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見た目段位別の、実際の牌譜でシミュレーションした結果と実際の打牌の正答率(聴牌VSリーチ編)

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

今回は、シミュレーションの結果を正答とした場合に、牌譜上の実際の打牌について、ちゃんと高段位ほど正答率が高くなっているのか、という検証をしてみた、というテーマです。

とりあえず初っ端は、一番シミュレーションがやりやすい、自分聴牌VS他家リーチ者ありの状況でやってみます。

2.牌譜解析&シミュレーション条件等

・あるプレイヤー(自分)の打牌直前の局面を調査対象とする。
直前行動がチー・ポンでない。
自分は聴牌となる打牌が存在する。
他家にリーチ者がいる。
・以上、条件に当てはまった局面について、シミュレーションを行う。
・シミュレーションする対象打牌は、聴牌化する打牌(門前ならリーチするかどうか)・シミュレーション上最も放銃率が低い牌を切ってベタオリ・牌譜上の実際打牌をして押す・牌譜上の実際打牌をしてベタオリする、のいずれかの条件に当てはまった打牌すべて。
・計算基準は七段配分段位pt
・以下のデータを収集する。自分の段位シミュレーション上正答(最も段位ptが高い打牌)と実際打牌が一致しているかどうか・シミュレーション正答の段位ptと実際打牌時の段位ptの差(この値をpt損失と定義する。)・pt損失が1pt以内であるかどうか・pt損失が3pt以内であるかどうか・pt損失が5pt以内であるかどうか。
・シミュレーション回数は各打牌1万回

イメージとしてはこんな感じです。

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シミュレーション上最も段位ptが高い打7sリーチと、実際の打牌(打北ベタオリ)の段位ptを比較して、その差分(このイメージ図だと2.0pt)が1pt以内とか3pt以内とか5pt以内かどうかで、正答率および解答精度みたいなものを測っていきます。

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このような形式のデータを取ります。
データ1行につきシミュレーション時間が数秒くらいかかるので、現状最初のほうの3万試合分(295252打牌)しかデータが採れてないです。これだけ採るのにも2週間くらいかかって大変でした。シミュレーション回数が1万回と抑えめなのも、時間的制約の面が大きいです。正確性は多少犠牲にして、より多くのデータを取ることを重視します。シミュレーション回数が少ない分、乱数の出目次第でシミュレーション上の完全正答が真の値から外れることが考えられるため、完全正答率はそこまで重視しません。完全正答でなくても、例えば1pt以内正答なら実際の打牌は十分正しい(シミュレーション結果と整合している)とみなします。一方、5pt以内正答ですら実際の打牌が外しているケースはプレイヤーが大きくミスっている可能性が高い、みたいな解釈をしています。3pt以内正答はその中間くらいなイメージです。

このデータを集計して、このような表を作ります。

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左から、
自分の段位(便宜上、天鳳位は11段扱いとする。)
データ数
完全正答率
1pt以内正答率
3pt以内正答率
5pt以内正答率
合計pt損失(該当段位全データのpt損失の合計)
非完全正答時平均pt損失(合計pt損失÷データ数÷(1-完全正答率))
というラインナップです。段位別のデータに加え、私(nisi)個人のデータも取りました。

また、1pt(・3pt・5pt)以内正答率について、七段を基準とした、母比率の差検定(七段者とn段者のデータで正答率に統計的に有意な差となっているかを調べる検定)もやりました。以下、有料部分にてお見せします。

3.段位別正答率データ

では、正答率などの実際のデータを見てみましょう。下表になります。

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