してみてください。もう補助輪なしで自転車に乗れるようになっているのかもしれませんよ。

質問6
公立と私立がどう違うか、自分の子に向いているか分からない。

回答6
ざっくり言うと、公立は公務員なので異動がある。私立は一貫した教育を行っているので教師の異動はほぼない。それは大きい。どっちが良いとか悪いとかではなく、違う。一度見学に行ったらいい。公立の場合は、見学をした時に気に入った校長先生が、自分の子の代でいないかもしれないということ。また、公立は東京都なら、市区町村によって雰囲気も違う。自分の住んでいる地域から行ける学校を、両方見学したら良いと思います。

まとめ

32年間教育に携わってきた人として、また一人の母親として、保護者の方たちにお話できたこと、うれしく思います。学校の保護者会では、クラスの雰囲気はどうかとか、いじめがあるようだとか、そういう狭い話が多いと思いますが、小規模な教育講演会だと、質疑応答の内容がちょうどよい感じですね。また機会があれば、まほらboで講演会?相談会?(笑)をしたいと思います。

まほらboは、受講生を募集しています。

詳細はまほらboホームページで。

まほらbo 国語担当 松嶋有香