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ドラ種類・確定ドラ数別、対喰いタンへのシャンテン押し

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

『新 科学する麻雀』で扱った対通常副露の押し引きについて、相手は「平均的な副露」を想定してシミュレーションしていました。ただ、相手の副露の仕方やドラの種類や見え方によって、相手の打点が「平均的な副露」よりも高いor低いことが読める場合も実戦では多くあると思います。極端な話、相手が喰いタン濃厚の仕掛けでドラが19オタ風の場合、ドラはほぼ使ってなさそうで安いという読みは十分可能と思います。

そこで今回は、対喰いタンへのシャンテン押しについて、ドラの種類と仕掛けで確定しているドラ枚数を動かして、押し引きがどの程度変わるかを見ていきます。

2.シミュレーション条件等

〇想定牌姿

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対面3pチー打9m、4sチー打1枚目8m

〇ドラ種類
ドラ西、発、2m、3m、4m、5mの6パターン

〇相手確定ドラ枚数
ドラ0(上記牌姿通り)、ドラ1(3p4p5pチーの5pが赤)、ドラ2(副露牌の5pと5sが赤)の3パターン

〇巡目
5巡目、9巡目、13巡目の3パターン

〇その他条件
自分一向聴からの他家攻撃に対する途中押しは5%以下押しとする。

状況は、一向聴VS1軒副露の押し引きのボーダーラインとなる、子VS子・門前1300点・カンチャンリャンカン一向聴・初手両無筋・相手2副露に設定しました。ここから、ドラ種類(6パターン)×相手確定ドラ枚数(3パターン)×巡目(3パターン)の計54パターンのシミュレーションを行います。

以下、有料部分ではこのようなグラフ・表を掲載します。

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こちらのグラフは、子のタンヤオ仕掛けに放銃した場合の平均失点について、副露で確定している役・ドラ枚数(凡例の棒グラフ)とドラの種類(横軸)別に牌譜解析で調べたデータです。

例えば、ドラ19牌の場合に、副露で確定しているドラがなければ、放銃時平均失点は2060点ですが、確定ドラ1であれば3414点確定ドラ2であれば5179点に増えていきます。

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こちらの表は、54パターンのシミュレーション結果をまとめたものです。行方向が確定ドラ枚数とドラ種類による分類、列方向が巡目による分類です。1ブロック目の「打5p押し」が初手5pを切って押したときの局収支、2ブロック目の「ベタオリ」が8m9mを切ってベタオリした場合の局収支、3ブロック目の「局収支差」が打5p押しの局収支からベタオリの局収支を引いた値で、プラスであれば押し有利、マイナスであればベタオリ有利であることを表しています。

例えば、5巡目・副露で確定しているドラ0枚ドラ西の場合、押したときの局収支が-608点ベタオリしたときの局収支が-1192点で、局収支差+584点で押し有利となっています。この局収支差がほかのパターン(確定ドラ枚数・ドラ種類・巡目)によって、どの程度変わってくるかが本日のメインテーマです。

3.対タンヤオ仕掛け放銃時失点(牌譜解析結果)

まずは、対タンヤオ仕掛け放銃時失点のグラフから見ていきます。下グラフになります。

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